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#小説
【ショートショート】乗り物酔い
俺は生まれた時から乗り物酔いをするほうだった。
お母さんの抱っこで酔い、ゆりかごで酔った。
自転車も頑張って練習して乗れるようになったが、気づけば酔っていた。
車は当然、電車に飛行機、船にエレベーター
乗り物であれば何でもかんでも全部酔った。
理由は分からない。病院にも言った。
医者は赤ん坊の頃のトラウマによる精神的なものだと言って、カウンセリングを受け続けているが彼此30年、一向に良
【ショートショート】哲学者の嘆き
哲学が不足している。
哲学とは問いかけの学問。
ほんとうは何処にあるのか。
目の前のそれはほんとうなのか?
例えば、1+1は2なのか?
水槽に魚が1匹いました。
追加でもう1匹いれました。
魚は何匹なのか?2匹?
その魚はもう1匹に食べられるかもしれない。
そしたら、魚は1匹だ。
なぞなぞじゃなく、科学とは決められた前提条件のもとに成り立つ法則でしかないということだ。
じゃあ、1とは
【ショートショート】新しい生活様式
時代は2020年、オリンピックが日本で行われる事が決まってから人々は浮き足立っていた。
公共事業で多くの公共交通機関が整備されて、新しいホテルが次々に建設された。外国人観光客の受け入れ体制は万全であった。
TVでは写るCM全てがオリンピック一色、企業の株価はぐんぐん上がり、日本中が期待間に溢れかえってきた。
だが、しかしだ。もはや周知の事実だが、アジア発の新型の病原菌でよるパンデミックが起こ
【ショートショート】視力回復
私は、生まれつき目が不自由であった。
子供の頃はそれでも物を見ることが出来ていた。しかし、成長するにつれ、目が見えなくなっていき大人になる頃にはすっかり目が見えなくなっていた。
両親は、日本全国駆け回り、私の視力回復のために尽力してくれた。両親は、私のために人生の全てを捧げたのだ。日本屈指の医者は勿論、最強の魔術師や霊能力者、サプリメントや目のマッサージ、何でも頼った。頼りに頼り、頼りきって失