知らざあ言って聞かせやしょう。
よくよく考えなくても、
弁天小僧っていうのは小柄で美少年だったんだろう。弁天っていうぐらい女装すると美人さんで、小僧って言うぐらいだから小柄でほっそりしていたんだろうなぁと想像する。
正体がバレそうになって、開き直っての台詞が「しらざあ言って聞かせやしょう」なわけだけど…
そんなシーンが日常にもあると言う話。
え、その話をそんな上からその人にする?みたいなさ。
飲食のスペシャリストにFL原価の話を滔々とするやつ。
マナー講師にマナー語っちゃうやつ。
そんな感じの時の聞いてる方の人は俺を私を誰だと思ってんねん。
むむむむ
「しらざあ…」ってなるわけじゃん。
気持ちわかるー。
がしかし自分的には最近、得意になって語る人がいる時はよくよく聞いてあげようって心がけている。
僕のキャリアは素人のプロだと思っていることがあって、マーケットに思いを馳せる時に常に購買側の視点をもっていなくちゃいけないって若い頃徹底的に叩き込まれたので「これに関しては人に意見は言わせねーぜ」的なポジションをなるべく取らない。
その事自体が自分の強みであると思っている。
話がずいぶん飛ぶけど、バブル崩壊後の都内のタクシー運転手には石投げれば当たるほど元社長って方が溢れていて、当時運転しながらの場繋ぎの話で「あなた1億程度の借金で悩んでたらいけません」とか「人に裏切られるのは辛いもんですなぁ」とか「屋根のある環境で働けるなんてありがたいって改めて思いますわ」みたいなことを淡々と聞かせてもらって随分と勇気をお裾分けいただいた。
運転席から「しらざあ言って…」と啖呵切りたいこともあるだろうに、皆さん古くからの本職と違って地理に疎かったりで苦労することも多かろうに、
当時、生意気な若造の自分にもしっかり接客していただいた。
そう考えると中々他人様に偉そうなこと言えないよなぁって思いつつ、
偉そうに講釈垂れる奴の多いこと。
特にタクシードライバーとか警備員さんとかその辺の人に横柄な態度取ってる方、そのうち「知らざあ言って聞かせやしょう」って啖呵切られるよ。
そして現実は弁天様みたいな美形よりも閻魔か鬼瓦みたいな爺様が多いから気をつけようね。