5日目。くるぶしの鳴く頃に。
5日目にして投稿時間が乱れてきましたね。ごきげんよう。私です。
いやあ、昨日は過去の覚え書きメモを見ながら思い出し書きをして、自分でも思った以上に時間がかかりました。最後まで読んでくださった方がここも読んでてくれたなら、お疲れ様でしたありがとうございます。
両親の老々介護の顛末記なら、ほんとめっちゃいっぱいあるんで、またそのうち書くと思います。父への愚痴も混じりそう……いや根は悪い人ではないんですよ。悪気がある訳じゃなく、シンプルに口が悪い。
傘寿へのカウントダウン始まってる昭和親父なので、娘としても完璧な軌道修正は難しかろうな、とはわかってるんです。こうやって世界に放流することで、どこかの誰かの反面教師になったらな、と思ってます。私のやらかしも含めて。
やらかしと言えば。膝の裏をやらかしてからちょうど1週間が経ちました。どれくらい治ったかというと、段差の昇降に難があるのはまだ変わりありません。ちょっとはましになったかなー? と思ったんですが、15センチくらいの段差で試してみたところ、いいわけないだろう! と膝に窘められました。そうか、あかんか……。まだまだ雄弁な膝に、全治2~3週間ってホント? と問うても答えが帰ってくるはずもなく。
「ねえねえ、あんたいつ治る?」
『さあな。そんなものわかったら苦労しない』
膝と空想対話してもなんの解決もしない。そっか、わかんないかー。そらそうだよねー。
傷んだことで一時的にめっちゃ雄弁な筋とか筋肉まわりに比べて、骨は丈夫なようで。骨密度が高いことがちょっと自慢です。長年重い体を支えてるからかな? 今回もわりと綺麗なレントゲン写真でした。あ、写真撮らせてもらえば良かった。次に通院したら頼んでみよう。
そんな無口な骨が、一度だけ悲鳴をあげたことがありました。くるぶしの骨にヒビが入った時です。
あれは高校二年生の冬。体育の授業中のこと。
その日の体育は、体育館でバスケットボールでした。当時から贅肉を全身に纏い、自他ともに認める肥満体でしたが、バスケはそこそこ好きなスポーツでした。小学生の時のミニバスが楽しかったからかもしれません。
決して上手くもないし、どちらかというと下手な部類だったと思うけど、下手でもドリブルシュートとか入ったら嬉しかった記憶。ドリブルも好きでした。鞠つきよね。
我が校では、ミニバスは体育館ではなく土の運動場でやっていました。朝誰よりも早く登校して、運動場の片隅にある体育倉庫から、大玉転がしの玉をばしばし叩いたりふざけつつ、バスケットボールの籠を出すのも好きでした。空気のよく入ったボールを今日のマイボールに選びます。それだけじゃなく、多分体育倉庫に入ること自体好きだったような?
体育倉庫の中の何とも形容しがたいあの匂い。冷静に考えたらマットや跳び箱なんかの布製品とかのホコリっぽい匂いだったのかもしれません。あ、鼻はそんなにいい方ではないです。
そんなわけで、その日の授業も楽しくやってました。小学生の私と違うところといえば、体重がマシマシになったこと。でもバスケは楽しい記憶ばかりで、持久走の授業に比べたら天国でした。そして小学生の時と変わらず上手くはない。
下手の横好きが贅肉を揺らしながらコートを駆ける姿は、世が世ならさながら進撃の巨人と言われたでしょう。もちろん裸で走って倒される方です。うわぁ似てるぅ。
授業時間も残り少なくなった頃、紅白のチームに分かれてミニ試合となった時も、私は昔取った杵柄を振り回します。普段本ばっかり読んでるような、なに考えてるかわからんような肥満児が、フロントチェンジでディフェンスをかわし、アウトサイドから一気にリング下まで走り抜ける。ゴボウ抜きキモチイイー! このままドリブルシュートやー! よっしゃ決まったーー!
調子に乗った私はさながら奇行種。しかし敵のデイフェンスも黙ってません。あちらにも経験者とかいて、でぶだからと油断してくれなくなりました。ちぇっ。
ボールをめぐる攻防。弾き出されるボール。コートから出そうになったその茶球を、私は全力で追い、追い付いて体を捻ってコートに押し戻しました。けれど、その反動で私の体は転倒しました。
最後の一歩の着地姿勢が良くなかったんだと思います。左足首が内側に変な角度で曲がり、これはやったか? と思ったけれど、ちょっと痛いけどあと少しで終わるしと、そのまま授業は最後まで出ました。……出れたんだよなあ。
授業が終わり、土曜日の4時間目だったなんかで、その後は下校するだけ、となりました。帰るだけならもう保健室行かなくてもええやろ、と。
学校から駅までバスで帰るんですが、その頃には私の足首は腫れ始め、歩くと痛いのでびっこひいてました。
足首のくびれはどこ行った? 贅肉を蓄えた体の部位で、数少ない貴重なくびれなのにー。
バスに揺られて駅前まで、そこから家まではマイ自転車です。下り坂の多い道だったので、あまり漕がずに帰りつけました。
帰宅後、体育のバスケで転んで足首ぐねったんだよねー湿布湿布ーと母に怪我自慢すると、母はあまりの腫れっぷりに、これは湿布とかのレベルではないと判断したのか、私を病院へ連れていきました。えー、そんな大袈裟なーイテテテ。単なる捻挫だと信じて疑ってない私は、のほほんとしています。母の顔はマジでした。
病院での診察の結果、くるぶしの骨にヒビが入っていました。足首でポコっと出っぱってる、くるぶしといったらこれ! みたいな顔したあの骨。レントゲン見せられたけど、あーー、たしかに線入ってますね?
ギプスしましょう、と、人生初のギプスを巻かれました。なんかヨーチンみたいな色の液体で消毒? されました。ガーゼか包帯か忘れたけどなんか巻かれて、お湯で温めたら曲がるネットみたいな幅広の包帯のようなものを看護婦さんが持ってきます。
『熱いけど我慢してね~』
「はーぃ……ってイてテテテテ!?」
『痛いけど我慢してね~』
足首が正しい形でくっつくように、めっちゃグイグイ押さえつけられました。診察台で痛みに悶える奇行種。
多分こんなんだったなーという記憶スケッチなので、そんな処置はするはずないとお叱りを受けるかもしれません。でもまあ、初めてのギプスで、幸運にもそれ以降ギプスのお世話にはなってないので、真偽の程がわからない。こういう印象だったってくらいで流してくださいすみません。
こうして無事にギプスを装着し、松葉杖をレンタルして、全治3ヶ月~半年を言い渡されて帰路につきました。え、そんなにかかるもん?
家に帰るタクシーの中、母には心配と励ましをされたと思います。うん、その期間中にやってくるよね、修学旅行っていうビッグイベントが。
あ、このままだと昨日の二の舞で、まためっちゃ長くなってしまう。修学旅行編はまたにしましょう。といっても、あまり事件みたいなのはなかったので面白味はないかと思うんですが。
『そろそろ横になった方がいいんじゃないか?』
胡座ではないにしても、長時間同じ姿勢で座ってる私に、雄弁な膝が語りかけてきたので、本日はここまでに致しとうございます。