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愛猫「すばる」、病院に行く!

帰宅すると奥から弱々しい「おかえり・・・」の声。
すぐにリビングへ行くと、目が充血し、今にも涙が溢れそうな妻がいた。

じつは昨晩、愛猫の「すばる」の左後ろ足のあたりに、一円玉大くらいの脱毛を見つけた。ネットで原因を調べると、カビ、真菌症、細菌性皮膚炎、外部寄生虫などなど、怖い名前が並んでいた。
「すばる」に何かあったら・・・、居た堪れない気持ちは、妻も同じだったので、翌日すぐに、かかりつけの獣医さんに診てもらう事にしたのだった。

「どうだった?」おそろおそろ聞くと、
口元がかすかに震え、搾り出すような声で、「すばるは、ね・・・」
と言いかけて、目をそらして、うつむいた。

「どうだった?」もう一度聞くと、言葉を詰まらせ、肩を振るわせながら、
「過保護病だって」
「?????」

肩の震えは大きくなり、再び頭を上げたその表情は、笑いをこらえていた。

「びっくりしたでしょう!」

受診の結果、感染症でもストレスでもなく、暖かい快適な環境で気持ちよく寝ていた影響で部分的に脱毛する事があるとのこと。大切に育てている飼い主さんにある現象とのこと。それを揶揄して「過保護病」。

「いや、別に・・・。」と、涼しく言ったものの、内心すごくドキドキしたし、確かにびっくりした。まんまと騙されたと思われたくなかったが、やられた感じは否めない。でも、「すばる」に何事もなくて、本当に良かった。

それにしても、この後に及んで泣けるなんて・・・。
彼女は職業を間違えた、と思う。
その個性的な美貌と合わせて、大女優になっていたのでは?


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