リースに関する会計基準(案) Ⅲ. 会計処理_1. リースの識別
(1)リースの識別の判断
23. 契約の締結時に、契約の当事者は、当該契約が( ① )を判断する。
24. 前項の判断にあたり、契約が特定された資産の( ② )権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合、当該契約はリースを含む。
25. 契約期間中は、( ➂ )限り、契約がリースを含むか否かの判断を見直さない。
(2)リースを構成する部分とリースを構成しない部分の区分
26. 借手及び貸手は、リースを含む契約について、原則として、( ④ )部分と( ⑤ )部分とに分けて会計処理を行う(適用指針[設例7])。
27. 借手は、前項の定めにかかわらず、対応する原資産を( ⑥ )科目ごとに、リースを構成する部分とリースを構成しない部分とを( ⑦ )に、リースを構成する部分と関連するリースを構成しない部分とを合わせてリースを構成する部分として会計処理を行うことを( ⑧ )ことができる(適用指針[設例7])。
28. 連結財務諸表においては、個別財務諸表において個別貸借対照表に表示するであろう科目ごとに行った前項の選択を( ⑨ )ことができる。
解答↓
【解答】
① リースを含むか否か
② 使用を支配する
➂ 契約条件が変更されない
④ リースを構成する
⑤ リースを構成しない
⑥ 自ら所有していたと仮定した場合に貸借対照表において表示するであろう
⑦ 分けず
⑧ 選択する
⑨ 見直さない
【関連基準】
(リース会計基準(案) 結論の背景)
BC25. リースの識別に関する定めは、リースの定義に関する定めと合わせて、借手が貸借対照表に計上する資産及び負債の範囲を決定するものであることから、国際的な会計基準との整合性を確保するためには、リースの識別に関する定めについて、IFRS第16号との整合性を確保する必要があると考えられる。
ここで、IFRS第16号では、顧客が特定された資産の使用を一定期間にわたり支配するのかどうかに基づいて、リースを定義しているとされている。また、顧客が特定された資産の使用を一定期間にわたり支配する場合、契約はリースを含んでいるとされている。さらに、これと対照的に、サービス契約では、サービスの提供に使用される資産の使用をサプライヤーが支配しているとされている。IFRS第16号におけるリースの定義及び識別に関する定めでは、契約がリースを含むのかサービスを含むのかを判断する際の指針が定められている。
本会計基準では、IFRS第16号と整合的なものとしたリースの定義と同様に(本会計基準BC21項参照)、リースの識別に関する定めについて、基本的にIFRS第16号の定めと整合的なものとすることとした(本会計基準第23項から第27項参照)。
ただし、IFRS第16号のリースの識別に関する細則的なガイダンスや設例については、本会計基準BC12項に記載する「開発にあたっての基本的な方針」を踏まえ、国際的な比較可能性が大きく損なわれるか否かを主要な判断基準として、取捨選択して本会計基準及び適用指針に取り入れることとした。また、設例については、「開発にあたっての基本的な方針」を踏まえ、主要な定めの内容のみを取り入れることとした本会計基準及び適用指針(設例を除く。)において個々に定めていない事項を設例において示すこととならないよう、本会計基準及び適用指針(設例を除く。)における定めと同程度の内容となる形でIFRS第16号の設例を適用指針の設例に取り入れることとした。
BC26. 審議の過程では、自動車のリース、我が国における事務所等の不動産賃貸借契約、賃貸用住宅事業のためのサブリ―ス契約及び定期傭船契約について、サービス性が強いためにリースとして取り扱うことを懸念するとの意見が聞かれた。
これらの契約について、サービス提供の要素が含まれることは否定されるものではないと考えられる。また、我が国における事務所等の不動産賃貸借契約について、IFRS第16号の想定とは異なり、借手が無条件の支払義務を負わないこともあるとの意見が聞かれた。
しかしながら、いずれの契約においてもサービスの要素を区分した後に、賃借人が特定の資産の使用から生じる経済的利益のほとんどすべてを享受する権利を有し、かつ、当該資産の使用方法を指図する権利を有している部分が含まれる場合がある、すなわちリースの定義を満たす部分が含まれる場合がある。契約にリースの定義を満たす部分が含まれる場合に、当該部分についてリースの会計処理を行わないことは国際的な会計基準における取扱いと乖離することになる。
したがって、審議の結果、これらの契約について、本会計基準でIFRS第16号と異なる取扱いとする定めは設けないこととした。
なお、定期傭船契約については、IFRS第16号に設例があるが、IFRS第16号の基準の本文では、資産の使用方法及び使用目的は資産の性質及び契約の条件に応じて、契約によって異なる可能性が高いとのみ定められているのに対し、当該設例が資産の使用方法及び使用目的を特定しており、設例における判断が、基準が求めている判断であると誤解される可能性があることから、当該設例は取り入れないこととした。
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