そのままでいて欲しかったのに
ドラマに、社交性の著しく低い人が登場すると嬉しくなります。
理屈っぽくて面倒がられている人が出てくると親近感が湧きます。
坂本裕二脚本作品に毎回出てくるキャラクター。
古くは「アルプスの少女 ハイジ」のおじいさん
(=アルムおんじ…名前は無い!)とか、
「ちびまる子ちゃん」の永沢君や野口さん、
あとは朝ドラ「ちりとてちん」の和田喜代美、
「ソロ活女子のススメ」の早乙女恵。
ドタバタ胸キュン☆ラブコメでは決して主役を張れない彼らは、わたしの心の友です。
でも、彼らは最終回に向けて、変わっていってしまう傾向にあります。
「成長」してしまうのです。
社交性を身につけて
積極的に挨拶を交わす人に。
コミュニケーションを
厭わない人に。
変化は美しいですよ。
中年の頃はとてつもなく感じの悪かった人が、孫が出来て戯れる内に段々丸くなって笑い顔とか見せるようになったりすると、おお、人は歳を取っても変われるものなのだな、と希望を持てますよ。
でも、別にちょっと変で偏屈で面倒くさい奴がいたっていいじゃないか。
そのままで、既に充分輝いていたじゃないか。
元気な挨拶をして
いつでも笑顔で
素直で従順で
反対意見を言わず
誰から見てもいい子。
求められましたよ、そういうの。
特に顕著なのは小学校ですよね。
学級目標とかそんな感じでした。
友だち同士助け合いニコニコ笑顔で
元気いっぱい3年3組!
みたいな。
(※イメージです)
ケッ!
…失礼。
そりゃあ、聞き分けが良くて大人が言うことに疑問を持たず、逆らわない、議論を吹っかけてこない、歯向かってこない方が管理しやすいですもんね。
さぞかし便利でお楽なことでしょうね。
怒る女は嫌われるって
最初に言いだした奴誰だコラ出てきやがれ。
…
書きながら、気付いたことがあります。
たぶん、わたし、社交性が著しく低い
上に理屈っぽいんです。
(フォロワーの皆さんはとっくにお気づきでしょうけど…)
本来の自分のままでいると疎まれて弾かれて社会で生きていきづらいから、上っ面だけ感じよく振る舞っているに過ぎないのです。
擬態です。
だから、日本社会ではマイナスと思われがちな特徴を隠さずに表に出して、近付きづらい、性格悪いって言われている人に惹かれるのかもしれません。
そのままでいてよ。
戦ってよ、この世の泳ぎにくさと。
わたしと一緒に。
そういう気持ちで登場人物に肩入れしているから、徐々にソフトになっていく彼らの姿にがっかりしてしまうのかもしれません。
変わらなくて、よかったのに。
大衆に迎合なんて、しないでほしかったのに。