悪目立ちしたくない
新小学生のランドセル商戦が佳境らしいですね。
(と言ってる間に終わったかもしれません。わたしはいつもブームを取り逃しがち。)
わたしがランドセルを買ってもらった頃(30年以上前)、母はわたしにヌメ皮のランドセルをお勧めしてきました。
(ヌメ皮・・・皮そのもの、という色合いで経年変化によって濃色に変化していくお洒落な代物)
当時のわたしは「絶対にイヤだ!!」と断りました。(贅沢な子…!)
色とりどりのランドセルが行き交う現代であればともかく、当時は男の子は黒、女の子は赤、とパッキリと分かれているのが主流。
ただでさえ小学校という「友達100人できるかな」的な新天地に1人で漕ぎ出だそうという恐怖で胸いっぱいの中、そんな、素敵ランドセルで行ったら…
むちゃくちゃ目立ってしまう!
そんなことは、わたしには無理でした。
母はしきりに残念がっていましたが、わたしは悪目立ちだけはしたくありませんでした。
それまで何でも母の意向に従い続けていたわたしの、考えてみたらあれは「自我の芽生え」だったのかもしれません。
不惑のお年頃である今になってさえ、悪目立ちにはいささかの抵抗があります。
たとえば、わたしは先日、長い髪をバッサリ切って寄付をするという「ヘアドネーション」なるものを執り行ったのですが
昨日までロングヘアだったのが、急に短くなったら会社で目立ってしまう!と考えただけで胃が痛くなったものです。
とは言え別におばちゃん事務員の髪型なんて誰も気にしてないべ、と普通の顔で出勤しようとして「普通の顔ってどんなだったっけ…」と顔のゲシュタルト崩壊を起こしながら会社に着いたら
「えっめっちゃ髪切りましたね!」
「超かわいいーー!!」
「バッサリですね!」
などと会う人会う人に声を掛けられ、特に「超かわいい」はお世辞と分かっていながらも、ゲヘゲヘしてしまいました。
注目される喜びも人並みに持ってるんですよね。
(じゃないとnoteでスキを貰う嬉しさの説明がつかない)
でもやっぱり、出来れば「普段通り」「通常運転」「凪」がわたしの好みです。
進級も進学も進路相談も受験もない、将来の夢とか10年後のプランとかも聞かれない、強制も命令も介入もされない…
大人ってつくづく、最高です。