関西人が嫌いだった
高校生の頃までさほど他県の方々と交流する機会がなかったので、
「ザ・関西人」に初めて触れたのは大学生の頃です。
衝撃でした。
「ノリ悪いのぉー」
「かーらーのー?」
「オチ無いんかい!」
「そんなんやったら関西で生きていかれへんで」
など、すごくすごく突っ込んでくる。
わたしはそれまで関東圏でぬくぬくとオチの無い話をダラダラしながら育ってきたのであり、これまでの人付き合いにおいてノリはさほど重要視されていませんでした。
特に「そんなんやったら関西で生きていかれへんで」は、
これからの人生で関西圏に足を踏み入れることに対する恐怖すら感じさせるものでした。
関西人、苦手…というより、嫌い!と判断し、わたしは彼らとの距離をしっかりと確保することに決めました。
それから
今までに、わたしは様々な関西人と出会いました。
引っ込み思案の関西人
人付き合いが苦手な関西人
言いたいことを言えない関西人
後ろ向きな関西人
細かいことを気にする関西人
関西弁を話さない関西人
初めの印象が強すぎて「関西人、嫌い!怖い!」となっていたわたしに、
彼らは「色んな関西人がいるよ」と教えてくれました(そりゃそうだ)。
そんな出会いを経て、わたしは今やコテコテの関西人すら愛おしく思えてきました。
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関西のデパートでお手洗いの列に並んでいたときのこと。
わたしの前に並んでいたおばちゃんが
「多機能トイレ(バリアフリートイレ)って、空いてたら使ってもええんかな」
と、連れのお友達と話していらっしゃいました。
お友達「そやなーでもいつ必要な人が来るかもしれんし、空けといたほうがええんちゃう」
おばちゃん「でも、ちゃちゃっと済ませるし、ええやろちょっとくらい」
お友達「うーんどうなんやろ」
「お姉ちゃん、どう思う?」
え?
話し掛けられてるの、わたし?
わたし「え…えーと、空いてるんだったら使っていいんじゃないですかね…さっと済ませれば(たじたじ)」
関西でボーっとしてると話し掛けられるあるある。
ちなみにおばちゃんともうお一方はお手洗いが済んだあと、別々の道に去って行かれました。
知り合いちゃうかったんかい。
冒頭の大学生関西人は恐らく、関西から関東に引っ越してきたばかりで「関東モンに負けてられへん!」と気合が入っていたのだろうと推測されます。
それであんなに関西色を前面に出して、彼なりに一生懸命に虚勢を張っていたのだなあと想像すると、今更ながらかわいらしく思えてくるのです。