
主婦にならなかった理由
結婚したときに主婦という道を選ばなかったのは、
自分の家事能力に自信を持てなかったから
という理由がまずあります。
働いてさえいれば、家事が疎かでも「ほら、だってわたし働いてるから」という言い訳がたつので。
(誰に?)
それとは別に、
自分の第2の居場所として「職場」というものを確保しておきたかったから、という理由も大きいかもしれないなと思い至りました。
この考えは明らかに
小学生の頃、クラスでいじめられた経験に基づいています。
1番仲良しだと思っていた子に何らかのきっかけで嫌われたらしく無視をされ始め、それはジワジワとクラス全体に広がり
特に女の子たちは連帯が強く、わたしと口を聞いてくれる子はあっという間にいなくなりました。
ほう、なるほど
と思って、一連の動きに関わっていなさそうな男の子たちと仲良くし始めたら、
火に油を注ぐ結果となりました。
てへ。
(いじめられた原因、そういうとこだったかも…)
ある日、最初にわたしを無視し始めた2人に「一緒に帰ろう」と誘われ、途中で「今までごめんね」と謝られました。
わたしが「いいよ。これからまたよろしくね」と口を開こうとしたところ、
彼女たちは
「嘘だよーーー!」
と言って爆笑しながら走り去りました。
ショックでした。
わたしはたぶん人生で初めての絶望というものを味わい、
家に帰ってランドセルをぶん投げ
「みんな嫌いだーー!」と叫んだそうです。
(わたしは興奮状態にあったので「嘘だよー」までしか覚えておらず、これは母に聞いた話です)
わたしはその後、器楽合奏をするクラブ活動を始め、そこでクラスとは別の人間関係を築き、
そうするとクラスで無視をされてもそれほど気にならなくなり
張り合いが無くなったのか、やがていじめは消滅しました。
わたしが他者に過度の期待をしなくなったのも、生活の中で2箇所か、できれば3拠点設けておきたい希望を持ったのも、この経験が効いていると思われます。
あんな衝撃はもう2度と味わいたくはないけど、早めにそのことを教えてくれて
彼女たちには今やちょっと感謝しています。
わたしは夫のことが世界一大好きで心から尊敬していますが、夫のことを100%信じているかと言われるとそうではないなと思います。
夫だって人なのですから、間違えることも足を踏み外すことだってあるでしょう。
美徳のよろめきだって、絶対無いとは言い切れない。
そういうときに稼ぎ口が夫一択だと、たちまち詰みます。
だから自分1人の口を養えるくらいの稼ぎは持っておきたい。
仕事を辞めたくなかったのはそんな理由もあります。
夫のことさえ完全に信じていないなんてと誹りを受けるかもしれませんが、わたしにとってはそれが夫に対する最上級の愛、みたいなものかなと思っています。
どんな夫も受け入れる覚悟ができている(つもり)という意味で。