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サラリーマンの背中が暑い

漢字は「暑い」ではなくて「熱い」かもしれません。

通勤電車の中でサラリーマン、もしくは男子高校生などと背中合わせになることがあるのですが、体温が高いのか、筋肉量が多いのか、シャツの素材とかの問題なのか、とても熱を持っていて、その熱がわたしの背中に伝わってくるのです。

もう十分暑いのに、背中に電熱器を当てられている気分。

だから正確には
サラリーマンの背中が(熱くてわたしが)暑い
ですね。

わたしは、他人が生きているのを感じるのが苦手です。

…え、何言ってんのって話ですね。

たとえば、人の口臭を感知したとき
体臭がにおってきたとき
座席に前の人の温もりを感じたとき
あるいは湿り気を感じたとき
トイレでどなたかの痕跡を認めたとき

生きていれば臭くなるし、汚いのも出す。
恒温動物だから、熱を作り出すし放出もする。

それは自明だし、わたしだってそうです。

わかってはいるのですが、それを出来るだけ感じない状態で生活したいという願いがあるのです。

その為なら、通勤電車で座らずに立っているくらいの努力は厭いません。
目の前の座席が空いても、温かいかも、湿っているかも、という懸念が勝つので、余程具合が悪いか疲労していない限り、腰掛けません。
だから、出来る限り座席とは関係ないところのポジションを確保するよう努めています。

知ってますよ。

ニオイや湿気なんて気にしない
全然大丈夫
当たり前じゃない、生きてるんだから
って笑う大らかな人が素敵なのは。

わたしだってそうなりたかった。
そう生まれついたら楽だった。

でも、結果的にわたしに装備されているセンサーは高性能なのだし、考える前に嫌だと感じてしまっているのです。

Don't Think. Feel.

感じ方は人それぞれです。
わたしはフトアゴヒゲトカゲとかアンチエタヒラタカナヘビをかわいいと思うけれど、気持ち悪いと思う人もいる。
それと何も変わらないと思うのです。

わたしはあんまり、人間が好きじゃないのかもしれません。
人の考えや思想や発想や妄想は面白いと思うし、知りたいとも思う。
でも、人の体温とか息遣いを感じたいとは思いません。

ソーシャルディスタンス、最高。
リモート会議、最高。

同じ動物だったら、犬とか猫とかカピバラとかと触れ合いたい。
動物のニオイなら、そういえば何故か平気だし。
飼っていた犬の耳とか肉球のニオイとか、むしろ積極的に嗅いでたし。

満員電車の中が、人間じゃなくてカピバラでいっぱいだったら、背中同士が当たって熱を感じても嫌じゃないのに。



という考えに行きつき、どうにかサラリーマンの熱がカピバラによるものと脳が勘違いしてくれないか念じている昨今です。

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