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君のことは何でもお見通し…なわけあるか!
訳知り顔の人って、いますよね。
あーはいはい、君はそういうタチだよね、とか
だろうね、そう言うと思った、とか
その位、わたしに分からないと思った?とか。
正に母がそういう感じで、わたしが何を言っても「でしょうね」と余裕をキメていて…
苦手でした。
そういう母の性質にずっと違和感を抱えてきたせいか、他者のことを理解するなんて傲慢な考えだと思うせいか、つまり卵が先か鶏が先かは別として、わたしは誰に対しても「あなたのことはわたしが全部分かっている」風を吹かせないように心掛けています。
わたしはわたし
あなたはあなた
そういうわたしを「冷たい」と言う人も
「優しいね」と言う人もいます。
捉え方も人それぞれなのです。
例えばわたしは夫のことをとても好きだし
出来る限り夫の嫌がることはしたくない。
だから日々、模索しています。
しかしながら今後、そうやってトライアンドエラーを繰り返して何十年共に過ごそうとも「彼のことはわたしが一番分かっている」なんて、口が裂けても言えないと思っています。
夫には夫の中に広がる宇宙があって、たぶん、わたしには見せていない部分があるだろうし、夫本人すら気付いていない意外な一面や、心の中の隠し扉みたいな場所があまた存在するはずだと思うからです。
だって、わたしにもあるから。
夫には見せないわたしだけの世界もあるし、自分で自分に「へー」と思うこと、40代にもなってまだまだあるから。
自分のことすら完全に理解したと言えない状態で、どうして他者理解など出来ましょう。
それがこよなく愛する人だろうが
同じ釜の飯を食った仲だろうが
竹馬の友だろうが
血の繋がった家族だろうが
腹を痛めて産んだ子だろうが
完全に包括するなんてこと、ないと思います。
というか、そんなことあったら怖い。
あったらコワイセレナーデです。
「あなたのことは何でもお見通し」と言われても、わたしは薄ら寒い気持ちにしかなりません。
そう思いたいんだろうけど、そんな簡単に分かられてたまるか。
わたしはそんな単純じゃないし、わたしはわたしのアイデンティティを必死に築いてきたんだ、こっち来んな!と思ってしまう。
わたしなら、こう言い換えるでしょう。
「あなたの気持ちを丸ごと理解することはできない。でも分かりたいとは思っているし、ありったけの想像力を働かせる準備は出来ている。」
わたしにとってそれは、精一杯の愛なのです。