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英語に日本語で返す

道を歩いていたら、外国からいらした旅行者と思われる3人組に話しかけられました。

エクスキューズミー?

え、あ、はい、なんでしょう。

何ちゃらかんちゃら
何たらかんたら
(まったく聞き取れない)

フォートー

ん?何ですか?

フォト!カシャ!(擬音語)

ああ!いいですよ。
(ようやく写真を撮ってほしいことを理解)

先方のスマホを受け取り、通行人が前を行き過ぎる間「ちょっと待ってね」とか言いながらわたしは、写真を撮るときになんと言えばいいのか問題について、さんしさんのnoteを走馬灯のように思い出していました。

果たして英語話者に「はい、チーズ」は通じるのか?
はい、を抜かしてチーズだけでいいのか?
そもそも、わたしのチーズは先方に正しくチーズと聞こえるのか?
通行人も多いことであるし、相手に通じないチーズは殊に恥ずかしいんじゃないか?

逡巡した結果、わたしはたぶんギリギリ伝わるであろう言葉を選びました。

スリー
ツー
ワン
(カシャ)

センキュー
センキューソーマーッチ

いえいえー
とんでもない
お安い御用で

英語に日本語で返し続け、ギリギリ数字だけ英語らしきものを発したわたしのことは、彼らの「日本に旅行したとき、マジで全然英語通じない人いた」エピソードの1つとなるのでしょう。

中学3年生、つまり太古の昔にとった英検準二級という杵柄は、脆くも崩れ去りました。

思えばポケトークが世に出たとき(2017年)わたしは安堵したものです。

ああ、これで安心だ。
かねてから、わたしは未来のテクノロジーに期待していたので英語を真剣に勉強することなくここまで来たが、ついに英語覚えなくて済む世がくるんだ。
これからは翻訳機能が充実するから、英語話せなくても大丈夫だ。
たぶんそのうちスカウターみたいなのが標準装備されて、ああ、英語が必修科目だった時代ってあったよね、懐かしいウケるみたいな感じになるんだな。
これからは母語の時代だ。
よし、国語だ。
国語なら任せろ。
わたしの時代が来た。

…あれから幾星霜、翻訳機能は進化しましたけれども、その辺を歩いている我々がスカウター的なものを装着して目の前に画面を表示させてコミュニケーションを取る、というような時代は何故かやってきていません。

スマホの翻訳機能は聞き取ってもらえないか、すごくおかしな訳をされるか、英語読みをそのままカタカナで表記されるかで、期待値に比べて割りかしポンコツです。

こんなはずじゃなかった。
世紀の大誤算。

でも、PHSもスマホも普及し始めたら一瞬であったこともあり、テクノロジーというのは急に進化するものということを、わたしは体感として知っている。

英語を勉強しなくても何とかなる方に賭けて、わたしは今日も新年も、元気に楽しくぼーっと生きる所存です。

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