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白髪を隠さない女性が増えてきた
始まりは、近藤サトさんだったと思います。
おばあさん、と呼ばれる年代なら兎も角、まだ中年の域を出ない女性が白髪頭で人前に立つのは「はしたない」ことだという社会通念が確かにあった頃、近藤サトさんの美しい白髪姿はわたしに静かな衝撃を与えました。
40にしてわたしも、頭髪にちらほらと白いものが混じるようになってきました。
が、美容院での長逗留が苦手で、今は滞在時間20分のカット専門店に通っていることもあり、髪染めに対して特に意識することも指摘されることもないまま日々を過ごしています。
朝の通勤電車に、楽な恰好をした女性が増えたことに気付いたのは、いつのことだったでしょう。
「オシャレは我慢」と言われていた不条理な時代から20年以上経ち、働く人たちの確かな変化を感じます。
足元はヒールの無いパンプス
もしくは綺麗めなスニーカー
体の線を拾わないフワッとしたブラウスに
よく伸びそうなテーパードパンツ。
確かに、仕事や通勤をするならそういう服装の方が便利よねと思います。
ピッチリしたミニスカートに
ストッキングにハイヒール
胸の谷間を強調したトップスにジャケット。
好きでそのような恰好をしているのならば止める理由はありませんが、歩いたり登ったり降りたり屈んだり運んだりするのに気を遣う服装であることは間違いないでしょう。
あのスタイルを否応なく強制されていた時代って、何だったのでしょうね。
女性が無理をせず自然体でいられるようになったのか、もしくは服装や頭髪で無理をする余裕を失ったのか。
人それぞれでしょうが、個人的には現代の女性たちのほうが自由に思えて、見ていて素敵だなと感じます。
「女らしい恰好しろよ」だなんて、余計なお世話じゃ黙っとれコラァ。
缶チューハイでも飲んどけ!
(失敬、過去の怒りが急に再燃しました)
先日見かけたのは、数本白髪が出てきているわたしと、真っ白な白髪頭のちょうど中間に当たる方。
きっと、つい数年前までは染めないと「はしたない」と注意されたであろうそのまだらな髪の毛を、しかしわたしは美しいと感じました。
たぶん、整ったマッシュルームカットにされていたからだと思うのです。
明らかにしっかりと手をかけた艶々の髪の毛に、半分くらい白髪が混じっているのが、むしろ麗しいのです。
無染色のラマの毛で作ったメランジのセーターみたいで。
歳を重ねる上で大事にしたいのは
「若く見せようとすること」ではなく
「手を掛けることと、清潔感」だなと
確信しました。
定期的に白髪染めをするのは面倒だけど、染めないと汚い感じになるかなと心の隅で危惧していましたが、素敵な先輩方をお見掛けする度に、いや、いけるかも、いろんな道があるのかもと勇気をもらえる昨今です。
お洒落なおば様、お婆様は、わたしの希望です。