
振り向けばオジサンがいる
弊社の取引先リストを更新するのは、わたしの仕事のひとつです。
社長がジュニアに代替わりした
支店長が異動になった
営業部と物流部の部長を兼務することになった
昇格した / 降格した
様々な理由で、リスト更新作業が発生します。
上司はその度に、あの人が支部長になるとやりやすくなるとか、あの人が異動になってしまうとあの取引先に顔見知りが1人もいなくなってしまうから、そろそろ行って顔を出しておかねば、などと一喜一憂しています。
一方、リスト更新係のわたしは、5年程この業務を担当し続けているのに、一向に誰が誰だか分かりません。
会議や懇親会で会ったことがあるらしく、名刺が手元にある人もいるのに、どんな人だったか全然覚えていない、ということもザラです。
まったく、興味が持てないのです。
恐ろしくモチベーションが上がらないのです。
なぜかって。
代わっても代わっても
オジサンかお爺さんだから。
お爺さんAがオジサンBに代わっても
オジサンCがオジサンDに代わっても
みんなみんな、結局オジサンかお爺さんだから。
代わる代わる、日本人のオジサンかお爺さんが顔を出すから。
ワニワニパニックみたいだから。
オジサンやお爺さんが悪いわけではないのです。
素晴らしいオジサンもいるし、有能なお爺さんもいる。
そんなことは自明。
でも、どう見ても比率が偏り過ぎているのです。
会合が開かれたよ、という写真が関連誌に載ったりするでしょう。
でもそのほとんど全員が、オジサンかお爺さんなのです。
女性らしき人がいるぞ、と思うとその人は、秘書か付き添いか、表彰される実務者なのです。
表彰する側の
挨拶する側の
意志決定をする側の偉い人は
みんなみんな、オジサンかお爺さん。
うちの業界が特に、偏っているのですけれども。
国会くらい、偏りまくっているのですけれども。
世界経済フォーラムが発表している、男女平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数」。
2023年度版で日本は146カ国の内、125位でした。
どんどん順位を下げているけれど、別に女性を蔑むように変わっているわけではないと思います。
女性としてこの国で生きている体感としても、ジェンダーギャップ指数の公表が始まった2006年(115ヶ国中、79位)よりは、だいぶマシになっている気がします。
実に日本らしい理由ですが、並みいる先進国が次々と男女平等に向けて抜本的な対策を打つ中「大して何もしなかった」結果だと思います。
変わらない。
変わることが怖い。
出来る限り変えたくない。
だから至極緩やかにしか変わらない。
意志決定の場が日本人の裕福な家系のオジサンかお爺さんでギュウギュウになっていたら、そりゃあ新しい意見は生まれないし、イノベーションは起きないし、開発は遅れるし、経済も低迷するよなあ、と思います。
不測の事態が次々と起こるこの時代、あらゆることを迅速に柔軟に変えていける国が向上していくのでしょう。
ジェンダー・ギャップ指数、先進国で最下位の日本、の中でもとりわけ下位の方と思われる弊社の取引先リストがもうちょっとカラフルになる時代は、いつか訪れるのでしょうか。