真顔でいても、いいよ
わたしは、いつも笑顔の可愛らしいキャラクターが苦手です。
口角を上げないキャラクターが好きなのです。
ハンギョドンとか。
笑っていて好きなのは、笑ゥせぇるすまんだけです。
(あれは「可愛らし」くは無いしな)
例えば、ちびまる子ちゃん。
まるちゃんは結構ズルい子どもで、割と頻繁に善良なおじいちゃんを騙して利を得ようとしたり、怠ける為に策を講じたりします。
わたしは何か思案を巡らすときの悪い顔をしたまるちゃんが好き。
企みがバレて顔に3本線の入ったまるちゃんが好き。
でもキャラクター化したまるちゃんは、いつもニッコリ笑っていますね。
最近は一層、丸顔で可愛らしくなられたような。
リリース当初は真顔だったのに、いつの間にか笑みを湛えるようになるキャラクターもよく目にします。真一文字の口が逆三角形になったり、Vの字になったり。
何故笑う。
「笑う」という行為は、相手に敵意がないことを示すコミュニケーション手段としてよく用いられています。
あなたに危害は与えないよ
あなたを脅かさないよ
あなたの味方だよ
というような気持ちの表明。
わたしも若い頃はよく笑っていました。あまりに常に笑っているものだから、真顔でいると具合が悪いのか心配されたものです。
少し考え事があったから、ただ黙って座っていただけなのに。
令和の時代となっても、会社の人と廊下や階段ですれ違うとき「お疲れ様です」と笑顔を見せるのは大抵女性で、男の人で破顔する人は未だに少ないように思います。
女の人が笑わないと「笑え」と言われ
男の人が笑うと「笑うな」と言われてきた結果なのでしょう。
笑うか笑わないかは本来、自己決定していいことなのに。
笑いには、2種類ありますね。
コミュニケーションとしての笑いと
面白い/嬉しい/楽しいときなどに内から湧いてくる笑い。
他者の為の笑いと
自分の為の笑い。
わたしはたぶん誰かに(それがキャラクターとしてや商業用だとしても)わたしの為に無理して笑ってほしくないのかもしれません。
その笑いがどちらに属するものなのかは、相手をよく観察していれば分かることです。面白くもないのに「笑った方がいいだろうな」と思って笑っているお若い方なんかを見ると、わたしは「いいよ、笑わなくて」「真顔でいても、いいんだよ」となんだか切なくなってしまいます。
いつも笑顔だと、その人の本当の気持ちが見えにくくなるなとも感じます。
あなたは今、心から楽しいと思っている?嬉しいと思っている?
笑うなら、わたしの為ではなくて、自分の為に笑ってほしい。
楽しくて面白くて、ついうっかり溢れてしまう笑いがないなら、真顔でいたっていいじゃない。
無理して笑わなくてもいいじゃない、とわたしは思います。
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