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制限、という名の自由
笑の大学
という三谷幸喜さんのお芝居があります。
戦時下、娯楽が不適切とされる時代に検閲を受け、無理難題とも言える脚本の書き直しを要求されて劇作家が追い詰められて行く、けれども反して本はどんどん面白くなっていく…というお話です。
近年キャストを一新して上演され、映画化もされていますが、わたしは初期の「笑の大学」が好き。
検閲官:西村雅彦
劇作家:近藤芳正
劇作家には、三谷幸喜さんの心意気が投影されているのでしょう。
どんなに追い詰められても
数えきれない赤を入れられても
その制限の中で絶対に心から笑える本を書いてやるという作家としての矜持が、これでもかというほど伝わってきます。
一介の事務員であり、これが一生の仕事だと決めているわけでもないわたしには、そこまでのプライドはありません。
追い詰められたら
可能な限り逃げたい。
でも、制限があるからこそ、その中で自由に振る舞えるということは往々にしてあるな、とも思うのです。
1)制服
学生の頃。
制服という型がきっちり決められていたので、自分で選べるのはセーターや靴下の色、長さ、スカート丈くらいでした。
その中でどう遊ぶか、というのが制服のオシャレの醍醐味であり、だからこそスカート丈が1㎝でも違うとなんかダサい、みたいなことになったのだろうなと思います。
学生時代はオシャレ番長だったのに、卒業して私服になったらそうでもなくなる人っていましたよね。
あれはきっと、急に制約が外れたが故の、自由というジレンマだったのではないか、と思います。
2)自分というフォルム
背が低いとか
人見知りだとか
記憶力がないとか
マイナスに思えるような特徴も
ひとつの「制限」だと思います。
体が小さいと確実に腕力では負けますから、精神力か根性かハッタリか、何かしらで世の中を闘っていけるように備える必要がありますし
(もしくは、とんでもなく弱く見せるという強さもある)
弱点も、メモ魔になったり文章力を磨いたりして、強みに転じることがあります。
3)note
文字の色を変えられないとか、大きさも2~3種類しか変えられないとか。
シンプルなデザインだからこそ、ここで改行しようとか、ここは思い切って削ろうとかの発想に繋がる気がします。
わたしは大体ひと記事1000字前後でまとめるよう努めていますが、そういった制限を加えることで記事内容の幅が広がるように思います。
大きく出れば、人生だってそうですよね。
人生の中で、自分に与えられるものは限られています。欲しいものが無制限で全部手に入るわけじゃない。
でも、全知全能の神状態って本当に幸せなのでしょうかね。
芋粥的な感じになるのではないかしら。
今持っているもので、どれだけ楽しめるか。
自分の行いで、どこまで人生を面白がれるか。
その辺が
何かよく分かりませんが
鍵、なんじゃないかなと思うのです。