【旅する歴史】ゆる〜く行く台湾・新竹
ご覧いただきありがとうござます。
このnoteには「歴史を感じながら旅をする」ための情報をまとめています。
旅行の段取りが面倒なくせに旅が好きで、歴史にそんなに詳しいわけでもないのに歴史的背景を知ってから旅したいという、矛盾に満ちたワガママな60代男性です。
旅に行きたい場所の歴史、宿、食事、買い物等についてシリーズ化していきますので、ご関心のある方と共有していければと思います。
新竹に行きたいわけ
台湾といえば、日本人の間で最も人気ある観光地の一つ。中でも首都の台北は、行きやすく見所も多いですね。しかし、ここであえて、台北から80キロ南西に位置する「新竹(しんちく)」という街に行ってみることを考えてみました。
新竹に行きたい理由は3つ。
①「新竹ビーフン」の本場に行って、本場のビーフンを食べてみたい。
②台北に比べてホテルが安いので、安くてうまいものが食べられる。
③台北のベッドタウンなので、生活感のある景色を見ることができそう。
台北から1時間半
台北から電車かバスで1時間半、新幹線なら35分。日本で言えば東京から鎌倉ぐらいの近さです。人口は45万人なので、48万人の千葉県松戸市より少し小さいぐらいの規模ですね。
台北の桃園国際空港から新竹に行くには、高速バス、台湾高鐵(高鐵とは高速鉄道=新幹線)、台湾鐵路(鐵路とは鉄道=在来線)の3つが考えられると思って調べてみたところ、なんと、空港からはあまりに近すぎて、直通の高速バスはありません。かといって普通の路線バスを乗り継ぐと、渋滞もあり、かなり時間がかかるということです。
ということで、台湾高鐵(新幹線)に乗るつもりで調べてみると、桃園を出て次の駅がもう新竹!たったの1駅、ほんの10分。日本で言えば品川から新横浜と同じ時間なのに、料金はたったの125元(約550円)!
「台湾高鐵オンライン予約」は24時間対応で便利です。
まずは「桃園機場MRT」で高鐵「桃園」車站(=駅)へ向かい、高鐵に乗り換えて新竹へ。高鐵の新竹は市内から離れていますが、台鐵の「六家」車站が目の前にあるので、これに乗り換えると市内に行けます。
高鐵の切符があれば無料で利用出来るシャトルバスもありますが、市内の新竹駅ではなく、手前の北新竹駅までしか行きません。在来線は30分に1本で、新竹駅までは各駅停車で20分かかりますが、運賃は新幹線より100円安いだけ。こうなると、もう、新幹線一択ですな!
新幹線で桃園空港から新竹市内に行くと、時間と運賃の合計は以下の通りになります。
・桃園機場MRT(桃園機場→高鐵桃園站):19分、35元
・台湾高鐵(高鐵桃園→高鐵新竹):10分、125元
・台湾鐵路(六家→新竹):20分、15元
⇨合計所要時間49分(乗り換え時間含まず)、175元(自由席)
⇨つまり、1時間かからずに行けて、760円!
新竹駅は100年の歴史を刻む名駅舎として知られています。日本統治時代には基隆や台中と並ぶ「三大名駅舎」と謳われ、東京駅丸の内駅舎とは姉妹駅です。確かによく似ていますね。
新竹駅前で腹ごしらえ
駅で降りたら、まずは腹ごしらえ。
駅ビルにはカフェやレストランがいっぱい入っているし、駅前にもホテルやレストランが並んでいますので、食べる所には困らなそうですが、食事の目的によって、店選びも変わって来ますよね。
本場の新竹ビーフンなど、本格的な地元料理を堪能するのは後にして、まずはサックと安く済ませたいなら、スタバでしょうか。
お手頃に落ち着きたいなら、日本でも人気の鼎泰豐(ディンタイフォン)もいいですね。黒酢生姜でいただく小龍包(シャオロンポー)が人気です。
ガッツリ贅沢に行きたいなら、A CUT Steakhouse(A CUT 牛排館)というステーキハウスが、Google Mapで評価が高いです。
お腹も満たされたところで、歴史散歩に参りましょう。
この街の歴史をここで簡単におさらいしておきますね。
300年の歴史
新竹の歴史は300年前に遡ります。
台湾観光雑誌「Taiwan Panorama」を参考にさせていただきました。
1718年、清代に大陸から渡ってきた王世傑一族が、当時「竹塹(ちくざん)」と呼ばれていたこの地を開墾し、近くの渓谷の水を引いてきて、水路を通しました。この水路が後に城のお堀の一部になっていきます。
1733年、城を造るため周りに竹を植えて「新竹」と改名し、その後、海賊から守るため土城を建設しました。
1826年にレンガ造りの城の建設が始まり、1829年に完成しました。
この「竹塹城」の周りに城壁が築かれていったのですが、「塹(ざん)」とは「穴掘り」という意味なので、「竹で穴を掘って新しい竹を植えた」様子が伺えますね。
今でも姿を留める唯一の城門「竹塹城迎曦門」は、新竹駅前のロータリーに鎮座する国定古跡(政府指定の史跡・重要文化財)です。
竹塹城のお堀の一部は、駅前広場から800mほど帯状に続く「護城河親水公園」として整備されています。水がきれいなので、魚や水鳥が泳いでいます。
「竹塹城迎曦門」の先には、新竹市政府庁舎(市役所)が見えます。日本時代に設置されたもので、赤レンガに黒瓦を配した和洋折衷建築。1927年(昭和2年)の落成当時の姿をよく保存している重要文化財です。
左に進むと「新竹城隍廟」という、清代の1748年に建立された霊廟が見えてきます。霊廟とは、お線香をあげたりして祖先を祀る神社仏閣のような所ですが、その境内や周辺は多種多様なB級グルメ屋台街となっています。
庶民的で安くてうまいものが集結!
名物の米粉(ビーフン)はもちろん、スープ類や団子類の逸品を出す店も多く、ここは必見のグルメスポット。
「台湾に行きたいわん!」が詳しいので参考にさせていただきました。
阿誠號米粉
120年の歴史を持つこの老舗の焼きビーフン「炒米粉」は、ぷりぷりのビーフンにニンニク醤油のタレがかかっています。
つけあわせには、茹でたスルメイカ「燙魷魚(トウユウギョ(=温めたイカ)」、スルメイカとつみれ入りのあんかけスープ「魷魚肉羹(ユウギョニクカン(=イカ肉のあつもの)」が合うとのこと。
聞いただけで、よだれが出そうですね・・・。
柳家肉燥飯
ここも老舗で、1931年創業。
看板メニューの「肉燥飯」は、豚の脂身を醤油ダレでとろとろに煮込み、黒胡椒を振ったそぼろとともに、ご飯の上に乗せたもの。
お供には、味が染み込んだ煮卵、厚揚げ、さらにシイタケと大根、肉団子入りのスープ「香菇肉焿湯(コウコニクコウトウ)」が合うようです。
この組み合わせ、たまりませんな!
正老牌阿忠肉圓
「肉圓」とは、肉餡をでんぷんの粉で包んで油で揚げたもの。人気の「総合肉圓」は、タケノコ入りとネギ入りの餡を包んだ肉圓のセット。皮の食感がわらび餅のようにもちもちしていて、甘辛いピンク色のタレがぴったりとのこと。新竹名物の肉団子スープ「貢丸湯」とともに、60年続く老舗の味です。
「迎曦門」や新竹駅も夜はライトアップされるので、昼間と夜の両方、訪れてみたいところですね。
歴史あるこの街の散策や、味自慢の屋台料理が集まる地区での食べ歩きについては、「台湾 旅人地図帳」の43ページにコンパクトにまとめられています。
台湾のシリコンバレー
歴史やグルメのほかに、新竹にはもう一つの顔があります。
IT関連の工場や企業が集中する産業都市でもあり、「台湾のシリコンバレー」と呼ばれているのです。
新竹サイエンスパークに本社を置くTSCM(Taiwan Semi-conductor Manufacturer=台湾積体電路製造股份有限公司)は、世界の半導体製造のシェア9割を握るというすごい会社です。
ここで供給が止まると世界中のスマートフォンから宇宙船に至るまで生産がストップしてしまうといわれ、まさに世界の安全保障を握る技術がここに集積していると言えます。
このTSMCが造った博物館「台積創新館(TSMCミュージアム・オブ・イノベーション)が、新竹駅からタクシーで15分の所にあり、見学もできます。15人以内ならオンライン予約、それを超える場合は電話(03-563-6968)かEメール(service@tsmcmoi.com)で相談とのこと。いずれも、英語と中国語のガイドが依頼できるそうです。
見学に関する情報については、みんなの台湾修学旅行ナビを参考にさせていただきました。
宿泊
ホテルは、下はリーズナブルな8000円台から、上は2万円台までありますが、おおむね1万円ちょっとぐらいできれいな所に泊まれて、台北より格安です。
福泰商务酒店(フォーテホテルシンチュウ)
30041 台湾 北區新竹 No.106 Zhongyang Road 1樓及6-15樓
1泊8300円から。安い割にはシックなデザインで評判もよい。
10階に洗濯コーナーがあり、洗剤10TWD、洗濯機50TWDで利用できます。洗濯機は10TWD硬貨専用なので5枚用意する必要があります。
洗濯コーナー利用時間は8時から22時です。
乾燥機やアイロンもあるので、旅の洗濯には良さそう。
カールトンホテル The Carlton Hsinchu
300 台湾 北區新竹 北大路225号
1泊1万円から。
主要観光スポットはすべて徒歩圏内。
ホテル ロイヤル 新竹(新竹老爺大飯店)
300 台湾 東区新竹 光復路一段227號
1泊2万2000円から。
値段が高めなだけあって、静かな場所にあってゆったりした設計、日本語対応もばっちり、ウォシュレット完備など、中身はよさそう。
ただ、場所が観光スポットのある駅北とは反対側の南側に位置し、中心街から少し離れているので、街歩きや食べ歩きにはやや機動性に欠けるかも。
調べたからには行ってみたい
本場の新竹ビーフンをはじめ、多種多様な地元料理を堪能する。
大都会よりは格安な場所で、宿泊やグルメや買い物を楽しむ。
にぎやかながらも、こじんまりした街で、人々の暮らしの雰囲気を見る。
こうした、ゆる〜い楽しみ方ができるのが、ここ新竹の良さなのではないでしょうか。
2023年には本当に行ってみたいです。
その際には、続編で情報を更新します。
詳しい情報をお持ちの方は、シェアしていただけると助かります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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