「サステナビリティ経営」と「リスク管理・危機管理」の関係とは
こんにちは、デジサス編集部の瀬川です。
今回は少し難しいテーマですが、「サステナビリティ経営」と「リスク管理・危機管理」の関係性について考えていきたいと思います。これらは企業にとっては全く別種の活動であるため、一見関係性が薄いように思われますがこれらの活動が持つ本質的な意味は共通であると私たちは考えています。
「サステナビリティ経営」と「リスク管理・危機管理」の関係とは
近年サステナビリティ経営の重要性はますます注目されています。一般的に、サステナビリティ経営に関しては、環境問題が中心的な要素として扱われていますが、その中でも企業活動の「持続可能性」という観点から見ると、リスク管理や危機管理も取り組むべき重要な課題となっています。
まずはChatGPTのアシストを元に、それぞれの言葉の定義を確認しましょう。
サステナビリティの提唱
サステナビリティは、1984年国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会[委員長:ブルントラント・ノルウェー首相](当時)」が公表した1987年の最終報告書「Our Common Future」の中心的なキーワードで、Sustainable Development(持続可能な開発)は、次のように定義されています。
報告書によると「ニーズを満たす能力を損なうことなく」が重要なポイントであり、さらにその中の「能力」の土台は環境の能力、その次が社会の能力とまとめられています。
しかしながら、今、地球は疲弊しています。そのために苦しんでいる人もいます。なぜなら、1年間の「地球の生産量」を「人の消費量」が上回ってしまっているからです。例えば2022年は、7月28日に地球の限界に達してしまいました。この日をアースオーバーシュートデーと呼んでいます。
https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/5105.html
そのため、今まで考えられなかった自然災害が発生しており、この時期は、そのことがより実感できる時期だと思います。個人的には、このままだと、持続可能な開発どころか、持続可能な生活すらできなくなる可能性もあるのではないかと不安を感じています。
企業がなすべきこととは?
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。その正式な文書の名前は『Transforming our world:the 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)』です。https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf
この中の全文では、以下の記述があります。
大切なのは「持続的(サステナビリティ)」かつ「強靭(レジリエント)」と記述されていることです。「レジリエント」は、困難や逆境に直面した際に、その状況に対して柔軟かつ効果的に対処し、回復力を発揮する能力を指します。地球を癒やし安全にするためには、サステナビリティとレジリエントの両方必要なのだと思います。
積水化学工業様の事例から考える
企業も変わってきていると感じています。企業は環境、社会の上で経済活動を行っています。そしてサステナビリティに向けてガバナンスを効かせています。そして、今後は、サステナビリティ経営にレジリエントを組み込む、その要素としてリスク管理・危機管理能力を高めていく必要があると考えます。
わかりやすい例として、積水化学工業さまの「ESG重要課題の特定」を紹介します。この中のガバナンスに「リスクマネジメント(BCP)」があげられています。
次に「ESG経営の重要課題とKPI」ついてはどうでしょうか。
下記の重要課題(マテリアリティ)には、持続可能性だけではなく、「リスクの軽減・回避」があげられています。リスクマネジメント(BCP)のKPIとしてBCP策定・運用率を組み込まれていています。
そしてリスクマネジメントでは、リスクを未然に防ぐ「リスク管理」と、重大な危機事象に対処する「危機管理」を一元化したリスクマネジメントを実施されています。
今回、サステナビリティ経営にむけ、リスク管理、危機管理が必要であることがよくわかる事例として、積水化学工業様の事例をご紹介させていただきました。弊社でもリスク管理・危機管理に関するサービスをご提供しておりますので、大変参考になる情報だと感じました。
この機会に、自社のリスク管理、危機管理について、見直しされてみてはいかがでしょうか。