見出し画像

語彙力の盲点

語彙力を高めることは確かに重要である。

ワタクシのように文章を書かなくても、人は誰でも言葉を扱う。そして、世間では、年相応の言葉の使い方を求められる。だからこそ、誰もが語彙力を高めて適切な言葉を使っていきましょうね〜と言われて成長していくと思う。

しかし、9割以上の人が言わなそうなことは「難しい言葉を知っていればいいってわけじゃない」。

語彙力を高めるために、とにかく難しい言葉を知らないといけないという風潮があるのを時として感じることがある。その風潮をワタクシは「語彙力の盲点」と呼んでいる。

いい例なのが、横文字をやたらと乱用して来る上司や政治家だ。一見難しい言葉を使っていて、かっこいいと思うかもしれないが、伝えなければいけない場面で伝わっていないのであれば、そんな輩に憧れていてはダメだ。

他にも、以前、某SNSを使っていたときだが、とある投稿の反論として、文豪に憧れているのか、自作小説を書いているからか、やたらと文学で使われそうな難しい言葉と表現を使って反論している奴もいた。当然、その投稿主も「?」を浮かべていた。

「お前は初めて会う人間に、そんな痛々しい喋り方をするのか?」

なんて思ってしまった。こういうのが巷でよく聞く「コミュ障」という奴なのでは?

難しい言葉と直面したときに、瞬時に理解するために、難しい言葉を知るのはいいことだが、それを相手に対して扱う場合、伝わっていないのであれば、それはただ単に言葉を無駄遣いしているだけだ(ただし、純文学などを書く場合は例外である)。

だからこそ、相手に伝えるときは、適切な言葉を使わないといけない。仮に難しい言葉を扱うのであれば、その言葉で相手が十分に理解できる言葉であるかを考えて扱わないといけない。

相手に伝えるための言葉はブランドではなく、意思疎通コミュニケーションだ。

要は柔軟に言葉を扱えということを言いたい。

結局、世の中はどれだけ柔軟に生きていけるかどうかだ。

うん、ワタクシが得意ではないことは確かだ。



ちょっとした余談だが、以前に某大手広告代理店などを経て、コピーライターをやっている方と飲んでいた時に同席していたある女性が、

「私、語彙力がなくて表現するのに自信がないんですよね」

と、言ったらそのコピーライターの方は

「俺だって語彙力ないよ!(笑)コピーを書くときは語彙力よりも想像力が大事なんだから!」

と言った。

なんでもかんでも言葉を知っていればいいわけじゃないんだということをそこで思い知らされた。

いいなと思ったら応援しよう!