モアナと娘とわたし
私は小学生のころから映画が大好きだった。
きっかけは母に連れてってもらい、ロビン・ウィリアムスの「ジャック」を
見に行ったこと。母はロビン・ウィリアムスの映画だから笑える映画だと
思い私を誘ったみたいだったが「意外と泣ける映画だったね」と2人で泣いたのを覚えている。
映画をみていると現実逃避をしているようで大好きだった。自分がアメリカかイギリスかに住んでいるかのような錯覚を起こし、イケメン俳優と出会えたらどんな人生だろうと思いを馳せることも好きだった。
雑誌SCREENを毎月買って読み込み、中学・高校の時は映画館に通いまくった。映画好きが高じて、戸田奈津子さんを知り、彼女と同じ道を歩みたいと
同じ大学に進学するも、狭き門にあえなく挫折。映画のバイヤーになりたいと思っていたが、いつのまにかお洋服のバイヤー業務に携わっていた。
でも映画を見るのは変わらず好きで、時間があれば見に行っていたものの
社会人になりハードな日々を過ごすうちに、映画館から足が遠のいてしまった。そこから結婚、出産を経てますます自分の時間がとれなくなる。そして世の中にNetflixや Amazon primeなる動画配信サービスが出てくると家でも映画が見れるようになり、映画館へ行く機会がなお減った。幸運なことに、その時に住んでいた家の目の前に大きな映画館があったにも関わらず!全く足を運ばなかった。運ぶ余裕がなかったと言えるかもしれない。
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娘が1歳半になった年、保育園の入園が決まった。
仕事を再開したいなという気持ちもあったものの、まだかわいいざかりの娘を自分から離して保育士さんに預けるという行為がいまいち不安でならなかった。
預かり保育という名の3時間だけ娘を預ける日があり、その1日目。
何もわからない娘を保育士さんに預けたとたんに「ママぁ~ママぁ~」と外まで聞こえる大声で泣き叫ぶ娘。「お母さんいると泣いちゃうので!もう出て大丈夫です!」と半ば強制退場させられた私も保育園の外で号泣。
「なんでこんな思いをしてまで、娘を預けなきゃいけなかったんだ。悪いことした」とわんわん泣きながら、急に身軽になったことを思い出し、この貴重な3時間は自分のために使わなきゃいけないとなんだか急に我に返った。
ふらふらコーヒーでも飲もうと朝9時に家の前のカフェに行くとなんと朝1の時間で「モアナと伝説の海」チケットありますの張り紙が。しかも上映時間1時間47分。お迎えまでモンモンとせずにいられる!と吸い込まれるように映画館へ・・・
号泣しながら映画館に入っただけでもやばい奴なのに、映画開始30分くらいでまた泣いたと思う(笑)屋比久知奈さんが歌う「どこまでも How Far I'll Go」がぐっときた。
1人の女の子が島や島民、家族や自分の未来を守るため失敗し、挫折を繰り返しながらも何度も立ち向かっていく姿に私自身たくさんの勇気をもらったし、自分もモアナのようでありたいと思ったし、なんなら娘にもモアナのようになってほしいと思った。タラおばあちゃんや、モアナのお父さん、マウイのような様々な価値観や生き方をしてきた人たちと会い、支えあい、生きていけるといいなと。
おおげさやなぁ!と今では思うけど、たぶん当時は母性ホルモン爆発期で、なんでもかんでも自分に当てはめて、感情をはじけだしてた時期かと思う。それほど母業は私にとって大変であり、大切なものだったのだ(今もだけど)
目を真っ赤にしてお迎えにいった私をみて保育士さんはびっくりしただろう。何も言われなかったけど。ニコニコと私に向かって歩いてきた娘に「モアナになるのよ」といった。もちろん1歳だから理解はしてないけど。
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ディズニー映画は大好きでほぼ全部見てきているけど、個人的にはメッセージ性がしっかりとしていて、恋愛系ではなく好き。もっとプロモーションされてよかったのに!
映画は絶対字幕派の私ですが、この映画は吹き替え版が絶対おすすめ!!!
尾上松也さんのマウイ最高です。
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「モアナと伝説の海」を見るとその時の切ない思いや、強い気持ちで親も子も新しい海にでて挑戦するときなんだなと気持ちを奮い立たせた自分を思い出す。新しい何かにまた挑戦しようとしているときに、今度は娘と見ようと思う!