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応援

 電車に男子高校生2人組が乗っていた。1人が降りるとき、もう1人に「応援してるよ」と声をかけて、その言葉が耳に残った。わたしは誰かに応援してるよって言ったことはないと思う。それは「がんばって」に似ているけれど、もっと相手を受容している感じがする。がんばろうががんばらなかろうが、わたしはあなたを応援します、あなたの味方です、どんなあなたでもいいのです、という感じ。
 わたしは誰かを、さらにいうと自分自身を、そんな風に100%受け入れて認めたことはない。ひとに対するピュアな愛情というものがわからなくて、子どもをもてばわかるかと思っていたが(実際にそう言われたこともある)、今生でその機会はどうやら訪れないらしい。だけど、問題は子どもの有無ではなく、根本的な自分の心にしかないのだろう。他人を受け入れる前に、丸ごとの自分を受け入れる。容易なことのようで、わたしには数学の問題くらい難しい。覚えれば解ける公式があるなら教えてほしい。わたしはまず自分を応援したい。

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