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ボードの要

**コア材の色々 **

メイドインジャパン

CLEAVEでは、ミディアムフレックスコア、スーパーハードフレックスコアというポリプロピレン発泡材を採用しています。それらは全て日本製コア材となり、栃木県鹿沼市からハイクオリティーなものが届けられます。

この日本製フォームに辿り着くまで、創業当時からほんの数年前までは海外からの輸入に頼ってました。現在でも国内生産製品が無いボディボード用デッキ、ボトムマテリアルと一緒に購入していましたが、日本製フォームのクオリティーの高さを知ってしまってからというもの、コスト云々の問題ではなく、すっかり虜になった次第なのです。

クオリティーの差

ポリプロピレン発泡材のクオリティーの差って何?と、頭に浮かぶ方がほとんどでしょう。まず1点の大きな違いは ”フォームの仕立て精度” 。これは分かり易い点ですが、厚み50mmで!と伝えればしっかり50mmで納品されます。当たり前のようで海外製品を輸入する際には当然の誤差があります。50mmのまま使いたい場合には困ってしまいますよね。

そして、シェイピングしていて一番重要な差。それが ”ビーズ同士の結束力”なのです。
それではあらためて写真を見ていただきましょう。

見やすくなるように写真を少々大きめにしました。うっ!美しい!(笑)ポリプロピレン発泡フォームは別名ビーズフォームとも言われるように、ポリプロピレン樹脂を発泡(ガスで膨らませる)させた粒同士が結合して1つの製品を形成しています。このビーズ同士の結束が弱い場合、シェイピングをしていると、ボロボロっ!!!!っと、塊となってもげて使い物にならなくなります。例え欠損しなくても、そういったフォームをボードにした場合、問題が無いフォームで作られたボードとは明らかにフレックス性能に大きな差が出てしまいます。そして、基本的に吸水性が無いポリプロピレンフォームであるにも関わらず、ビーズの結びつきが弱い場合には隙間ができてしまい、その隙間に水が入り込むこともあります。現在はわかりませんが、正直なところ海外製はそういった製品が多かった記憶があります。輸入したフォームもかなりの数が使えないなんてこともありました。そういった点から、多少高くともクオリティーの高い日本製を採用するに至った次第なのです。

至高のフォーム

CLEAVEのミディアムフレックスコアは30倍発泡、スーパーハードフレックスは15倍発泡となります。数字からすぐに理解出来ますが、2つのコア材の間には2倍の差があります。上の写真をご覧下さい。上がミディアム、下がスーパーハードです。ビーズ状の粒の大きさは一目瞭然ですね!

スーパーハードはミディアムに比べて多くの樹脂を使うため、ボードとしての重量も大分変わります。簡単にお伝えすると、僕が乗っている105.5cmのボードを2つのコア材で作って比べてみると、大体400g程度スーパーハードが重たくなります。

ボードにとって重要な浮力は減ってしまいますが、ノーズの角からテールの角までの隅々までが硬いスーパーハードに関しては、400g程度の違いはアドバンテージのほうに傾いてきます。波乗りは斜面を滑り降りて加速していくことを考えると、重いほうが重力加速度も高まり、一度ついたスピードが落ちにくいのです。たった400gで?とお読みになっている方はお考えかも知れませんが、本当の初心者の方以外ならすぐに感じ取ることが出来るほど、気持ち良く波を切り裂いて走ることが出来ます。僕がDKスタイルで顕著に感じる点としては、カットバックでピークに戻っていく時の失速の無さ、異常なターンの伸び・・・などでしょうか。最初にスーパーハードをテストした数年前、スピードがノリすぎて行きたいリップに行けず、シュウィーン!と通り過ぎてしまうという、圧倒的な感覚があったのは今でも鮮明に覚えています。

現在このスーパーハードを使ってボードを製作しているのは数社ある日本のブランドのみ。正に日本が誇る ”至高のフォーム”と言っても過言ではありません。

硬い!とにかく硬い!・・でも曲がるよ

スーパーハードはとにかく硬い!腱鞘炎へまっしぐらになりそうなシェイピングでもなかなか削れない。岩盤を突き進む超硬ボーリングのようなイメージ!笑 ベルトサンダーやルーターなど、休み休みやらないとモーターが熱を持ち、あげくの果てには材料と刃の摩擦熱でフォームが溶けて樹脂化してしまうのです。海外で主流となる回転系マシンシェイプで削るのは恐らく無理でしょう。そのくらい硬く、唯一ファジー(懐かしい!)に対応可能なのはハンドシェイピングしかないってことですね。

そんなスーパーハードでもボードになれば硬いながらもフレックスします。よく ”バネのようにフレックスする!”・・・なんてキャッチコピーを目にしますが、これこそ本当にバネのようなフレックスとリコイル(反発)がありますよ。ミディアムフレックスに色々とオプション突っ込むなら、スーパーハードフォームだけでいいじゃん!って言われる方もいるくらいですね。CLEAVE HPCのDKモデルについては、その過剰なバネのようなフレックスを抑えるためにあえてiPSを入れているくらいですから。

2つのフォームの総評

基本的にはミディアムでオプションを入れていけば必要十分以上、時に過剰!(笑) まで調整出来ますが、スーパーハード独自のフレックス/リコイル性は絶対に出せません。ミディアムフレックスでバネのような究極のフレックス/リコイル性能を追求したのがHPCシリーズになります。

注意すべき大きな違いは、気温や水温の温度変化に対する変化です。

ミディアムフレックスは空気層が多いので、断熱効果が高く温度変化に対するフレックスの変化は割合に少ないということです。ストリンガーやiPSを入れることでその対応力は更に高まり、年間を通してフレックスは安定します。

相反して、スーパーハードフレックスは、写真をご覧いただいているように細かなビーズ粒が押し込まれている関係で空気層が少なく、ミディアムフレックスに比べて断熱効果はそれほど高くなりません。コア材のみで作ったボードはかなり硬めですが、夏と冬ではフレックス具合が変わります。その変化量がミディアムフレックスより大きく感じるのは、冷えきった冬のスーパーハードがかなり硬いからかな!?  そのような話しから、最近スーパーハードフリークとなった近藤プロとは ”夏用にはiPSだけ入れようか?”なんて話をしていたりします。さあどうしようかね?笑

コア材の選択は ”乗り手” ”乗り方” ”乗る場所”で決定すれば間違いないでしょう。どんな波でもどんな方でもスーパーハードで良い!とは断言出来ませんが、僕自身のボードはこれから最後の1本までLOVE スーパーハードと断言出来ます。(笑)

ボードをオーダーされる方はまずコア材から!

何でもお気軽にご相談下さい!

CLEAVE 中津川 賢

CLEAVEウェブサイト

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