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詩✨桜貝

薄い貝殻を固く閉じたまま
波にさらわれ壊れた貝殻を拾う
砂浜に淡く薄紅を遺して
身を隠したまま
無言で
あなたはどこにいったのか

赤い血が熱を帯びて
隠せぬ肌色に
うっすら血の色を滲ませて
潮の香りを聞いていた
桜貝の哀しい歌が聞こえてくる

貝殻に
我が身を重ねて
海辺を歩く

遺された薄紅を
そっと
守るように 抱きしめて

幼い頃、母と手を繋ぎながら由比ヶ浜を散歩した思い出
母がこの詩をプレゼントしてくれたようです。


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