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inagakijunya
アンダー・ゼア・サム
「従僕の目に英雄なし」
という言葉があります。
どんなにすごい英雄でも
そばに使えてる者の目から見ると
偉大な人物には見えてこない
欠点が目についてしまい
つまらない人物に見えてしまうということです。
例えば、優秀で評判の上司がいたとしても
一緒に働いてみると嫌な所が目についてしまい
尊敬できなくなるということはよくあることです。
あと従僕は従僕の目でしか英雄を見ないので
どんな人物でも平均的な人物にされてしまう
という意味もあるようです。
ビル・ジャーマン著「アンダー・ゼア・サム」は
ローリングストーンズのファンであり
そのミニコミの発行者でもあった著者による18年の記録です。
![](https://assets.st-note.com/img/1716119409500-DXtdzPFzfa.jpg?width=1200)
実は、ファンによる評伝ってあまり心が惹かれないんですよね。
今回、友達が強く薦めるので仕方なく読んだのですが
それが良い意味で期待を裏切られました。
間近で見たメンバーの素顔が生き生きと描かれていて
一気に読んでしまいました。
ストーンズファンならずとも
ロックファンなら手に取って損はありません。
ミックの素顔は良くも悪くもビジネスマンですね。
こういう人物がいてこそバンドが存続できたんでしょう。
大好きですが、一緒には働けないなと思いました。
まっ、そんなことないですけど。
キースとロン・ウッドは「めちゃくちゃいい人じゃん」です。
二人の優しさと人間味があふれています。
チャーリーは寡黙な印象です。
ローリングストーンズが
一つの企業体のようになっていく過程もわかって
興味深いです。
著者のミニコミは102号を最終号にして廃刊します。
推しとファンの近すぎるゆえの悲哀も感じました。
月は眺めるものかもしれません。