第7話 翌日、学校にて
翌日、学校にて6人は雑談をしていた。
もちろん身バレ防止のためにネット活動のことは話さない。これは暗黙のルールとなっていた。
普通の学生が話すような昨日見たドラマや最近あったおもしろい話、先生の愚痴や悩み相談など“普通の話”をしている。
「ねえ聞いて!今日ね、登校中にゃんこと会ったの!」
「あたしは遅刻ギリギリだったから走ってたんだけど、そのにゃんこもうしろから着いてきててほんっっとうにかわいかったんだ♡」
「たしかにそれはかわいいね」
基本は唯花と舞美と瑠愛子の会話に花音譜や綸音がツッコミを入れて、咲南花は保護者目線で見守る構図だ。
綸音や咲南花は配信外では話せているのに、配信になると口数が途端に減ってしまうことに気づいた。でもれいどろのメンバーは、オンとオフのテンションの差がそこまでない。強いて言うなら緊張で口数が減ってしまうくらいだ。
「それでは授業を始めるぞ〜」
チャイムも鳴っていないのに教室に入ってきた教師に対して
「え!?チャイム鳴ってなくない!?」
「だよね!」
と、舞美と瑠愛子は焦っている。
「今日は鳴らないスタイルなんじゃない?」
と唯花が言った途端、他のクラスメイトも教師に同じことを聞いていた。
「今日は放送機器の不調によりチャイムが鳴らない。だからとにかく席に着け。」
そうして心の準備もしてないうちに、授業は始まった。
運が悪いことに次の授業は英語で、英語だけ唯一英単語の小テストがある。なんと運の悪いことか…と思いながらも、唯花は8割勘で答えて満点を取れた。ちなみに小テストは10点満点で、5問日本語→英語、5問英語→日本語となっている。
6人の中では唯花と瑠愛子が英会話を習っており、瑠愛子に関しては留学をする予定らしい。
そして咲南花と花音譜は誰もが認める天才だ。
否、どちらかと言えば咲南花が何でもできちゃう天才型で、花音譜は毎日コツコツ努力している秀才型だ。
舞美は極度の理系だが国語や地歴もそれなりにできる。綸音も難関校の数学の応用問題で高得点を叩き出し噂になった。
つまりれいどろメンバーは、成績優秀者が多いということだ。