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第23話 ふわふわ、ぽわぽわ!
テストが終わり、舞美はスキップで部室に向かう。
「おつかれさま〜!!!」
「マジでお疲れ様!てか数学やばくなかった!?あの問題、絶対中学生向けじゃないよね、、」
この子は美術部の部長だ。普段は大人しいが、スイッチが入るとすごく饒舌になる。
「だよね!分からなさすぎて逆に時間余ったもん!」
「めっちゃ分かる(笑)」
「みんなテストお疲れさま〜」
顧問はふわふわした先生で、生徒人気も高い。そして舞美もこの先生が大好きだ。
「あ、夜半(よわ)ちゃんと舞美(まみ)ちゃんだ〜!!テストどうだった〜?」
「それが聞いてくださいよ先生!数学のテストが鬼難しかったんですよ!!?
マジで田中先生にもう少し問題を_易@やさ_しくするように言ってくださいよ〜!!」
と、部長である弥生は怒りをあらわにする。
「ええ〜っ!私ひとりで田中先生に太刀打ちできないよぉ〜」
「ここだけの話、田中先生は私たち教師陣も鬼だと思ってるんだから…(小声)」
「ふふっ(笑)やっぱそうなんですね!」
「田中先生に口出しできる先生求む!って感じですね(笑)」
「ほんとに求むわ〜」
「ねえねえ、そういえばなんだけどさ
今度の絵画コンクールに2人とも作品出してみない?」
「えっ!?いきなりですね…」
いきなりの顧問の提案に、弥生は驚きの声を上げる。舞美も同じく驚いて声が出せなかった。
「ふふっ(笑)いきなりではないわよ。
元々うちの美術部はその芸術性の高さから他学校の美術の先生から褒められていたの!
それで、隣の中学校さんから年2度開催される芸術作品展に一緒に作品を出展しないかってお声かけされたのよ!」
「夜半ちゃんと舞美ちゃんがうちの部活で最も芸術的な作品を描くって、まわりの部員が口を揃えて言うのよ〜
もちろん他の部員も何人かは出展してもらうわ!でも2人には先陣を切って作品をつくってほしいの〜!」
その熱意ある顧問の言葉に、弥生も舞美も作品を出展する決意を固める。
「あたしはぜんぜん大丈夫です!むしろ出展したいです!」
「そうね。わたしたちの作品がいろんな人に見られるのなら、それは嬉しいことです。」
「2人ともそう言ってくれてうれしい〜!それなら早速、みんなにもお知らせしなきゃよね♪」
(かわいい先生だな…)
そうして舞美と弥生は────────美術部は、
新しい目標に向けて1歩前進した。