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日本酒の未来をつくる仕事は、終わらない。 #日本酒の未来をつくる

東京・渋谷にある株式会社Clearは「日本酒」を事業領域としています。

創業は2013年。そこから7年間、とにかく日本酒のことだけを考え、事業に取り組んできました。

最近ではメディアにご紹介いただくことも増えてきました。少しずつではありますが、日本酒スタートアップとしてのClearの認知が高まっていると感じます。

一方で、Clearは何を目指しているのでしょうか?

このnote連載「#日本酒の未来をつくる」では、Clearが「日本酒の未来をつくる」ために、どのようなことを考え、実践しているのかをお伝えしていきます。

第一回は、Clear代表・生駒龍史に、会社のビジョン「日本酒の未来をつくる」の意味について、じっくりと話を聞きました。

「日本酒の未来をつくる」とは?

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生駒龍史 プロフィール
2013年に株式会社Clearを設立。「日本酒の未来をつくる」というビジョンのもとに事業を展開。現在、日本酒メディア「SAKETIMES」、日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を運営している。国税庁主催「日本酒のグローバルなブランド戦略に関する検討会」の委員なども務める。一児の父。

ーー いきなり本題ですが、Clearにとっての「日本酒の未来をつくる」とは、どういう意味ですか?

生駒:「日本酒の未来をつくる」とは、「日本酒の産業において、本来必要だけれど今はないものをつくる」ことです。

2014年にSAKETIMESをリリースする前までは、日本酒が美味しい店ってどこにあるのだろう、と探してもすぐに出てこなかったんです。また、たまたま出会ったお酒を「この銘柄美味しいな」と思って、酒蔵についてネットで検索しても情報が出てこない。あるいは、日本酒にすごく興味があって、「おりがらみってなんだろう」と思って検索してもわかりやすくまとまった情報がでてこない。

日本酒と情報って、切っても切り離せないじゃないですか。

知識を持っていれば持っているほど、日本酒をより楽しむことができる。そのための情報は、できる限りわかりやすくまとまっていて、すぐにアクセスできる方が良い。

しかし、SAKETIMESが出てくる前までは、そういったサービスがほとんどなかった。そもそも日本酒メディアなんて言葉はありませんでした。じゃあ自分たちでつくろう、と考えたんです。

日本酒において「情報」を可視化して、日本酒をより楽しむことができる社会をつくっていく。これがSAKETIMESがつくる「日本酒の未来」ですね。

―― なるほど。では、もうひとつの事業であるSAKE HUNDREDでは、どんな未来を描いているのでしょう?

SAKE HUNDREDでは、いわゆるラグジュアリーと言われるような、高単価・高価格の日本酒をつくっています。

日本酒の課題は、楽しみ方や味わいの幅が広い反面、金額がかなり低いこと。そのせいで、市場が伸びきっていなかった。産業を大きくしていくためには、リーズナブルなものからラグジュアリーなものまで、価格帯に幅があることが絶対に必要。ただ、今はそれがない。だから、SAKE HUNDREDが日本酒の高価格市場をつくり、日本酒産業のマーケット全体を大きくする。これが、SAKE HUNDREDのがつくる「日本酒の未来」です。

日本酒には多くの可能性があります。このポテンシャルをどうやって顕在化していくかを考えることで、今はないが本来あるべきものが見えてくる。それ生み出すことが、我々にとっての「日本酒の未来をつくる」です。

社員ひとりひとりの行動が「日本酒の未来」をつくる

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ーービジョン達成に向けて社内で心がけていること、または大切にしている価値観について話を聞いていきます。まず、Clearのバリュー*が具体的にどのような形でビジョン達成につながっているのかを教えてください。

*バリューとは、Clearの行動指針であり、社員全員が大切にしている価値観のこと。「未来視点で発想する」「成果に執着する」「共に成長する」「いつでも誠実に」「健康志向でいよう」の5つが設定されている。

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生駒:「日本酒の未来をつくる」というClearのビジョンを「登りたい山」に例えてみます。その山に登るには、SAKE HUNDREDというルートで登る方法と、SAKETIMESというルートで登る方法がありますよね。山をビジョンだとすると、ルートは事業を意味しています。2つの事業がつくる未来が、結果的に「日本酒の未来をつくる」ことにつながる。

そして、その山をどのように登るかという話がバリューだと考えています

ーー山を登るための手段、方法といういうことですか?

生駒:いや方法というよりは、もっと状態の話です。

ーー状態?

生駒:スタイル、と言ってもいいかもしれません。例えば、全員で歯を食いしばって無言で山を登るのか、歌いながら楽しく仲良く登るのか、という話です。

同じ山を登るのであれば、SAKE HUNDREDでもSAKETIMESでも、みんなが「未来視点で発想」する方がより登りやすくなるし、「共に成長」できた方が登るスピードが早くなるし、そもそも「健康」でないと山なんて登れない。

それに、結局山は登れたけど、楽しくなかったって嫌じゃないですか。楽しくて成長できて、充実した山登りにするべきですよね。その登り方の道標になるのがバリューだと思います。

ーーそれらのバリューが具体的にどのような形で社内に現れていますか?

生駒:バリューを設定することはすなわち、会社にはそれを支援する責任があります。
「健康志向でいよう」と掲げるからには、徹夜での作業など、ひどい量の残業はありません。また、インフルエンザの予防接種など、健康維持のための補助も出しています。

また、オフィスおかん*を導入しているのも、コンビニで食べ物を買うのではなく、栄養バランスの良い食事を摂ってほしいという発想からきています。出来ていないことも多いですが、社員の「健康」をサポートすることも会社の役割だと思っています。

*オフィスおかんとは、1品100円の置くだけ社食。健康的で美味しいお惣菜を全国のオフィスにお届けし、社員の食事を支援するサービス

ーー「共に成長する」の観点でいうと、SED*も行っていますよね。

*SEDとは「Sake Entertainment Design」の略で、週に一度開催している社内勉強会のこと。社員が順番に講師となり、他メンバーに自らのノウハウや学びを共有する。

生駒:個人のノウハウをみんなで共有することによって、参加者の学びになるだけでなく、講師へのリスペクトも生まれます。教える側にも再発見があり、成長につながるんですよね。

「未来視点で発想する」は、日々の業務で、今日や明日ではなく、半年先、1年先、3年先を見越して行動を考えよう、ということです。

Clearでは事業計画を全社員に公開していて、会社として描いている未来を伝えるようにしています。

そうすることで、「今の事業成長スピードじゃ遅い」とか、「今やっていることを続けても目標は達成できない」とか、会社の未来についてスタッフ全員で考えられるんですよね。

日本酒の未来をつくる仕事は、終わらない

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ーーClearで働き始めて1番驚いたのが、社員・スタッフがプライベートを大切にできる環境がしっかりつくられていることです。生駒さんもお子さんの送り迎えとかで早く上がっていますよね。そのような環境づくりも、意識的に生まれたものなのですか?

生駒:もともと僕がそういう思考だったので、それがバリューになって、文化になった、というのはあるとは思います。ただそれ以上に、日本酒の未来をつくる仕事は、数年では絶対に達成できない、ぼくが死んでも終わらないものだと考えています。

だからこそ、スタッフが長く働ける環境が必要なんですよ。

2,3年で転職することが悪いと言いたいのではなく、伝統や文化を背負う日本酒の仕事に関しては、特にしっかり腰を据えてやらなければいけない。長くコミットして初めて成果が出ることは、日本酒という産業の特性です。

仕事だけが人生じゃないですよね。友達がいて、恋人がいて、家族がいて、それらがあって会社もある。プライベートを無視するような会社で、社員・スタッフは長く働けないと思うんですよ。

ーー事業領域の特性を、会社のバリューに落とし込めている会社は、なかなかないと感じます。

生駒:うちは社員5人くらいの時から、バリューやビジョンの徹底に力を入れています。文化は育つものだからです。

僕が「うちはベンチャーで余裕がないから、社会保険なんかいらない。残業代もつけない。当たり前でしょ。ベンチャーってそういうもんなんだよ」って言ったとする。

そうすると、いよいよ上場する時や、さらに会社が大きくなった時に、健全なルールにしようと思っても、「残業代を請求するなんて、ベンチャーじゃなくない?」「デートがあるから早く上がるって、やる気なくない?」みたいな空気になるおそれがありますよね。

いちど、不健全な状態が文化になってしまうと、改善しようとしても、かなりの時間がかかります。だからこそ、会社が小さいうちから適切な文化を育んでいく必要があると思います。

採用の第一条件は「カルチャーフィット」

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ーー採用する時に重要視してることはなんですか?

生駒:徹底的にカルチャーフィットですね。

例えば、「業績が上がっているから入ります」という人は、業績が下がったら辞めちゃいますよね。僕たちが求めている能力は、仮に会社の業績が下がったときにも踏ん張れるかどうか。「あぁもう終わりだ」じゃなくて、「日本酒の可能性はまだこんなもんじゃない」「Clearだったら乗り越えられる」と信じられるかどうかが大事。

会社は、山あり谷ありが当たり前。谷底でどのくらい踏ん張れるかにかかっています。そこで踏ん張れない人は、カルチャーフィットしていない、ビジョンへの共感がないということだと思います。

そもそも、登りたい山が違ったら、辛くなった時に登るのを辞めてしまいますよね。ビジョンというゴールへの共感がなければ、それが働くモチベーションの源泉でなければ、うちで働く意味がないと思うんです。

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取材を終えてー “必要だけれど今はまだないこと”を実現するのがClearのビジョン

Clearのビジョン「日本酒の未来をつくる」とは、日本酒をより多くの人々が楽しめる未来のために、産業を持続可能な状態で発展させる未来のために、“必要だけれど今はまだないもの“を実現することだと、取材を通して再認識できました。

また、ビジョンを軸に会社の価値観を設計し、バリューとして落とし込んでいることが、いまのClearの企業文化を形成していることも見返すきっかけになりました。Clearのカルチャーを胸に、これからも「日本酒の未来をつくる」というビジョンに向けて、挑戦を続けていきます。

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このnote連載「#日本酒の未来をつくる」では、Clearが何を目指しているのか、「日本酒の未来をつくる」ために、どのようなことを考え、実践しているのかをお伝えしていきます。

Clearが目指すもの。それは「日本酒のより良い未来をつくること」です。
事業成長によって日本酒の発展に貢献し続けることが、Clearという企業の存在意義です。

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