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『われら闇より天を見る』クリス・ウィタカー著
出版 早川書房(2022/8/17)
ゴールド・ダガー受賞
このミステリーがすごい 第1位
週刊文春ミステリー 第1位
ミステリが読みたい! 第1位
ストーリー
自称無法者の少女ダッチェスと、過去に囚われた警察署長ウォーク。彼女たちの町に、かつての事件の加害者ヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱しダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が起こり……。
読んでいくと何度も勘違いをしてしまう。
見た目で怪しんだり、1つの行いを見て判断したり。
語り手が変わると見え方がガラッと変わる。
愛が知人を救い、愛が他人を傷つける。
死んだ人たちは本当に死ぬべき人たちだったのか?
殺人をした人は本当に殺人をしたかったのか?
勘違いが勘違いを生み出して歯車が狂っただけで誰も死ななければいけないようなことは何もしていないのではないか。
一部の殺人を犯してしまう人間の本当の姿なのかもしれないと思った。
殺人ではないが日常にもコレは起きていて憎しみあったり、歪みあったり。
でも、実は勘違いだったりするんじゃないか?
隠したい事実のために誰かに勘違いされたり、やりたくないコトでも追い詰められてやってしまったり。
思い込みで相手を判断したり、軽いノリでやってしまったことが後になって後悔するようなことになってしまったり。
他人が敵に見え出したら読み返したい本。