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不安障害の改善に役立ったこと 【思考の実況中継】
今回は、今僕が不安障害を改善するために使っているテクニック「思考の実況中継」についてお話しようと思う。
誰しもが、ストレスを感じたときに「頭のなかのおしゃべり」がうるさい、という経験をしたことがあるはずだ。
今回紹介するテクニックを実践することで、自分の思考を客観的に把握するメタ認知という能力を鍛えることができる。
これによって、ネガティブな反すう思考に飲み込まれそうになったときに、より短い時間で抜け出すことができるようになってくる。
ぜひ読んでほしい書籍
僕が実践している方法は、ACT (アクセプタンス&コミットメント・セラピー)と呼ばれる心理療法がもとになっている。
「アクセプタンス」とは、自分の思考に反論などをせず、あるがままに受け止めることである。
また、「コミットメント」とは自分の思考を一度受け入れたうえで、思考に支配されずに適切な行動をとることを意味している。
小難しい話をしたが、簡単な例を出そう。
例えば、家のトイレを誰も掃除せず、とても汚い状態になっているとする。
それを見て、「何でだれも掃除しないんだ。僕は絶対にやりたくない」という思考が浮かぶかもしれない。
このとき、選択肢は2つある。
1つ目は、頭の声に従って実際に掃除をさぼることだ。この場合、掃除されていないトイレを使い続けることになり、さらに嫌な思いをする羽目になる。
2つ目は、嫌だと思いつつ、自分が率先してトイレ掃除を行うことだ。この場合、次に使うときはいい気分でトイレを使うことができる。また、もしかすると家族に「ありがとう」と言ってもらえるかもしれない。
ACTでは、後者のような行動がとれるようになることが最終目的としている。
具体的なやり方
先ほどの例に戻ろう。汚いトイレをみて、このような思考が浮かんできたとする。
「何でだれも掃除しないんだ。僕は絶対にやりたくない」
この場合、次のような形でもう一度思考をトレース(言い直し)する。
「何でだれも掃除しないんだ。僕は絶対にやりたくない」と、私は考えている。
これにより、この先に続くネガティブな思考を一旦中断することができる。
「そうか、私はトイレ掃除がいやなのか」と自分の思考を一歩引いて眺めることで、苛立ちの感情が少し緩和されていることにも気づくだろう。
重要なのは、普段から実況中継するくせを付けておくことだ。
リハーサルなしで急にこのテクニックを使うことは難しい。
最初は、どんな思考でもよいので、言い直しをしてみるとよい。
例えば、仕事中に雑念が浮かんだら
「今日の晩御飯は何食べようかな~」と、私は考えている。
といった具合である。上手くいけば、これですぐに仕事に集中しなおせる。
慣れてくると、呼吸レベルで実況中継できるようになってくる。こうなれば、普段のストレス値はぐっと減っているだろう。
応用編
応用として、「Chatter」という書籍で紹介されている方法を使うとさらに効果がある。
それは、「思考に3人称を使う」というものだ。
先ほどの例に戻る。
「何でだれも掃除しないんだ。僕は絶対にやりたくない」
このような思考が浮かんだら、次のように言い直しを行う。
「何でだれも掃除しないんだ。僕は絶対にやりたくない」と、彼は考えている。
このやり方を用いると、さらに客観的に自分を眺めることができる。
このように、自分の思考を他人事のように実況することで、使われている脳の部位が変わることもわかっている。
三人称の部分は、自分のあだ名(筆者の場合はタレカツ)とか、下の名前などを使ってもよい。
この方法は僕が普段使っている方法で、非常にオススメである。
まとめ
今回は、「思考の実況中継」によってネガティブな反すう思考を減らす方法をお伝えした。
アスペルガーにとって、対人関係による日々のストレスはとても大きい。
この方法を採用して、ベースとなるストレス値を減らしてもらえれば幸いである。
では、今回はここまで。