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I'VE GOT THE WORLD ON A STRING、世界はなにかの糸で繋がっている。
こんにちは!
今日は、レコードではなく、複数落札したCDをまとめてご紹介します(*^^*)
JOHN TOWNER WILLIAMS/
WORLD ON A STRING
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ジャケットが美しい、作曲家ハロルド・アーレンの作品集で、虹の彼方へ、絶体絶命、ゲット・ハッピーなど、お馴染みの曲が入っていて購入しました。
タイトルは収録曲「I'VE GOT THE WORLD ON A STRING」の一部から。僕には世界を操る紐がある、虹の上に腰掛けて指先でそれを操っている、から始まる恋の歌。
帯には映画音楽の巨匠の若い日の作品との謳い文句。そう、このジョン・タウナー・ウイリアムス(pf、arr)とは、あの、「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」で有名な作曲家、指揮者ジョン・ウィリアムスのことなんでした!
購入したときはそんなことも知らず、内容も期待してなかったのですが、聴いてみると、ブラスの音圧が凄くて、全編圧倒的な重量の気持ちの良いビッグバンド・サウンド。
こんなゴリゴリした独特の音、これまで他で聴いたことないかも。良いもの手に入れました(*^^*)
ELLA FITZGERALD AND ANDRE PREVIN/DO GERSHWIN
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大御所エラ・フィッツジェラルドと映画、ジャズ、クラシックを渡り歩く才人アンドレ・プレヴィン(pf)、北欧の名ベーシスト、ニールス・ペデルセン(b)と演ったガーシュインの作品集。1983年録音の作品。
真面目でストイックな印象のプレヴィンとペデルセン、この2人のカチッとした演奏に、ビーフシチューのような、円熟したエラの歌声が映えます。特に出だしの2曲、「霧の日に」、「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」にガツンとやられてしまい、全編、スピーカー前に大人しく座って、心安らぐ幸せな時間を過ごしました(^^)。
SIDNEY BECHET/STORYVILLE VOL.2
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ニューオリンズ出身の大クラリネット奏者。最盛期の活躍からだいぶ経ってからの1953年、ボストンのストーリーヴィルでのライブ録音とのこと。
3曲目、「ハニーサックル・ローズ」は様々なカヴァーがある、温かく滋味あふれる曲。シドニー・ベシェの熱い個性が出ていて、すごく良い演奏です!この人のおおらかで、味わいのあるクラリネット、ぜひ聴いてみてください(^^)
SAL SALVADOR/FRIVOLOUS SAL
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サル・サルヴァドールなんて、ずいぶんふざけた名前のギタリストだな、と思いましたが、ジャケットのカッコ良さに惹かれて購入しました。
名前からラテンの血が騒ぐような熱い人かと思ったら、ギターの音は細め、クールで控えめな印象です。
ただ、ここぞと弾き出したらどこまでも加速する速弾きの名手です。
タル・ファーロウ、ジミー・レイニー、バーニー・ケッセルなどに通ずる、職人気質な薫りがします。
バックには若くして車の事故で夭折したピアニスト、ヴィブラフォン奏者、エディ・コスタが参加しているのも楽しみなところ。クセ強め、暗めの音色のピアノ、軽い感じにきらめくヴィブラフォン、相手、曲次第で大きく変化する演者です。
この二人、相性が抜群に良かったのでしょう。6曲目の「ALL THE THINGS YOU ARE」では、サルのギターとエディ・コスタのヴァイヴの優しい絡み合いで始まり、ロマンティックなメロディから一気に、打ち上げたロケットのような怒涛の勢いの速弾きに変わります。どんどん加速していき、終わりで軌道に乗ったのか、緩やかになるところ、ジェットコースターに乗り終えたように、慣性で体がガクッとします。他、最後のスタンダード、I'LL REMEMBER APRILもものすごい速さでサルとエディが掛け合い、彼らの巻き起こす乱気流がこの曲をやばい飛行機に乗ったようなハラハラしたものに仕上げています。こちらもおすすめ(*^^*)
ANNE SOPHIE MUTTER/
BACH,GUBAIDULIANA
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最後は、クラシック。
ヴァイオリニスト、アンネ・ゾフィー・ムター、バッハのヴァイオリン協奏曲と、現代の作曲家グバイドゥーリナの曲のアルバム。
ムター、名前は知ってましたが、買ったのははじめて。もちろん彼女のジャケットの美しさがきっかけです(恥)
バッハのヴァイオリン協奏曲、1番と2番は演奏が荘厳で清澄、録音が素晴らしく、ヴァイオリンの音がとてつもなく綺麗で、目の前に白く輝く世界が広がる印象。
ヘッドホンや車ではなく、スピーカーを前にして聴くべき演奏とはこういうものでしょう(^^)
クラシック初心者の僕には、彼女のヴァイオリンの弦の響きが透き通っていてすごく新鮮。特に協奏曲での他の弦との重なりのふくよかさ、残響が耳に気持ち良くて、癖になります。しばらくヴァイオリンの音にはまりそうです(^^)
次は現代の作曲家ソフィア・グバイドゥーリナ作のIN TEMPUS PRAESENS。打って変わって30分間、ずっと不穏で、暗く、心の闇に取り込まれていくような、ねっとりとしたヴァイオリン。
なぜ、一つのアルバムの中で、バッハとグバイドゥーリナの二つを選び、これだけの演奏の落差を生み出したのか、製作した方々に聴いてみたいところです。個人的にはアルバムの終わりがこちらなので救いがないというか、わだかまった想いを残す演奏でした。
でも、ほんとに美しい音。
余談①
ここまで書いてきて、ムターの経歴を調べたら、なんと上記アンドレ・プレヴィンの奥さんだったことを知り、アンドレ・プレヴィンを調べたら、彼女の前の奥さんが僕が好きな女優、ミア・ファローだったことに驚きました。彼女が一時フランク・シナトラと結婚していたり、ビートルズとインドに出かけてひどい目にあったり、ビートルズのホワイト・アルバム「ディア・プルーデンス」が彼女の兄弟の名前が元だったこと、ユニセフの活動に共鳴してたくさん養子を取っていたことなど、いろいろ知ることができました。
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彼女の神経質そうな、儚げな美しさは、映画「グレート・ギャツビー」のデイジーにまさにハマり役でしたし、「ジョンとメリー」での名優ダスティン・ホフマンとの恋物語には、彼女の気難しげな感じがピッタリ合って、ラストがせつなくて素敵な映画でした。ちなみに代表作のローズマリーの赤ちゃんは怖くてまだ見てません(T_T)
さらに、ウディ・アレンとの仕事、恋、養女スン・イーとウディ・アレンとの関係につながり、ウディとスンの養女になった子の名前が、上記のシドニー・ベシェにちなんだものだと書いてあって、今回一度に買ったCDの偶然の小さな繋がりに笑ってしまいました(^^)
世界はどこまでもなにかの糸でたしかに繋がっているんだな、と。
ではまた。