ロス・トンプキンス、謎の男。
またしてもジャケットが可愛くて手を出した1枚。
月や星、テナーと鍵盤が白黒に表現されていてお菓子の箱みたいで可愛くないですか?
ロス・トンプキンス、in the swing of things。
以前も彼のレコードをジャケットに惹かれて買ってしまったことがありましたが、いずれも輸入盤で彼の詳細は謎のまま聴いてました。
この文を書くにあたりウィキを見てみたけれど、60年代にカイ・ウィンディング(tb)やエリック・ドルフィー(as)、ズート・シムズ(ts)など結構なメンツと演ってきた白人ピアニスト、2006年に亡くなったようです。
持っていた写真のlost in the starsでのピアノも端正できらめきがあって好きだったので、日本ではまったく話題に上がらないのが残念。
というか、Spotifyでもこのアルバムは見当たらず(泣)
「famous door」なるレーベルを調べてみたら、40年代のジャズレーベルkeynoteのインド出身のプロデューサー、ハリー・リムが興したものとのこと。
言われてみるとコールマン・ホーキンスやレスター・ヤング全盛の時代に通ずる懐かしさ、良い意味の古さがあるなと感じました。
ジャズにおけるプロデューサーの影響ってすごいよな、と改めて納得。
裏面をよく見るとこのレコードは1986年の録音。へ?なにげにCD時代の音なんだ、と改めてびっくり。
A面、お馴染みのスタンダードautumn in new york、端正なピアノで高級ホテルのラウンジで奏でているような印象。この人はホント真面目だなぁ、と心底思います。
その後のif you could see me now、 gone with the windではボブ・クーパー(ts)が入ってのカルテット。ロスは後ろに下がって、テナーを自由に泳がせ、ブランデーとかウイスキーが似合う落ち着きと寛ぎに満ちた演奏。このあたりがタイトル通りスウィングしてるなぁというところ。B面、the way you look tonight、black and blueと再びピアノ・トリオに戻り、彼の響きの良い、硬い音のピアノが、なんともたまりません(^^)
ベースやドラムも少しずつ前に出てきてノリノリに弾きます。can't we be friends、dear old stockholm、これもどっかで聴いたよな、のスタンダード。彼のピアノが可愛く、録音も素晴らしい!
スタンダードを愛するジャズ好きにお薦めの大人の小品。
これは見つけたら買いです!
上のアルバムとは違うけれど、このピアニストの良さが伝わったら嬉しいです。
ではまた!
※ボブ・クーパーがジューン・クリスティ(vo)の生涯の旦那さんだったなんて今知りました(^^)
一枚一枚に勉強するところがあるもんですね。