【記者日記】第7回淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会を傍聴
かわすみかずみ
1月15日の午前10時から、淀川区役所で開催された「第7回淀川河川敷十三エリア魅力向上協議会」 を傍聴しました。一般傍聴もメディア席もすべて質問や発言が禁止だったので、歯がゆい思いでした。
受け付けで「傍聴要領」 を 渡され、傍聴が20人までであることや発言できないこと、危険な行為をするものは傍聴できない、などの項目を確認させられました。
この会議では、淀川河川敷のにぎわい創出のため、堤防の上に屋台やドッグランなどを作る計画や、河川敷にバーベキュー設備やイベントゾーンを作ることが予定されています。
また、船着場を作り、大阪·関西万博の会場である夢洲まで乗客を輸送する計画も組み込まれていました。
会議の参加者は、大阪公立大学大学院工学研究科教授や国土交通省の職員、大阪市の職員、阪急株式会社職員、十三の商店街の関係者などでした。
この会議では、事業者からの事業者内容の提案を検討することが主な議題でした。
4月13日の大阪·関西万博の開幕に合わせて、この事業をスタートさせたいということでしたが、現在、舟着場もできておらず、夢洲航路に使う船は、途中にある阪急線の鉄橋を越えられないという課題があり、難航しています。
また、傍聴者の中には淀川堤防のすぐ近くに住む方もいて、「住民が反対しているのに、聞いていない!」と声をあげる場面もありました。
後日淀川区役所に確認を取ると、①安全性の判断は最終的には国土交通省が行うが、現在はまだ判断はでていない、②住民への説明会は1月中旬から2月に行う予定だが、1月15日現在場所も規模も決まっていない、③インフラについても、まだ敷設できていない、という状況でした。
この事業についてプロポーザル方式の公募で選ばれたのはRETOWN、類設計室、One OSakaリバークルーズの事業共同体でした。現在の工事は国土交通省が管轄しているそうです。
大阪市が河川敷の国土交通省に占用許可をもらい、大阪市から国に占用料金を払い、同額を運営事業者が国に払う仕組みになっています。
実際に堤防に行ってみると、ほとんど工事は進んでいないようでした。工事の見取り図を見ていた男性は「これじゃあ間に合うわけないよな」と言っていました。船着場近くの作業所では、午後の作業の準備をしている若い女性の作業員がいました。声をかけると、午後から福島区の海老江まで残土を持って行くところだと答えました。その後、男性作業員が出てきて、「船着場付近に近寄らないでください」と言われ、作業所から離れました。
堤防は斜面を削られ、一部が階段に造り替えられるそうです。また、堤防の頂上は屋台が並ぶ予定で整地されていました。川からの風が吹き、常時風が強いという堤防で、屋台ができるのか、疑問でした。火災や、屋台が強風で飛ぶことはないのか、住民に被害が及ぶことはないのか、と感じます。
会議の中でも、委員のひとりが「冬の寒い時期、夏の暑い時期には集客が見込めないと思う。よほどうまくやらないと収益が出ないのではないか」と発言していました。
4月13日の万博開幕に合わせて開業できるのかも分からない、収益が出るかも怪しい企画を強行する狙いは何なのか?不思議でなりません。