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【記者日記】大阪9区 激戦地の候補者

  大阪9区は箕面、豊能、茨木、能勢町というバラエティに富んだ地域が同舟した地域だ。箕面は山を背負った自然環境豊かな場所。豊能郡や能勢町は農業が盛んで、大阪の食料供給を担う重要な場所だ。茨木市は北部の中核を担う地域で豊能郡や箕面市との地域格差は大きい。
  10月11日は朝7時から南茨木駅でながさき由美子候補(68)の街宣を取材した。長崎候補は保育士として25年働いた経験から、障害を持った子どもや外国籍の子どもと日本の子どもがともに歩む、多様性のある社会を訴える。野党統一候補として、社民党公認、共産党、新社会党、立憲民主党、緑の党が推薦する。
維新の会の足立康史候補が政界引退を表明し、当確ラインは読みにくくなっているが、昨年から地道に駅頭などでの挨拶を行ってきた。
   また、豊能郡の農業関係者からの話として、夏の異常な暑さで農作業ができないために廃農する農家が出ていることや、秋に種付けする野菜の種付けができないという声を伝えている。
  駅前の道路にはボランティアが辻辻に立ち、チラシを配る。ボランティアの女性によると、いつも来てくれるボランティアの他に、今日は地域の人が初めて2人来てくれた。
  長崎候補の選挙戦を支え、ともに街宣を回る西尾慧吾さんは学生時代から沖縄問題に熱心に取り組んできた。「がんこに平和」を合言葉に、最後まで各地を回るという。

  事務所に戻って新聞作成を行ったあと、19時からは茨木市で自民党公認の東田じゅんぺい候補(41)の演説会へ。東田氏は神戸大学を卒業後、三菱商事に17年勤務し、シンガポールやドイツで駐在。小学生のとき、阪神淡路大震災にあった。その経験を元に、人々のために働きたいという。演説会の参加者は9割が高齢の男性で、地元の自民党市議会議員や府議会議員に加え、「友党」公明党の議員も参加。最前席に来賓扱いで名前が書かれた紙を貼った椅子が用意されていた。
   また、配布されたチラシは、自民党のものと公明党のものが入っていた。東田氏の政策は10あったが、街頭演説では具体策や市民の意見はなく、東田氏自身が国際感覚やビジネス的視点で政治にあたることや、議員活動への思いを語っていた。
  だが、屋内での演説会では、自衛隊を憲法に明記することや、国防に触れるなど、鷹派的発言もあった。東田氏の政策には、自衛隊の明記は記されていない。また、国防については、「治安·安全」としか書かれていない。ゲストとして参加した松川るいは、東田氏を評価し、「当選すればすぐに大臣だ。大阪からもっと大臣を出してもいいんじゃないですか?」と会場を煽った。
   維新の会から出馬する萩原けい候補(47)は現茨木市議会議員。政界引退を表明した足立康史前衆議院議員の刺客として立候補した。駅頭などでの朝の街宣の様子を、頻繁にツイッターにあげているが、街宣の予定などは見当たらない。同党の吉村共同代表は、大阪9区以外の18の府内選挙区で比例復活をなくすと公表。足立氏が再び立候補することを妨害するかのような動きを見せた。
  10月10日に行われた足立氏の国政報告会に、萩原氏が出席。以前から関係が深かったと言われる萩原氏を足立氏の刺客として擁立した維新の会の底の底は恐ろしい。
  参政党からは、元大津市議会議員の片岡真候補(33)が出馬予定だが、こちらについては今後、街宣などを見に行く予定だ。
  誰が大阪9区を制するのか?混迷を深める情勢に、候補者たちは、一喜一憂する日々が続く。


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