大阪5区·大石あきこ候補のマイク納めに密着
かわすみかずみ
10月26日は明日の投票日を控え、各候補者が「最後のお願い」といいながら各地を回る、いつもの光景があちこちで繰り広げられる日だった。
この日、新大阪駅近くの大型スーパー「セントラルスクエア」前で19時40分から行われる大石あきこ候補のマイク納め街宣に向けて、支援者らは6時過ぎから場所取りに動いていた。
同所にはためく何本ものピンク色のれいわ新選組の旗。ピンクのジャンパーを着てチラシ配りをするボランティアの姿。夜間でも目立つショッキングピンクを選んだのは戦略的に当たった。遠くからでもよくわかり、ボランティアが駆けつけた時にも場所がわかりやすい。
大石あきこ事務所のボランティアの特徴は、その多くが政治に強い関心を持ち、自ら情報を取りにいっていることだ。
何人かのボランティアの方と話したが、皆さん本当に多くのメディアにアクセスしていて、一般の人が知らないような情報を知っている人が多かった。れいわだけでなく、他党の情報も調べている、いわゆる政治通の人たちもいた。もう1つの特徴は、いわゆる「庶民」と言われる人たちの底力だ。この日も若い女性が「夜から用事があるんですが、その前にチラシ配りに来ました」と駆けつけていた。「いよいよ明日投票日ですね」と筆者が声をかけると「そうですね。明日はドキドキです」と答えた。
大石候補のマイク納め
19時半頃に到着した大石候補は、ボランティアひとりひとりに挨拶し、マイク納めを見に来た支援者に握手して回った。18時頃には10人前後だったボランティアは30人以上に増え、店舗前には、60人以上の人だかりができていた。
この日ボランティアとして参加した初老の男性は、「前回の選挙のときはこじんまりとしていたけど、今回は広がりが出たなと思います」と言った。選挙カーも幟も2倍、ボランティアは3倍になったという。男性は大阪市で生まれ育った。2度目の都構想のとき、故郷の大阪市をなくしてほしくないと思い、反対運動を行う大石あきこ事務所を訪れたことから、支援者となった。
大石候補が小さなビールケースに乗って演説を始めようとすると、「あきこ」コールがどこからともなく始まった。大石氏は「直前まで今日は泣かんやろと思ってましたけど、こんなに沢山のボランティアの皆さんの顔を見たら泣きそうです」と述べた。演説の中で印象的だったのは、大石氏が自分のことを「普通の人」と表現したことだった。大石氏は、他の街宣では語らなかった持論をここで語っている。「私は、社会を変えるのは普通の人だと思っている。普通の人が一歩を踏み出して変えるのです。この選挙で間に合うかはわからない。でも、投票に行ってほしいと呼びかけてきた」。
10月25日、大阪市営住宅前のスポット街宣(選挙区内の普段行けないようなところを細かく回ること)のとき、バイクでやってきた金髪の若い男性がいた。「俺、今まで投票に行ったことないけど、行こうと思うねん。やり方分からんから教えて」と投票の通知を大石氏に見せた。ボランティアや大石氏が説明し、男性はバイクで走り去った。別の場所でスポット街宣を行っているところに、さっきの男性がやってきて「投票したで!」と手をあげて走り去った。今回の選挙戦で、できるだけ多くの候補者のチラシを集めて比較したが、投票の仕方が具体的に書かれたチラシは大石氏のものだけだった。8時にマイクを置いた大石氏に、ボランティアや観客が「大石」コールを送った。拍手が鳴りやまぬ中で、大石氏はその場を後にした。