
【私、退職します】
最近の就業に対しての考え方はさまざまだ。
大学を卒業して3年は何とか働いて、実績を積んで転職すると決めている人、最初から組織に属さず起業する人など、多様性に富んでいる。
何が良くて何が悪いと言う訳でもない。
できることなら、自分に合った仕事に就いてみたい。
でも、高校、大学と卒業するまでに、自分のやりたいことがしっかりと決まっている人は、はたしてどれくらいいるのだろう。
すんなりと進んでいるように思える人でも、実は人知れず考え抜いて決断している人も多いのではないだろうか。
人に相談して選んだ進路がうまくいかなかったからと言って、人のせいにしている人はいないだろう。
人に決められたと思っている進路でも、それを選んだのは自分なのだから。
自分で決めたことが、もしうまくいかなかったとしたら、また悩んで進めばいい。
大いに悩んで進むくねくね道でも、それを振り返ったときに、後悔を含めて自分の人生。
まずは自分を労って認めてあげながら、次に進みたい。
障がいがあって働きたくても働けない人がいる。
高齢になっても年金だけでは生活できず、体に鞭打って働く人もいる。
中には、年齢を感じさせないほど、張り切って仕事をしている人もいる。
就業しても、人間関係や仕事の向き不向きに悩み退職を選ぶ人、お金のために耐え忍んで仕事を続けている人もいる。
「働く」人の気持ちはさまざまだ。
私の若い頃はだいぶ昔の話であって、進路についてのアドバイスにはならない。
ただ私が言えることは、『働けることに感謝したい』と言うことだけ。
1.退職を決める
来年の4月から、新しい職場で働こうと決めた。
私のために、ケアマネの事務所を立ち上げてくださると言う。
私と一緒に仕事をしたい、ケアマネ事務所を立ち上げることは、自ら経営している施設にとっても「利益」になるからだと。
即決だった。
長く勤めた職場を辞めるに至ったのには、きっかけがある。
たわいもないこと。
そんなたわいもないことでも、繰り返されると大きなダメージになる。
ヨレてもろくなる糸に似ている。
いつかは切れる。
職場は、私以外は訪問看護師。それでも縁あって同じ場所でケアマネとして働かせてもらってきた。
私にとって、裏方として介護が必要な人への支援に関わらせてもらうことは、性に合っている。
別段、職場でいじめがあった訳ではない。
ただ、長く共に働いてきても、真の意味での「同志」にはなれなかったことが大きい。
長年働いて来たのは、ケアマネの仕事が好きなことはもちろん、家から近い、休みが取りやすいなど環境面から見てありがたい職場だったから。
でも、いつもどこかモヤモヤとしたすっきりしない気持ちがあった。
看護師が上でケアマネが下ではない。
その逆も然り。
全てのサービス事業所が対等である。
収益の面からすれば、ケアマネは訪問看護に敵わない。
ケアマネ事務所は、3人以上ケアマネが集まれば特定事業所加算が取れるため収入が増えるが、小規模のケアマネ事務所では加算は取れない。
その中でケアマネの果たす役割とは何か。
ケアマネは『繋ぎ』の役割がある。
それは、目に見えない。
ケアマネがいることで、多職種を取り持つ潤滑油となり連携が生まれる。
顔の見える関係作りに貢献している。
直接の収入にならなくても、併設している訪問看護をより知ってもらうきっかけになっていたかもしれない。
それは、最終的には、働きやすさ、満足感、自信に繋がり、やがては仲間と共に仕事ができる幸福感に繋がっていく。
お互いの仕事を100%理解することはできないが、理解しようとする努力は必要不可欠だ。
結局のところ、転職を決めた決定的なことは、口先だけではなく、本当にケアマネを必要としてくれているか否かの差だと思っている。
2.転職に向けて
「一緒に働きたい」
なんて、一種の殺し文句じゃないのかな。
今回の出来事をきっかけに、もう少しのびのびとケアマネの仕事をしたい、今この職場ではできないことを新しく取り組んでみたいと言う気持ちが強くなっていった。
独立も考えたが、よくよく考えて決めた。
日頃からこの若き社長と接する中で、仕事に対する考え方が似ている点や、丁寧に取り組む姿勢を目の当たりにして、信頼できる存在だと認識していた。
私たちのように資格があることは、選り好みをしなければ、再就職先を決めることは、さほど難しくはない。
ただ今度選ぶ進路は、おそらく最後の職場となることから、「自由」に働ける場所でありたいと考えていた。
そうは言っても、なかなか自分の思いに合った職場は見つけることはできないと考えてはいたので、社長からの提案には驚いた。
今まで、真剣にケアマネとして取り組んできた甲斐あって認めていただけたと思い、次のステージに行かれることに感謝し、転職を決めた。
今は休みの日に、新事業に必要な運営規則や重要事項説明書等の書類作りに取り掛かっている。
全て1からの手作りだ。
現在の職場は母体が大きいこともあり、福利厚生面や収入面では優遇されている。
新しい職場はそれには全く敵わない。
ただ、
「好きな場所で、やりたいようにやってもらっていい」
と言う社長の言葉は、心強い。
車1台とパソコンを与えてもらい、在宅であったり、時にはカフェであったり、仕事の場所が自由になるのはありがたい。
社長は、
「自宅で自分のペースで休みながらやってもらって構わない。
結局は、受け持っている利用者に対してやらなければいけない1カ月のルーティンをこなしてもらえばいいだけだから」
と言ってくださった。
少しずつ打ち合わせを行う中で、取り組んでいきたい目標が徐々に整い始めている。
受け持ち人数が多いほど、私の収入が増える形になるとのことで、いかに効率よく、落ちのない仕事をして行くかが鍵になる。
今でも、担当できる人数の限度近くまで受け持っている。
それでも時間の使い方や書類の整備など、改善の余地はある。
今よりICTの活用を進めていきたい。
いずれ年を取り、私自身が介護保険を利用することを考えて、信頼できるケアマネを獲得したい。
ケアマネ同志の居場所作りにも関わってみたい。
思い描いていることは山ほどある。
まずは足元から。
退職、転職後の経過の中で、気づいたこと、学んだこと等、来年4月以降に記事にできたらと思っている。
いいなと思ったら応援しよう!
