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【内観】昔の恋の物語+No.ラスト〜執着から手放しへ〜

♪あの日あの時あの場所で君に会えなかったら、僕らはいつまでも見知らぬ2人のままっ♪♪

前回のやつ(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)

「あの…泰子さんは今日いらっしゃいますか?」
「…私だけど」
「えっ!!…」
その後黙る3人娘達。勿論黙る泰子さん。
よりによって、よく泰子に話しかけたもんだ、他にもアルバイト生はいたのに。腰まである髪、生え際にパーマでちょっとキツイ風を装っていて話しかけにくかったはずなのに。まさか本人とは思わなかったのだろう…。

「きれいな人だよ…」コソコソ
「どうする?」コソコソコソコソ
しっかり聞こえてますけど(-_-)まぁ褒めてくれてるようだから、きっと良い子達だわね。視線は彼女達に向けたまましばらく黙って待った。
「…なんでもありません」オドオド
泰子は気取りつつ黙ってその場を立ち去り、倉庫に向かった。ドアを閉めた瞬間、はあっー!何じゃありゃ〜!!実は心臓がバクバクで口から出そうだったのだ。多分彼の恋人。あの様子だと真ん中の子だろう。「何しに来たの?…」

気を取り直し戻ったら、3人娘達は帰った後だった。「さっき何だったの?」バイト仲間が近寄ってきた。はっは〜ん。さてはこの子だと勘違いしたんだな。ふんわり可愛らしい、背格好が似ている彼女。泰子は162、5センチなのに謎に大きく見られるから違うと思ったのだろう。バイト途中だったが、即行で彼に電話をした。絶対に違うと言い張る彼。泰子は段々とムカツイて来て怒って電話を切った。

折り返し彼から電話が来た。
「ごめん。本当に彼女だった…」
「でしょーねー」
「なんで分かったの?」
女の勘をなめんなよ。

その夜、ベッドに横たわり怒りを感じていた。あの女、振られた私を見に来たのか?幸せな所を見せつけに来たのか?こんなに頑張って忘れようと努力してるのに!私に構うんじゃないわよ!泰子は相当怒り心頭だった。

その後、会いに来た理由が判明した。
「なんで会いに行ったんだよ」
「友達になって貰おうと思って…」
数日前、恋人が突然、自分の友達とは遊ばないで欲しいと言ってきたらしい。それで泰子と友達になろうとした…。怖い怖すぎる(⁠(⁠(⁠;⁠ꏿ⁠_⁠ꏿ⁠;⁠)⁠)⁠)会いに行ったまではいいが、思っていた人物と違っていてびびったのだろう。…良かった…無理にでも奪い取ろうと躍起にならなくて。それにしても、何で今更?不思議で仕方なかったが、多分海にドライブに行った事を知ったのだろう。もう関わるのが怖すぎて考えないようにした。

その後、彼の友人達に泰子の事を嗅ぎ回っていたらしいが、もう会いに来る事はなかった。

終わり。
おまけ。1年後くらいに彼と再会した。
それはまた機会があったら書こうかな。

執着から手放しへ
私は、このストーリーをつい最近まで忘れられずにいた。時折思い出しては、彼に会いたいと思っていた。思い出す度に後悔して、涙する事もあった。恋はこれだけじゃなかったのに、どうしても尾を引いてしまっていた。

土壇場でチキって、ちゃんと告白出来なかったことが心残りでしょうがなかった。きっとそこなんだと思う。怒りもそう、怖すぎて早く忘れたくて考えないようにしたせいで、思い出す度に怒りが湧いてきてしまっていた。彼を押し倒さなかった事も後悔してるのかも。ってそれは冗談だけど。30年以上も前の話なのに、感情はちゃんと出し切らないとこうやっていつまでも消えずに残る。

以前にキッカケがあって、今回みたいにしっかりと思い出した事がある。その時は涙が溢れてきた。沢山沢山泣いて、沢山沢山怒ってみた。今回また思い出し書いてみたが、悲しみはほとんど感じられなかった。会いたいなぁ〜は、昔の♥ハートマークとは違っていて、何十年もかけてやっと笑い話に出来そう。人の縁とは不思議なもので、どんなに頑張って紡ごうとしても途切れてしまう時もあるのに、いとも簡単に紡いでしまう時もある。失恋したその後すぐに私は恋人が出来た。心に彼がチラついて悲しくなる時もあったけど、幸せな時を過ごす事が出来た。

今あらためて思い返すと、随分と自分勝手だが、恋とはやはりそういうモノなんだろう。理性が吹っ飛び我を失い、本能のまま欲望をむき出しにする。はぁ〜いいわぁ~♡もっと欲望と本能のまま突き進めば良かったかなぁ〜
いやいや、それはない。あれはマジでヤバい系。

ふぅ…恋、金、病は人間をいとも簡単に揺さぶってくる。やっと内観まで行き着きました。
良かった良かった(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)

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