医学生から見る看護師の凄さ
医学部の臨床実習でよく上級医の先生が仰る言葉があります。
「看護師に対して尊敬し、何でも丁寧に優しく接しなさい」
医学生が実習中に看護師と接する機会はほぼ無いですが、患者さんのケアをしている姿をよく見かけます。担当患者さんの診察をしに入院棟に行くと、看護師が患者さんのケアをしている最中で、少し申し訳なくなることがよくあります笑。
ここで看護師の仕事を大まかに紹介します。患者さんのバイタルサインのチェック、食事・入浴・排泄の補助、体位変換などがあります。また医療チームの1員としてカルテ記録、他職種とのカンファレンス、夜間のナースコール対応もあります。
さらに患者さんは病気やけがによる不安やストレスを抱えていることが多いため、そばに寄り添い、安心感を与えることも重要です。身体的なサポートだけでなく、精神的なサポートも担っているということです。
また病院の中の働く場所によっても違いがあります。例えば手術室担当の看護師です。「オペ看」とも呼ばれています。手術がスムーズに行われるように執刀医のサポートをしていきます。医療ドラマで執刀医にメスを渡しているシーンがありますよね。まさにそれです。初めて素早く器具を渡していく姿を見た時は驚きました。手術の進行状況を把握し、次にどんな指示が来るのか、どんな器械を渡せばいいのか、常に先読みするスキルが必要となります。
そんな姿を見ていた私も1日だけ看護師体験をしたことがあります。患者さんの体位変換や着替え、髪をカットすることを手伝いました。軽く体を支えたつもりでも患者さんには痛みとして訴えられて困惑したことを今でも覚えています。
看護師体験を経て、正直に言うと私は看護師になりたいとは思えませんでした。体力というよりも精神面で疲れを感じてしまいました。この「疲れ」よりも患者さんのサポートをするという「やりがい」を胸に働く看護師は本当にカッコイイです。今回の経験は看護師を今まで以上に尊敬する良いきっかけになりました。中学生や高校生の間でも将来なりたい職業ランキングでは看護師が毎年上位にいます。
実習を振り返ってみると、医学生の臨床実習と看護学生の実習には違いを感じます。
医学生の臨床実習は医師がどういう感じで働いているかを見ているだけ、つまり見学の要素が大きいです。学生のうちは技術よりも知識を詰め込み、研修医になった時に適切な対応を覚えるといった流れになっています。
一方で看護実習では学生がキビキビと行動している姿が印象的です。私自身は看護実習に参加したことがないので詳しい内容まで知りませんが、友人から聞く話によると実習記録を書くことや事前学習が本当に大変らしいです。実習の雰囲気も医学生のものと比べたら、少し重ためだと思います。
*最近では看護実習に関するTikTokやYoutubeが沢山あります。こちらの動画は「あぃりDX看護専門学校」という方がアップロードしているものです。面白かったのです笑
またYoutuberのきりまるさんも看護実習についての動画を挙げていたのでぜひご覧ください〜
*医学生の実習内容については以下の記事で紹介しています!
以上のことから上級医の先生方が仰ることも理解できます。現代社会ではチーム医療が重要視されていますが、職種の関係性から医師が看護師に指示をすることが多いです。その中で看護師を思いやる言動を心がけることが大切なんだと思いました。
ここで全く関係ない話ですが、皆さんはキュア(cure)とケア(care)の違いを知っていますか?
どちらも医療の基本的概念で、次のような違いがあります。
「cure」は疾患を医学的な治療によって治すことを指しています。
「care」は病気に悩む患者に対して全人的なアプローチをすることを指します。つまり疾患自体だけでなく、心理的な面などもサポートするということです。特に医学生はこの違いをしっかり理解することが医学部6年生の際に行うマッチングにおいても大切なので覚えておきましょう。医学部受験の面接でも使えると思います!!
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