OSJ KOUMI 100 2023 を振り返って
OSJのKOUMI 100 に参加してきたので、その記録として。
100マイルレースは初めてなので、レース中の気付きも含めて複数回でのレポートになります。雨模様になったこともあり、当日の写真はほとんどありません。
KOUMI 100の概要
長野県小海町を舞台に、1周35kmを5周回する全長175km(僕のCOROSでの計測では168.7km)、累積標高7500m以上の100マイルレース。
<OSJのホームページリンク>
http://www.powersports.co.jp/osjtrail/23_koumi100/
前日受付
このレースは前日(1300−1700)のみ受付なので、当日朝に自宅を出発し、6時間以上運転。途中、妻を佐久平に下ろして、自分だけ受付会場のスケートセンターに向かいました。
受付では装備品チェックもなく、サクッと終了。
この日は少し涼しいながら、秋晴れのよい天気。これが続けばよかったのですが・・・
前泊地は中込駅周辺の安いお宿に。部屋はそれなりに落ち着いた感じでしたが、いかんせん外観と浴室が古くて、価格相応という感じでした。翌日早いので、17時半に夕食をとって19時半に就寝。
しましたが、21時半頃に目が覚めてしまい、そこから0時近くまで眠れず。眠れなくてもとにかく体だけは休めるように、横になっていました。目が覚めたのは1時半頃、「スタート時間の5時に目が覚めて、そこから無理にでも出場しようとゼッケンを探し回るが見つからない」という夢を見て起きるという、なんとも言えない目覚めでした(今年のOSJ 安達太良では寝坊してスタート時間ギリギリに会場に着くということをしでかしたので、ちょっと緊張していました)
レースへのアクセスと出発前
車は事務棟から少し上の選手専用駐車場に止める。3:30頃の到着。
入口から2列目(1列2台)の手前側15~20台目あたりに配置。僕の車は普通車(ワゴンタイプ)で,後部座席を倒してスペースを広くとったうえで,ハッチバック側から補給品や着替えなどを取りやすいように設営した(当日は暗い・寒い・時間がないので,家を出る前に設営を済ませておいたのが吉)。
着替えは周回ごとに行うことも想定して,天気予報の気温や降水量を確認しながら,2~5周目の着替えを100均のフリーザーパック(L)に入れておいた。
補給品も周回単位にフリーザーパック(M)に事前に入れておいて,そのまま詰め込めるようにしておいた。
その場で食べ・飲みするものとして,成城石井の10倍ジンジャーエールや豆乳・プロテイン飲料,バナナ,いなりずし,麦茶,水などを用意。
後になっての反省点としては、もう少し大きなボックスを用意して、それぞれ衣類・補給・もしかして使うもの(装備の予備品)に分類していた方がよかったかも。
大きめのゴミ箱を用意したのは正解だった(空き箱のダンボールで作った)。
装備品と補給物
◾️ウェアリング(スタート時・1周目)
シューズ:『HOKA SPEEDGOAT5』
靴下:『ハイカートラッシュ TRAIL MAGIC』
アンダーウェア下:『モンベル クールメッシュトランクス』
アンダーウェア上:『ATION クレーターメッシュ インナーシャツ』
ウェア上:『THE NORTH FACE 半袖Tシャツ』&『THE NORTH FACE スワローテイルベントフーディ』
ウェア下:『THE NORTH FACE エンデュランスレーシングショーツ』
アームカバー:『Acture アームウォーマー 裏起毛』
グローブ:『NORTHFACE シンプルトレッカーズグローブ』
キャップ:『サロモン (商品名不明)』
ネックチューブ:『テクニカ』
カーフスリーブ:『ザムスト』
ザック:『ウルトラアスパイア ザイゴス3.0』
ウエストベルト:『インナーファクト』
ゼッケンホルダー:『RAIDLIGHT RACE NUMBER BELT』
◾️装備・携行品(スタート時)
ザック:『ウルトラアスパイア ザイゴス3.0』
ウエストベルト:『インナーファクト』
ゼッケンホルダー:『RAIDLIGHT RACE NUMBER BELT』
ウエストライト:『LEDLENSER NEO4』
ヘッドライト:『GENTOS CP-260RAB』
ボトル:『OSPREY スポーツボトル500ml』
ファーストエイドキット 一式
熊鈴
スマホ&防水スマホケース
モバイルバッテリー:『ヨドバシカメラ パワーバンクC25 2500mAh』
着替え(Tシャツ、ネックチューブ、メリノウール手袋)
携行用補給品(途中入り乱れたので、持って行ったもの全部)
ジェル:『メダリスト(グレープフルーツ、グレープ、コーヒー)』、『マグオン(グレープフルーツ、バナナジュレ、ピーチジュレ)』、『Ando(塩入り)』、『アミノバイタル』、『ライスピューレ(はちみつリンゴ)』
ジェル以外:『アミノバイタル クエン酸チャージ』、『パラチノース』、『パワードリンク チャレンジャー』(5周目のみ)、『セブンイレブン 黒糖わらび・抹茶葛・安納芋羊羹』、『セブンイレブン かぼちゃ蒸しパン(ミニ3個入り)』、『ランチパック いちご&マーガリン』
◾️車内用(本部エイド)補給品
『成城石井 10倍ジンジャーエール』、『調製豆乳(バナナ・麦芽コーヒー)』、『ザバス ミルクプロテイン(バナナ味)』、『いなり寿司』
[結局使わなかったもの]水、麦茶、フルーツミックス缶、焼きそばパン、ランチパック(ピーナッツ)、経口補水液パウダー、プチ大福(ローソン)
1周目(OUT 10/9 Sun 5:00)
スタート時の整列では、全体の真ん中から少し前くらいに並ぶ(事務棟・本部エイドを出てすぐのところ)。
すぐに夜が明けるので,ヘッドライトは小さめの『GENTOS CP-260RAB』だけを点けて,ウエストライトは点けず。他の方もいるのでそこそこ明るい。なお,スタートしてすぐのロード区間(2.3kmほど)はほとんど街灯はない印象(本当はあるかもしれないが)。
◾️スタート〜エイド①(1周目はコース紹介も兼ねて)
ロード区間での入りのタイムはだいたい16分くらい。ただ前についていくだけ。結構皆さん速いような。とにかくマイペースを心がける。
ロード区間から林道区間に入ってすぐは走れそうな感じだが,周りに人もいて足元も大きめの石がゴロゴロあるので走りにくいし,スピードもそれほど速くないので,少し傾斜があるところは歩く。林道の傾斜が緩やかになるまでは人も多いので追い越しには力を使うので、早歩きで追い越せる人だけを抜いていく。
林道をしばらく進むと左手に白壁の小屋(窓はあるがガラスははめられていない)が見えてくる。それまでは比較的まっすぐに進んでいた道が少し蛇行するようになると傾斜が少し緩くなる。林道を6㎞(スタートから8.4km)ほど進むと復路との合流地点に出る。最初は傾斜が緩やかだが,徐々に石がごろつき傾斜が急なところが出てくる。
合流地点から600mほど進むと舗装路に出る。以前はここにエイド①(エイド④)があったらしいが,今回はそこからさらに1km弱進んだカーブにエイド①(エイド④)が設営されていた。
◾️今回のエイドの補給物など
エイドですべて確認したわけではないが,今回のエイドには水のほか,コーラや麦茶(温・冷),お湯,みそ汁,スポーツドリンクのほか,せんべいやハッピーターンなどの米菓があった。これはエイド②(エイド③)も同じ。
お湯はやかんで沸かして保温ポットに注いでいた。お湯切れになることはなかった。これはタイム的にも後の寒さ対策としても非常にありがたかった。
エイドの方は毎回ほとんど同じ方だったので、選手以上に大変だったのではないだろうか。本当に感謝しかない。
エイド①では飲み物・食べ物は取らず,トイレを利用(大きなほう)。工事現場で使われる移動式の簡易トイレで和式のため,ウエストベルトに入れたジェルなどが落ちないか心配しつつ用をたす。エイド①出発までで1:20。
◾️エイド①〜エイド②
エイド①からエイド②(稲子湯手前)は舗装路でCOROSの計測で3.6㎞くらい。最初の2.6kmは下りで,傾斜も結構急なところが続く。スピードを出そうと思えば出せるが,脚にきそうなので意識してゆっくり進む。
途中、落石を防ぐ工事箇所や土嚢を積んでいる箇所があり、落ちている岩の大きさを見ると結構怖い。何度かヘアピンのようなカーブを曲がる。
橋をわたると少し平坦になるが,そこからすぐのT字路を左折すると登りが始まる。そんなに急というわけではなく走れるが,無理には走らずマイペースを維持。1kmほど登るとエイド②(エイド③)に到着。エイド①~②の間は0:23。
このエイドも置いてあるものはエイド①(エイド④)と同じ。トイレはエイド設営場所から100mくらい進んだ稲子湯旅館の外トイレを使用できる。ここのトイレはきれいだし,小便用便器が4つ,大きいほうは洋式なので,積極的に利用した。
◾️エイド②〜ニュウ分岐(最高到達点)
エイド②を出発すると舗装路の登り坂で,途中,ちょっとしたトレイルに入る(多分200-300mくらい)。そこから一旦舗装路に出るが100mくらいで本格的なトレイルに入る。
トレイルに入ってから山の途中の林道に出るまでおおよそ1kmちょっと。そこまでは2-3つの急なところがあるが比較的なだらか。かと言って僕的に走れるような感じではないので,テンポよく登る。
林道から再度トレイルに入ると,徐々にOSJらしい走れないトレイルの登りが続く。何度か下りもあるが,基本は登り中心。最初のほうは比較的なだらかで進みやすいが,後半に向かうほどきつくなってくる。1周目は前日までの好天の影響でサーフェスも乾いていて登りやすかったが,それでもニュウの分岐までの残り1kmからが結構長く感じた。わかりにくいところもあるので,1周目は注意箇所を覚えるように進む。
ニュウの分岐は急に現れる。2-3周目まは分岐にスタッフが立っていたが,4周目以降は雨の影響からかいなくなった。エイド②からニュウ分岐まで1:05。
◾️ニュウ分岐〜エイド③
ニュウ分岐からすぐは平坦だが,すぐに急な下りが始まる。この区間の急な下りは2つのタイプがあり,最初は石や岩場で段差の大きな下り,もう一つは土と細い木の根でできた下り。後段のほうが滑りやすい印象で,毎周回,何かしら滑って尻をついたと思う。
滑りやすい下りが終わるまでおよそ1.5kmで,そこからはなだらかで走りやすいトレイルに入る。このなだらかな下り基調のトレイルは走っていて気持ちいい。
2km程度走ると舗装路に出る。トレイルを出てからエイド③までの舗装路(約2.8km)はそれほどアップダウンがないので走れるポイント。途中で往路と同じ区間を戻るので,ちょっとしたトレイルを下るとすぐにエイド③に着く。ニュウ分岐からエイド③まで0:51。
◾️エイド③〜エイド④
エイド③からエイド④までは往路と全く同じ道なので,往路と反対に,最初の1kmくらいを下り,残り2.6kmは登る。カーブが何度も続く,比較的傾斜のある舗装路のため,1周目から無理せず歩きを多用する。登り区間はpodcast番組『タイマーが大好き』に出ていた村井さんと一緒になり,いろいろと話しながら進んだ。
トレイルのレースは参加者同士が気軽に話せるのがいいですよね。今回は雨のせいもあるのか、皆さん少し口数が少なかったように思えますが、山の中の何もないところで人との会話はとても力になります。エイド③~④は0:25。
◾️エイド④〜本部エイド(スタート地点)
1周目はほどんどエイドに立ち寄らず,エイド④も素通り。往路できた舗装路を1kmほど戻り,そこから林道に突入。林道に入ると基本は下りで,一部を除けば走りやすい区間。1周目は道も乾いていたのでいいペースで走れた。林道区間は4㎞ほどで,比較的傾斜が急になるとカーブが増え,民家が見えてくるとすぐに舗装路に出る。
舗装路に出てから本部エイドまでは1.8km程度。登り→平坦→登りという感じ。ゲートを通過するとMCの方からゼッケン番号と名前を呼んでもらえる。エイド④から本部エイドまで0:43で,1周目は4:49で終了(予定では、プランAが4:56、プランBが5:06)。
◾️エイドワーク(1周目→2周目)
1周目endから2周目goのエイドワークは17分(事前プランは10分)。雨も降っていないので,車の外で上半身の着替え(Answer4の半袖TシャツとインナーでATIONのメッシュノースリーブシャツ)をして,『THE NORTH FACE スワローテイルベントフーディ』は車に置いていく。グローブは『アクシーズクイン』に変更。
いなり寿司やバナナ、豆乳、ジンジャーエールなどの補給を取り、ポケットのゴミを捨てる。
1周目に使用したヘッドライトを携帯バッテリーにつないで充電し,代わりに3周目に忘れないよう,ヘッドライト『LEDLENSER H8R』をザックに入れた。
ゲートから車まで200mくらいあり,トイレにも寄ったので思ったより時間を要した。少し駆け足した方がよかったかも。
2周目(OUT 10/9 Sun 10:06)
2周目は人がバラけているので走りやすくなる。最初の舗装路やエイド①までの林道区間は,無理はしないものの走れるところを走る。1周目よりも速いかと思ったが,トイレも寄らずにエイド①を1:18で通過したので,ほぼ同じペース。
エイド①からエイド②までは,思ったよりも涼しかったので,下りも登りも少しペースを抑えることを心掛けた結果,0:27。思ったほど気温が上がっていない。
エイド②からニュウ分岐までは,とにかく坦々と登る。1周目に間違いやすいポイントを覚えておいたので,ずんずん進める。抑え目に来たつもりでも,少し疲れが出始めていて,1:12かかった。
ニュウ分岐からの下り区間,サーフェスは1周目とほとんど変わらず,むしろ予測がつきやすくなったので,1周目よりも楽に下れた。舗装路に出ても同じで,ニュウ分岐からエイド③まで,トイレ立ち寄りも入れて0:58で通過。
エイド③からは標高もそれなりに高いためか,風も通るからなのか,肌寒さも感じた。エイド④まで0:29。そこから本部エイドまでも気持ちよく走り,0:46で到着。2周目は5:12で終了(プランAで5:16、プランBで5:41を予定)。
2周目endから3周目goのエイドワークでも,急いで着替え(Answer4の半袖TシャツとATIONのメッシュTシャツ)し,うっすらと雨が降り始めたので上だけレインウェア(マムート)を羽織る。
補給に関しては,毎回,豆乳飲料かザバスの200mlパックを1本とバナナ半分,いなりずし1つを食べて,最後に成城石井のジンジャーエールを飲んですっきりさせることを繰り返した。
おやつとして,1周目はセブンイレブンのカボチャ蒸しパン,2周目はランチパックのイチゴ&マーガリンを持って走り,登り坂のタイミングで食べた。ランチパックの1袋は少し多く感じた。
3周目からは確実にライトが必要になるので,2周目にザックに入れたヘッドライト『LEDLENSER H8R』を装着。雨に濡れて故障しないように,降っている間や舗装区間はなるべくライトの上にレインウェアのフードをかぶせてバッテリー部分に水が入りにくいようにした。
エイドワークは18分(事前の予定は10分)。着替えや必要装備の確認をして,本部エイドと車の間を往復すると,どうしても目標タイムの15分が切れなかった。
3周目(OUT 10/9 Sun 15:17)
3周目からは,登りで積極的に歩きを入れることにした。と言うよりも,「登りは歩く」と言い聞かせた。痛みが出たわけではないが,なんとなく脚に疲労感が出始め,脚が最後まで持つのか不安になったこと,本部エイドからエイド①までを頑張ると,ニュウの登りが逆に遅くなるのではないかと考えたことが理由。また、雨が降り始めて足元が滑りやすくなってきたのもある。
実際に本部エイドからエイド①までは,ほぼ歩きだけで1:28と、2周目から10分遅いだけで,脚の疲労感の増加はかなり抑えられた。
エイド①からエイド②までは日が暮れかけていたものの,ライトをつけるほどではなかった。舗装路のため林道に比べて雨が当たりやすく,体が冷えてくる。エイド②でオスプレーのボトルの片方に水とお湯を半々で貰い,稲子湯のトイレで用を済ませて出発準備。この区間は0:34かかった。
エイド②からニュウの分岐まで,登り区間はレインウェアをしっかり着ると暑くて後々汗冷えしそうなので,前を全開にしつつ,ザックの紐の締め付けでばたつかないようにして進む。
暗くなり,ライトを使い始めたのはエイド②を出た直後から。雨が降り始めたものの,この時間帯では舗装路に比べると山の中のほうが雨が弱く気になりにくい。道もまだ荒れておらず,ニュウ分岐の前後で少し水たまりができ始めていた。
補給は,1周目と2周目はニュウの登り始めとニュウ分岐手前に行っていたが,登りの時間を考慮(1:30を想定)して,エイド②手前で一度補給し、登山道に入って1kmくらいの林道でジェル系を1つ取り出して,登りを再開したところで1つ目を補給するように変更。ニュウ分岐前にもう1つを取らないと,急な下りではとれない(30分くらいとれない)ことから,押し込むように入れるようにした。3周目のエイド②からニュウ分岐までは1:16で登れた。
下りは雨で滑りやすくなっていて,怪我をしないように慎重に下るようにした。1ー2周目の気持ち良いトレイルも笹に付いた雨粒で靴が中まで結構濡れてしまって,寒さを感じた。エイド③までの間の舗装路は雨が本格化してきて,ニュウ分岐から1:12経過していた。
エイド③からエイド④も0:40かかった。雨による寒さで気力を奪われていく。レインウェアの上だけを着ていたが,予想以上に雨足が強くなり、古いマムートのレインウェアでは撥水能力がなくなっていて内部に雨が沁みてきていた。
寒さで危険を感じ始めたので,エイド④でレインウェアの下を着た。シューズも一旦脱ぐ必要があったので紐を緩めようとするが、指先もかじかんでうまく動かせない。ストーブに手を当てながら、なんとかレインウェアを履いた。雨を防げるところで着替えたのは正解だったと思う。
グローブも濡れて手が冷たく、念のためにザックに入れていた『フェニックス Saas Gloves PM558GL03』を使用。防風効果もあり、これが非常に良かった。
みそ汁をもらうとともに,あらためてボトルにお湯を入れて湯たんぽがわりに使った。この辺りから本格的な「雨と寒さ」との戦いになった。
エイド④から本部エイドまでの林道は少し荒れ始めてきて,水たまりができていた。走りにくさも出てきて,本部エイド手前の坂以外はほとんど走ったが0:55かかった。3周目は6:08かかった(プランAで5:39、プランBで6:20)。
3周目endから4周目goまでのエイドワークでは,雨が強くなっていたので,車の助手席で着替え(ATIONのメッシュノースリーブシャツにノースフェイスの長袖Tシャツ,その上にRanorの半袖Tシャツ)をした。グローブは予備で持ってきた(穴の空いた)『NORTHFACE シンプルトレッカーズグローブ』を装着。ザックには『防寒テムレス』とメッシュのランニンググローブを入れる。
狭いのと寒いのですべてにおいて手間取ってしまったのと,ゼッケンホルダー(ベルト)の留め具が取れてしまったので安全ピンを探すのに時間を使ってしまった。今回の装備では、腰回りにウエストライト、ウエストベルト、ゼッケンホルダーと3つも巻かれていて、ウエストライトの電池交換では非常に手間取ったし、ゼッケンホルダーがいろいろと干渉したので、次回以降は見直しが必要かな。
出発前に本部テントでお湯をもらおうと思ったら,沸かす必要があるということで,お湯をもらうまでの間、ちょっとだけ小海そばをいただく。これは美味しかった。最終的に52分も要して大誤算(事前予定では15分)。エイドワークの課題が浮き彫りになった。
4周目(OUT 10/9 Sun 22:36)
すでに22時を回り,雨も強くなるばかり。レインウェアの上をモンベルの『トレントフライヤージャケット』に代えたおかげで,雨の冷たさは感じにくくなった。3周目同様,エイド①までは舗装路以外すべて歩きで1:39。登りが続くせいか,林道部分はそれほど寒くもなく,ほんのり体が暖かくなるように感じた。
エイド①からの下りでは,雨が強いためか,ヘッドライトの光がすべて反射して,目の前に大量の羽虫が飛び交うような感じになり,先が全く見えない。足元だけはウエストライトと念のため持っていたハンドライト『GENTOS SG-325』のおかげでようやく見える程度だが,下りも登りも2-3m先すら見えないので怖くて走れない。下手をすると前に進んでいるのかさえ分からなくなる。
このあたりになると,急激に眠気が襲ってきた。特にエイド②に向けた登りでは,耐えきれなくなり,歩きながら眠ってしまった。フラフラしていたのを見かねたOSJ常連の方に声をかけてもらい,カフェインを摂取すると眠気が来なくなった。目が「バチン」と覚めるような感じではなく,眠気の波が来ないなぁという感じ。また,その方から「トレイルに入れば眠気は収まる」ともアドバイスいただき,本当にそうなった。今回の完走の大恩人の一人。その後,無事に5周ゴールされているのをリザルトで見て安心しました。
エイド②ではトイレを済ませて,エイド①からの時間は0:38。思ったより遅れなくてよかった。
エイド②からニュウ分岐までの登りは,とにかく無心で登るようにした。すでに3周しているので,だいたいの距離感はわかるため,時計すら見ずに,とにかく登る。常に「ここはまだ半分程度」とか「まだまだニュウ分岐までは時間がかかる」と言い聞かせて,自分に変な期待を持たせないようにした。
トレイルも荒れていて,分岐に近づくにつれて水たまりが大きな池に変わっており,ところどころで足を突っ込んでしまった。水たまりを避けながら進んだこともあり,エイド②からニュウ分岐までは1:34かかったが,その分脚への負担はあまり感じなかった。
ニュウ分岐でグローブを『防寒テムレス』とランニンググローブの組み合わせに交換。雨も寒さもまったく感じない。TJARの戦士たちの装備品になるのもうなずける。
ニュウ分岐からの下りは3周目以上にスリッピーに変わり,場所によっては足が滑って止まれないなど,危険を感じるところもあった。恐る恐る下ったので,時間はさらにかかり,エイド③までは1:21もかかってしまった。
エイド③からエイド④は少し頑張って0:36で走り,エイド④から本部エイドまでは1:07で走った。とにかく雨が強くて早く終わりたいというのと,あと1周すれば終わりだという気持ちで進んだ。4周目は6:58かかった(Aプランでは6:07、Bプランでは7:02)。
スタート地点(本部エイド)に到着し,車に戻って,再び助手席で着替え(ATIONのメッシュTシャツを2枚とAnswer4の長袖Tシャツ)。レインウェアの上は表面は濡れているものの、中には浸入していないが、寒さ対策に悩む。1周目で脱いだアームウォーマーが片方見つからず、予備で持ってきたアームカバーを付けて、その上から長袖のTシャツを着た。グローブは1周目で使用した『NORTHFACE シンプルトレッカーズグローブ』を再利用(防寒テムレスはニュウ分岐からエイド③か④までの限定使用にしていた)
靴や靴下も履き替えようと思ったが,エイド④から走ったためか,あまり靴の中の不快感はなかったのでそのままにした。少し空が白みかけてきたので,ヘッドライトとウエストライトは外した(予備ライトの『GENTOS CP-260RAB』は3周目からジップロックに入れてザックに入れている)。
やはり車の助手席で着替えたり,補給したりしたのでいろんなところで手間取り,時間がかかってしまった。5周目に出発する前に本部エイドで小海そばを食べて,食べ物と熱を体に入れた。エイドワークは41分くらい(事前予定は15分)。
5周目(OUT 10/10 Mon 6:12)
夜が明け始めたが雨は降り続き,レインパンツの下は濡れて脚に冷たさを感じた。5周目はラストということで,最初の林道も少し走ろうかと思ったが,水たまりがひどく,足場が悪すぎて早歩きのほうが効率がよいと感じたので,3-4周目と同様に歩き中心にした。エイド①までは1:40で4周目と同じペース。
エイド①からエイド②は,夜が明けたこともあり(ライトを使わずに済むので),視界があってそれなりに走れるようになり,0:32と3周目よりも速くなった。
エイド②では毎回お湯を片方のボトルに満タンに入れて、もう片方の補給用ボトル(アミノバイタル+パラチノース、またはチャレンジャーを入れたボトル)にもお湯を注ぎ足して温かくした。
エイド②からニュウ分岐まで,最後の山登りということで気持ちも若干楽になるかと思ったが,雨で途中のトレイルに池(水たまりのレベルを超えていた)や小川,小滝ができていた。2020年の同レースのレポートを読んでいたので「これがKOUMIか!」とある種感動したが,さすがに登るのはたいへんだった。ここも3-4周目と同じように無心で登り,エイド②からニュウ分岐まで1:38で登り切った。
ニュウ分岐からの下りは4周目よりもさらに荒れていて,安全第一を念仏のように唱えて下った。
再び分岐から防寒テムレスを使用して雨や寒さは平気だったが、途中で滑って転び,石(岩?)を避けようと体をひねったら横に一回転して泥だらけになった。着ていたレインウェアの上が破けたのではないかと貧乏性の僕は心配になったが,帰宅してから確認したところ大丈夫だった。OSJはこんなコースをして物販を促しているのではないかと邪推してしまった。すみません。
それでも,ニュウ分岐からエイド③までは1:16で,トレイルから舗装路に出たところで32時間以内にゴールに滑り込めるのではないかという欲が出てきた。
エイド③からエイド④は0:29で2周目と同じタイム。もうエイドに来ることもないので,それぞれエイド③(エイド②),エイド④(エイド①)のスタッフの方に「2日間,ありがとうございました」と挨拶して通過した。某ポッドキャストの
受け売りだが、本当に頭の下がる思いだった。
32時間切りを確実にするため、最後のエイド④からゴールまでは,登りも下りも全部走った。この区間で4周目と同じタイムだと32時間切りが危ういと思っていて,少しでも歩いたら達成できないと思い込んでいた。
途中一緒した方(ペーサーの方を含む2人組)からは「ここまで来たらもう32時間は確実だよ」と言われたが,その方々は最後の林道をその方々ものすごいスピードで駆けていった。あのスピードが出せない以上,登りも下りも関係なく必死に走った。結局,エイド④からゴールには0:53で到着。最終周は4周目より速い6:29で終えられた(Aプランで6:46、Bプランで7:12)。
結果として,自分の計算が間違っていて,意外にも32時間ギリギリではなく,31:41でのゴールとなった。
ゴール後
駐車場には車がまだパラパラと残っていて,雨や寒さのわりに完走率は高いんじゃないかと思ったところ,やはり40%くらいになったようだ。
本当は,小海そばを食べながら,途中で助けてくれたOSJ常連の方や村井さんのゴールを待とうと思ったが,あまりに寒すぎて風邪をひきそうになっていたので,すぐにレース会場を離れてしまった。お二人には失礼してしまった。
近くのドラッグストアで葛根湯と湿布,コンビニで温かい弁当とお茶を購入した。八峰の湯に行きたかったが,選手で混んでいるかもしれないと思って,宿泊先のホテル(佐久平)に戻ることにした。
車中でコンビニ弁当(麻婆豆腐&チャーハン)とフランクフルトを食べて、お茶で葛根湯を流し込み、さてと車を運転し始めたら眠気が襲ってきた。ほぼ1日半寝ていないので当然かもしれないが、危ないのですぐに近くのスーパーの駐車場に車を停めて仮眠をとった。
総括(反省点)
◾️レース展開
終わった直後は完走できたことに安堵していたが,筋肉痛の具合やラップタイムを見返すと,もう少しスピードを出してもよかったのではないか,安全サイドに立ちすぎたのではないかという気がしている。時間が経つごとに悔しさが出てくる。
加えて,雨が降り出してからのエイドワークがあまりに時間を要しすぎていて,想定より1時間以上かかってしまった。当然,着替えなどについては寒さ対策の観点からも必要だったと思うが,手際が悪すぎた。
登りに関しては,トレーニングの成果がきちんと出たと感じる。特にトレッドミルで斜度をつけた登りを速歩きする練習により,登りの場面では基本的に後続から抜かれることはなかった。
◾️寒さ対策
寒さ対策として,お腹にワセリン(『Project J1』)を塗ったほか,ホッカイロ『マグマ』の大判をお腹部分に当たるランパンの前のメッシュポケットに入れた。『マグマ』の小判も持ったが,さほど効果が感じられなかった。
前のボトルにお湯を入れたのは非常に良い対策だった。YouTubeに2020年覇者の白川さん,黒田さんがKOUMI100対策をアップしていて,その中で黒田さんが「低体温症になりかけたら心臓を温めるとよい」という話をしていたのを思い出した。ちなみに,オスプレーのボトルは80℃くらいまでなら変形もせずに持ちそう。
グローブについて,雨と寒さへの対策としては,テムレスは最高。薄手のランニンググローブに防寒テムレスを重ねると手の冷えはまったくない(薄手のランニンググローブを挟むことでテムレス内の蒸れや結露がなくなる)。
◾️ヘッドライト(夜対策)
雨の中ではヘッドライトはあまり意味がなく,光量が多いほど反射で何も見えなくなる。雨や霧の場合はウエストライトやハンドライトの光量を上げたほうが(光量の大きなライトをウエストライトに使用したほうが)良いと感じた。ハンドライトも使えるが,補給などでハンドライトの光が目に入ると一瞬何も見えなくなるので,光量の大きなものを使うときは注意が必要。
◾️補給対策
補給対策として,ジェルのほかにセブンイレブンの黒糖わらびや抹茶葛,固形物として蒸しパンとランチパックを使用。交互に食べることで飽きが来にくいほか,寒いときは甘いものが入りやすい。
ジェル自体も冷えるため甘さを感じにくくなる。逆に,ライスピューレは寒くなると押出しにくくなり,若干イラっとする。手がかじかんでうまく押し出せないということもあるが。マグオンのバナナジュレは従来のマグオンに比べてとろみが多いので食べ応えもあってよい。
豆乳やザバス,ジンジャーエールを周回ごとに摂取した効果はわからないが、筋肉痛は思った以上に少なかった。
カ フェインは4周目に『メダリスト コーヒー味』を食べるまで,エイドのコーラも含めて摂取しなかった。今回は寒かったのでコーラもそれほど飲みたいとは思わず,周回ごとのジンジャーエールでも口やお腹がすっきりした感じになった。お湯も口の中のべたつきをとるのには効果がある。
全体を通して胃腸トラブルがなかった。ただし,途中からおならが頻繁に出るようになった。胃腸が動いている証拠だと思って前向きにとらえていたが,果たして原因は何だったのか不明。
KOUMIでは自分の車をエイドとして使用するが,大きなゴミ箱を用意したのは正解だった。小さなゴミ箱では,手がかじかんだり焦ったりしていると捨てにくいと思われる。
最後に
初めての100マイルレースだったが、KOUMI 100を選択して良かったと思っている。
理由の1つは周回コースということ。リズムやペースが作りやすいし、今回のように雨や寒さが想定以上となった場合でも自分の車(エイド)に戻れば何かしら対処できる。いろいろなことも試せたので、今後の経験値を積む上でもよかった。
今回感じたのは、自分は周回コースをあまり苦にしないかな、ということ。ビビり症で不器用な方なので、同じところを通る方が安心感がある。一方で、5回も回ると、必ず2回は山の上で夜を迎えるので、3周目のニュウの登りは「またここに暗闇で来るのか」という気持ちになることは避けられない。そこは無心になれるかどうか。
今回は予報以上に雨と寒さがあったと思う。エイドの方々や本部で選手を待っていたスタッフの方々には本当にお疲れ様でしたと感謝を伝えたい。
このレポートも、今後このレースに参加する方の準備・対策に役立てられれば嬉しです。