好きなことを好きなように
長らく、文章にしていなかったが、忙しさもだいぶ落ち着いたのと、久しぶりに心が動いた瞬間があったので、記録としてゆったり書いていきたい。
昨年の1年間は怒涛という言葉が一番しっくりくる期間だった。ただがむしゃらに、練習し、イベントに出て、バトルに負け続け、体調やコンディションなどは後回しの日々を送っていた。ずーっとどこかしらを怪我していたり、体調不良だったりして、一年のうち健康だったのは30日くらいしかないのではないか、と思う。
最近は無茶するのをやめた。よく寝るし、適度に練習するし、イベントも厳選するようになった。去年の私は今を見て、頑張ってないなーと思うのだろうか。
正直、飽和状態なbreakin'シーンに私は必要ないと思う。bboyの現場は個人的に超楽しいから足繁く通うようにしているが、知り合いも少ないしサイファーで踊るのも苦手だ。技の宝石箱みたいなbboy,bgirlを見ていると、ときどき自分の存在が分からなくなる。確実に私だってスキルアップしているはず。でも勝てるはずがない。何を勝敗とするかは人それぞれだし結局ジャッジ次第なのは分かっているが、根本私の踊りはなんだか面白みが欠けているように見える。私がジャッジだったら、音楽ありきのダンスにおいて、音楽を楽しんでいないように見えるダンサーに挙げたいとは思わないだろう。
私は、トップロックが好きだ。自分なりにベーシックにこだわりはあるし、もっと派生を学んでみたいと思う。そして人から褒められるのも、自分で認められるのもトップロックだ。トップロックを踏んでいる時が一番音楽をよく聴いて、どう表現するか考えながら無心で踊れる。ただ、今の時代、トップロック"も"上手いbboy,bgirlが大量にいる。ムーブを見ていると、どんどん勇気がなくなっていく。
昨日、レッスンを受けているbboyにその話をしたところ、『好きなことを好きなようにやればいい。俺やりたくないことやらないもん。』と返ってきた。そうか。私が何度辞めようと思ってもbreakin'を続けてきたことも、ダンスで夢を追うことを決めたことも、現場に通い続けているのも、本当にbreakin'が好きだからなはず。同じbboyに、RED bull student cipherのムーブについて、感想をもらった。「上がれなかったね、でも俺トップロック良かったと思うよ雰囲気出てて。フロア入った瞬間に勢いが落ちるね。」すごく的確だった。見ていてくれたんだと思った。あの場に生徒は沢山いたはずなのに私のムーブを見て、少なくともトップロックを褒めてくれた。予選上がれないムーブだったかもしれないけどでも下手なわけじゃないじゃんってサラッと言ってくれた。徐々に自信がなくなっていた私は彼の言葉でトップロックが好きな気持ちに勝手に自分で制御をかけていただけなんだと、気がついた。
アプローチを変えてみようと思った。今まで頭が真っ白になってると思っていたのはむしろ逆で、考えすぎて脳内に複雑な方程式が羅列されて必要な情報を抜き出せなくなっている。むしろ真っ白にして音楽に素直に、自分に素直に踊ってみてもいいんじゃないか。大学生ラストイヤーにしてそう思った。
きっと時間はかかると思う。だけど私は私のペースで、好きなことを好きにやろう。
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