ベーシックインカム導入VS消費税滅殺
インフレに怯えることを「備え」とは言わない|犯罪組織罪務省
に寄せられた
ティール組織のその先を考えてみた(究極型パラダイム)
氏のご意見を受け、考えてみました。
「ベーシックインカムと消費税0%の択一ならどちらがいいか」
貴重なご意見ありがとうございます。
今は若干ながら ベーシックインカムの方がいいのではないか? と考えています。
BI定義・条件
私の考えるBIの条件
額面は問わない
財源は通貨発行
財源確保のための増税・税の創設をしない
同じく社会保障削減もしない。
年金も失業給付も減らさない。
医療費の自己負担も増やさない。
金は無から創れる以上、確保のためにこれらをする必要などありません。
BIの強み
苦しい人々の命を繋ぐ
①消費税10%BIなし との貯蓄額比較
②消費税0%BIなし(消費性向そのまま)
基礎所得 100 400 1000
24/17=1.41倍 145/123=1.18倍 412/371=1.11倍
③BI年120万(消費性向そのまま)
基礎所得 100 400 1000
38/17=2.24倍 164/123=1.33倍 425/371=1.15倍
④BI年120(消費額は①と同じ)
基礎所得 100 400 1000
137/17=8.06倍 243/123=1.98倍 491/371=1.32倍
BI年120万円(月10万)の方が、消費税0%よりはるかに貯蓄増加が多く、低所得者ほど貯蓄が激増する。
(基礎所得100万の場合、消費の割合が①と同じ場合、①の2.24倍、①と消費額が同じなら8.06倍の貯蓄)
そしてその貯蓄は命綱となる。
苦しい人は、この金の有無で生死が変わることもあるだろう。
消費増加
③BI年120万(消費性向そのまま)
基礎所得 100 400 1000
161/71=2.27倍 290/218=1.33倍 472/412=1.15倍
上の条件では、所得100万の場合、消費が2.27倍となる。
消費税廃止が1.1倍と考えると、低所得者の消費は比較にならないほど増える。消費が低迷し、かつ内需の多い日本でこれは大きい。
さらに、消費が増えなかった場合はまるまる貯蓄として残る。
しかも「物価上昇というBIの制限回避」の副賞付き。
つまりどっちに転んでも良い結果となる。
格差是正
所得100万と400・1000万との貯蓄比較
①123/17=7.2倍 371/17=21.8倍
②145/24=6.0倍 412/24=17.2倍
③164/38=4.3倍 425/38=11.2倍
④243/137=1.8倍 491/137=3.6倍
BIは中間層・上層から奪わずに格差の割合を減らせる。
そのため高所得者と低所得者の対立・見下し・恨みを招きにくい。(所得税にもインフレ抑制などの長所はあるが)
出生促進
BI支給は個人単位で0歳児にも支給されるため、子どもが多ければ世帯の合計の受け取りが増える。
そのため子を作る事の動機・負担軽減になる。
(なお「チャイルドインカム」という直接支援の提案もある)*1
中間層支援の貴重な手段
子を産み育てるには、多額の費用だけでなく、地位や技術を得るための時間・労力が奪われる。
そのため、中間層より苦しい層には、子を作る事を期待しづらい。
その意味では、出生率上昇のためにはむしろ中間層こそ援助すべきとさえいえる。*2*3
しかも中間層以上は、社会保障などの援助を受けにくい。保証を受けるのは”弱い”という評価を勝ち取る必要があるから。
BIならそ軽視されがちな中間層支援が可能。
臥薪嘗胆
消費税が残れば、後述の猛毒がまるまる残る。
そして国民の財務省への不信・憎悪・殺意が残り、増幅する。
BIと消費税滅殺両方の実現、もしくは弑逆という結果を求めるなら、「BIが先、消費税0が後」の方が適切かもしれない。
*1 ひろゆきの少子化対策は生ぬるい。地域振興券を2000万円分配布すべき! - 反逆する武士
*2 第3章 政治的に正しくなるほど福祉が弱くなる – ベーシックインカムを実現する方法 3.6
*3 経済成長すると少子化が進む理由と、べーシックインカムによる出生率の改善について|しっきー
BIの弱み
(消費税の)猛毒の放置
(消費税10%のままの場合)以下の毒素が全て残る
とてつもない逆進性(特にインボイス)
各産業の低所得者抹殺・新規参入者の排除
負担の押し付け合い・自己責任の蔓延
(消費税・インボイスの理解・実践に伴う)労力・脳の容量・時間の強盗
転じて国民全体のために動くのが難しくなる(これはBIがあれば緩和されるだろうが)
インフレ高進
上の計算で見れば消費がはるかに増える以上、BIによる需要増大インフレは、消費税滅殺より起きやすい。
ただし、インフレも「投資促進・借金のある人に有利」など、悪いことばかりではない。
また、BIを所得額に応じて後で回収すれば、累進性である程度抑えられる*4
BI目当てに外国人が押し掛ける
治安の悪化
文化・習慣などへの侵略(特にポリコレ・LGBTなど)
労働者が競争を強いられ、給料が上がらない
技術者が育ちにくい・日本に残りにくい
もっとも、これらは対象を日本国民に限定すれば防げるが、今度は「日本以外にお優しい方々」との衝突など、別の面倒を招く
民間労働者の離職・応募者減少
および、労働力・供給力の低下。特に”安い・きつい・危険”な仕事は顕著。
ただ、経営者が減少を防ぐために給料を増やす など、よい面もある。賃金が上がっていない日本では猶更。
公務員などの離職・応募者減少
恐らくこれが最大の問題。特に必要不可欠な仕事の激減が。
BIで辞める人が激増するかは(BI金額にもよるが)微妙。既に仕事についている人たちは、給料・技術・立場・自負などがあるから。
むしろ疑似的な給料増加のおかげで、続けられる場合もあるとも考える。
より深刻な懸念は応募者減少。BIは仕事の内容・有無に関わらず同額もらえるので、”安い・きつい・危険”な仕事を選ぶ動機が弱まる*5。特に自衛隊などは最たるもの。
加えて、民間と違って市場原理がほぼ機能せず、労働供給減少による給料増加も期待しにくい*6。
さらに、BIがきっかけで民間の給料が上がり公務員の給料がそのままの場合、公務員を選ぶ動機がますます弱くなる懸念もある。
アホっぽく見える
BIとは、基本的には”全員に金を配る”だけであり、ある意味雑の極み。
そのため「こんな雑で頭の悪い発想なんて、どうせろくな政策じゃない」と、はなから吟味されない という可能性がある。
加えて、「その雑な発想を支持する奴もまた頭悪い」と思われる懸念があり、故にBIの支持がためらわれる という背景もありうる。*7
(一方で雑だからこその強みも多数あるし、単純だから理解しやすい という強みもあるのだが)
*4 ユニバーサル・ベーシックインカムの支給額を所得税の課税対象とせよ - 反逆する武士
*5 ベーシックインカム導入で自衛官が大量離職する可能性を直視するべき - 反逆する武士
*6 ベーシックインカムの反対論を事前に封じておくは安全保障感覚の発露 - 反逆する武士
*7 ベーシック・インカムの最大の弱点は「アホっぽい」ということ|久保一真【まとも書房代表/哲学者】
結論
恐らくですが、今の日本では、「BIが先」の方がいいように思えます。
とはいえ確信できるわけではなく、議論の余地は大きいでしょう。
それと、BIの金額も議論の余地が非常に大きいと考えます。
質問ではBIの金額を「年178万円」と提案されており、私は120万と仮定しましたが、どちらも適切かどうかわかりかねます。
これらを話し合って詰めていくのも、我々国民の役目なのでしょう。
なお、長くなってしまったので、ブラケット・クリープについては別の記事で考えさせていただく予定です。
ご覧いただきありがとうございました。