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その会話だいじょうぶ?

あなたは知らず知らずの内に人を傷付け 悩ませているかもしれない。
何気ない会話の中に潜む地雷禁句
今回はそんな地雷禁句をひとつ紹介したい。
そして世界からひとつでも不要ないさかいを無くしたい。




それは随分と歳の離れた後輩との話の中での出来事だった。

「昨日、部屋に蚊がいて全然眠れませんでしたよ。あのぷ〜んって音ほんとやめて欲しいですよね」

そう憤慨しながら力説する後輩。

僕は あーわかるわかる という姿勢で聞いていた。



わからないのに。




え?

あの「ぷ〜ん」は全人類共通の敵だろって?

フフン。

こんの青二才がッ!!!


あの蚊が飛ぶときに発する 通称「モスキート音」は歳をとると聞こえにくくなるのだぞ。

耳の検査でピーって音を聞かされるだろ?
あれで測ってるの聴覚の衰え具合だよ?
おっさん発見器なんだよ?

あれかな。
「ぷ〜ん」がうるさいというのは「僕はまだまだ若いですよ」アピールなのかな。

ほほう。
いい度胸だ。
そんなヤツは無限に蚊と戯れるがいい!


と会話の最中に 内心では後輩の無神経さと自分の老いへの情けなさがないまぜになり悲しい気持ちになっていた。


だってここ最近ぜーんぜん聞かないよ?あの「ぷ〜ん」を。

でも僕が老けたからというのは結論を急ぎすぎている。

まず僕が老いだという証拠がない。

他にも「ぷ〜ん」が聞こえない理由があるかもしれない。


例えば

・僕のオーラが強すぎて蚊が近寄れない。
・全蚊が僕をシカトすると決めた。
・蚊は既に絶滅した。
・僕の家が「ぷ〜ん」を相殺するほどやかましい。
・実は妻が凄腕の蚊ハンターで全て抹殺している。
・蚊が僕のエッセイのファンで吸うのを遠慮している。
・僕が子どもの頃 神様にお願いした「蚊を消してください」が成就した。
・そもそも蚊なんて存在せず 秘密結社の陰謀。
・僕が年老いて耳の機能が低下している。


ほらね。

こんなに候補があるのに僕の耳のせいだけにするのは少し強引だと思う。

そうさ。

だって僕はまだ30代だし。(ギリ)


こうして若造後輩の何気ない発言が元で中年ぼくが悩むことになるのだ。

よく言うだろう?

「言葉はときに 鋭利な刃物と化すのじゃ」

と。


知らず知らずの内に相手を愚弄ぐろうしているかもしれない。

わかって愚弄するなら良し。

でも知らずに愚弄するのはお互いに損しかないからね。

肝に銘じておくように。

そして僕がまだまだピチピチだということも魂に刻みつけておくように。


あ、あなたの周囲に おっさんなのに「ぷ〜ん」が聞こえるとかいう輩がいるかと思う。
そんな不届き者にはこう言ってやろう。

「それ蚊が耳の中に入ってるんじゃないっすか?そりゃ聞こえますよね。そこまで接近を許すとはすっかりおじいちゃんですね 笑」

と笑って言ってやろう。

蚊の前にそのおっさんに刺されるかもしれないけれど。

自己責任でお願いします。
当方では一切の責任はとれません。

迂闊なばなしには注意されたし。

ではまた。

 


次回予告(ウソ)

「ぜんけい 蚊と友達になり人類と敵対する」

の巻。

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