完全犯罪を目論むロールキャベツ男子
あなたも人間ならば 人のひとりやふたり抹殺してやろうか と黒い思考に囚われたことがあるだろう。
もちろん僕も片手では足りないぐらいにはある。
でもその抹殺計画を実行に移した人は今この記事を読んではいないだろう。
なぜなら。
抹殺というのは基本的には法を犯すことになるからだ。
それがブレーキとなり僕たちは黒い思考に支配されずに済んでいる。
もし世の中に法律というモノがなかったら。
気軽に公園を散歩する事もできないだろう。
無差別に人を抹殺してやろうと目論むものが現れるからだ。
だから法律は必要。
でもその法律があなたの黒い思考の邪魔をする。
そこで誰しも一度は夢想するのが
「完全犯罪」
完全犯罪とは読んで字のごとく犯罪を完全に遂行するということ。
すなわち法に捌かれずに悪だくみをするということだ。
くぅ~。
たまらん響きだ
「完全犯罪」
でも誰しもが夢想に終わるということは 容易ではないことの裏返しでもある。
そら完全犯罪が簡単だったら法律なんてあってないようなモノ。
もちろん軽微なモノなら完全犯罪も横行しているかもしれない。
しかし抹殺となると話は別だ。
これは難易度が高い。
いかに証拠を残さずに抹殺できるのか。
物的証拠はもちろん 犯行時間のアリバイや動機があることがバレるのもまずい。
捜査線上にあがるだけでもダメだ。
これらの問題をクリアする為には直接手を下すことはやめた方が無難だ。
どうしても証拠が残ってしまう。
「科捜研の女」を見ている僕にはわかる。
特定の人物がそこ場所にいなかった事を証明するのは難しいのだ。
ならば一撃で仕留めるのではなく徐々に攻めていくのはどうか。
よくサスペンスに出てくる保険金目的の抹殺で使用される方法。
それは
「少しずつ毒を盛っていつ死ぬかわからないけれど その内確実に死ぬ作戦」
だ。
これは主に妻が夫に対して決行する事が多い。
あからさまな毒じゃなくてもいい。
医者から塩分を控え目にと言われているのに塩分過多の食事を与え続ける。
これも立派な作戦といえる。
証拠も残らない。
まさに完全犯罪だ。
と思うだろうが世の中はそんなに甘くはない。
まず夫を抹殺する動機がある時点で疑われるので 安心できない。
それにこの方法はある法律の定義が邪魔をする。
それは
「未必の故意」
だ。
普段の生活の中では聞きなれない用語だと思う。
未必の故意。
はっきり言ってめっちゃカッコいい。
必殺の対義語のような未必。
調べてみると
「行為者が、罪となる事実の発生を積極的に意図したり希望したりしたわけではないまま、その行為からその事実が起こるかも知れないと思いながら、そうなっても仕方がないと、あえてその危険をおかして行為する心理状態」
とある。
つまり保険金が欲しいけれどすぐに抹殺すると疑われるから、こうしていたら死ぬかもしれないとわかっているのにあえてその危険な行動をとらせるということ。
これを立証されると罪に問われる。
完全犯罪じゃなくなる。
ダメだ。
やはり法にバレずに人を抹殺する事はできないようだ。
この記事でひとつでも未必の故意を防げればと思う。
僕がこの「未必の故意」という言葉を初めて知ったのはオーディオブックだった。
はじめて聞くその言葉にどんな漢字を当てるのかわからない。
「こい」とは「恋」?
「みひつ」はずっと「にひつ」と聞き違えをしていた。
意味が解らずに調べるハメになった次第だ。
そして思った。
「未必の恋」もあるよな
と。
その人の事がめっちゃスキだけど 成就するかはわからない。
だから積極的なアクションは起こさずに 少しにおわせるようなアクションをとり その内成就するかもとほくそ笑む状態。
………。
……………。
誰が片思いの草食系男子キモイやねん!
めっちゃロールキャベツ男子やし?
草食の皮を被った肉食やし?
んまぁ「未必の恋」は成就はしないんだけれどね。
犯罪には積極的なアクションはアカン。
恋には積極的なアクションがイル。
これが今日の結論。
年老いた伴侶を亡き者にしようとしているあなた。
片思いの思念を無意味に飛ばし続けるだけのあなた。
よく胸に刻むように。
ではまた。