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未来のビジョンを妄想せよ

あぁ。
僕がエッセイを書いている理由ですか?

今日はオシャレなカフェでインタビューだ。

やれやれ。
一体何社目なのか。
いちいち覚えていられない。
僕は途中で数えるのをやめた。

僕のエッセイ集「おじゆう」の重版が決まったことでのインタビューだ。

飲めもしない濃ゆいエスプレッソを眺めながら考える。

僕がエッセイを書いている理由か。

ありきたりな質問だが これほど返答に困る質問もない。

「そりゃ読者に少しでも笑顔になって欲しくて」

と心にも無い無難な返答を爽やかな笑顔で返す僕。

本当は「その時々で違う」というのが正解なのだが なぜたか正直には言えない。

note時代に無料で好き勝手に書いていた頃か懐かしい。

noteでなら「僕が書きたいから書く。読みたい人は勝手に読め」とカッコつけてイキがっていたに違いない。

しかし 今はお金を払って僕のエッセイを読む人がいる。
その期待を裏切ってはいけない。

あぁ僕はいつからこんなにも他人の目を気にするようになったんだろうか。

「おじゆう」の内容も当たり障りのない いかにもエッセイです という話が多い。

僕はもっと自由に書きたい。

しょうもない事を好き勝手に書きたい。

憂鬱ゆううつだ。

本当は思っていないキラキラエッセイは売れる。
本音の意味不明エッセイは売れない。

そんな事はわかっている。

でも。

僕はしょうもないことを書きたい。


インタビューの途中で僕はいつの間にか涙を流していた。
そして黙って席を立ち、おしゃれなカフェを後にする僕。

あの時のインタビュアーの顔 面白かったな。

あとで出版社に怒られるのは怖いけど。

なぜか清々しい気持ちで良いエッセイが書けそうだ。

そうして僕は久しぶりにnoteアプリを開く。

そこに待っていたのは───。





はい。
僕の妄想にお付き合いいただき おつかれさんでした。

将来のビジョンが明確な方がその未来に向かって進めるらしい。

想像できない事は達成し得ないという簡単な理屈だ。

だから売れっ子エッセイストとなっている僕の日常を妄想してみた。

インタビューされてぇ!
カッコいいこと言いてぇ!
チヤホヤされてぇ!


そう思って妄想し始めたはずなのに キラキラした感じを出せないのがいかにも僕らしい。

ちなみに「おじゆう」「おじさんの憂鬱エッセイ」の略だ。

だーれがそんなもん読みたいんだ。

もっとキラキラした本を出せよ。

そう思ったけれどなんにも思い浮かばず その時の気持ちをそのまま書いてみた。


え?
案外売れるかもって?

たしかに。
そう言われるとそうかも。

おじさんシリーズで荒稼ぎするとしよう。

「おじゆう」から始まり「おじふめ」「おじへた」「おじおじ」など毎月出して全部ベストセラーなら2年も死ぬ気で働けばもう食うに困ることはないだろう。

そうなればまたnoteに戻ってくるよ。


え?
誰も待ってないって?

ツンデレかな?

嫌いじゃないよツンデレ。

でもデレ多めでお願いしますよ。


さぁあなたも未来のビジョンを思いえがいてみよう。
ちゃんとキラキラしたやつね。

さすれば道は拓かれんッ!


ではまた。




次回予告(ウソ)
「ぜんけい「おじふめ」が何の略か忘れて憂鬱へ」
の巻き。


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