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呪いのビデオの思い出

おわかりいただけだろうか。

このナレーションが最高の呪いのビデオシリーズ。

視聴者から投稿されたビデオを紹介して、時には解明に奮闘するという内容だ。

中学や高校生の頃にレンタルビデオ屋で借りて、友達と観るのが定番だった。

当時は既にDVDが普及し始めていたので、呪いのビデオというタイトルだがDVDで見ていた。

VHSでもあったと思うが、貞子世代の僕はビデオテープが怖い。

DVDで見ることで怖さを和らげた。

今でこそ、投稿系のホラー作品はかなり沢山あるが、当時は呪いのビデオ一強だったように記憶している。

新規で出るやつはあからさまに作り物という感じがしてハマらなかった。

呪いのビデオも絶対作り物やんというやつから、これぐらいなら本当にありそうという絶妙なラインを攻めてくるのだ。

そしてあのナレーションが怖い。

他の作品もナレーションを真似ているが、あの深みはだせていない。

「おわかりいただけただろうか」の他に「おわかりいただけたとおもう」などのバリエーションがある。

皆が幽霊がどこかわからずREPLAYに突入する時に自分だけがわかっていたときの優越感。

答えわせのVTRに突入する前に、巻き戻して確認する。

ただ観るだけでは終わらないのが、呪いのビデオの良いところだ。

コスパよし。

しかし、ひとりで観ると途端に退屈な作品になる。

長いのだ。

もっとテンポよくポンポンと幽霊を出して欲しい。

今ではサブスクで観れるのでいい時代になった。

DVDよりも気軽に任意のところまで飛ばせるからだ。

怖いところだけ見放題。

この手の作品には一番初めに、この作品はお祓いを済ませています、というテロップが流れる。

そして、なにかあっても責任はとれませんと脅かしてくる。

そんな作品の中でも一番最後に、改めて警告してくる映像がたまーにある。

そういうのは観ないのが自分ルールだ。

だって怖いもの。

触らぬ神に祟りなし。

一度だけ見たことがあるが、その前フリのおかげか、今でもその映像をよく憶えている。

ドーンドーンという音が流れ、ロッカーが少しずつ開いていくという映像だ。

最後まで観たかどうか、結末は憶えていない。

観なかったのか、憶えていない方がいいと記憶を封印したのか。

たまにこういう記憶に残る映像が観れるのが、呪いのビデオの良いところのだ。

今でも新作が出ているが、映像は一昔前のハンディカムで撮影しているような荒い映像が多い。

最近のクリアな映像には幽霊は映ってくれないらしい。

最近のスマホは勝手にAIが画像処理をしていて、気が付いていないだけかも。

個人が撮影する機会は昔に比べかなり増加しているはず。

だけど周囲で心霊映像が撮れたとは聞かない。

気が付いていないだけか?

僕はもし心霊映像が撮れてしまったら是非、呪いのビデオに投稿したいと思う。

皆さんもいちどフォルダを見返してみれば、もしかしたら心霊映像が埋もれているかも。

見つけたら呪いのビデオ宛に届けよう。

しかしピュアなこども時代にこの作品に出会えたことに感謝しなければ。

大人の僕は作り物だと思って見てしまい、心の底から楽しめていない。

大人って嫌だね。

かといってこどもに勧めるかというと、絶対に見るなと言うだろう。

触らぬ神に祟りなし。

この深淵に足を踏み入れるなかれ。

ではまた。

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