昭和から令和への順応とドラミの矛盾
息子がドラえもんの面白さに気が付いた。
毎週見ている。
僕も一緒に。
今も昔もかわらないストーリー展開。
のび太は一切成長していなかった。
調子に乗るのび太に約束された失敗。
でも現代にはそぐわないのでは?というモノが目についた。
時代錯誤の「空き地」「廊下に立っとれ」「ジャイアンの暴力」たち。
令和の子どもには意味不明ではないのか。
古き良き日本の風景なのか?
令和の今 空き地に入ったら不法侵入で通報される。
あんな大きな土管を無造作に置いていると その管理会社にはクレームがひっきりなし。
そもそも今はあんな住宅街に空き地なんてない。
いや昭和でもあんな巨大な土管を使うのはどんな場面なのか。あの空き地は管理会社の物置のようなところなのか。
それなら余計に子どもが侵入できないようにしないとダメ。
空き地横のカミナリおじさんは窓ガラスを割られることよりも 子どもが空き地に侵入している事を注意するべきだ。
廊下に立たせる教師は生徒や保護者からフルボッコにされる。
マスコミが押し寄せて教師を続けるのは難しくなるかもしれない。
それにあの先生はタブレットとか使えなさそう。
ジャイアンの暴力は学校裏サイトやSNSを通じて社会的に抹殺される。
そもそものび太の子孫が結婚相手を変える為にドラえもんを差し向けるという設定が炎上しかねない。
しかし長い歴史と作者の権威と確固たる人気のおかげで易々とは設定を変更できない。(ドラえもんズは跡形もなく削除されたから怖い)
舞台を令和にしてみるとスマホが台頭し ドラえもんの優位性が霞むかもしれないし。
それにのび太の性格はSNSに向いている。
あの陰湿で無邪気な性格ならば のび太がヒエラルキーの頂点に立ちそうだ。
そんなアニメは誰も見ない。
ドラえもんの道具も炎上を沈静化したりバスる為の道具になるだろう。
「ドラえも〜ん!僕もインフルエンサーになりたいよ〜」
「スネ夫が最新式のスマホ持っててズルい!未来のスマホだしてよ〜」
と言っていることだろう。
現代への風刺的なアニメとして君臨する可能性はある。
でも誰しもが 古き良き予定調和的なドラえもんを望んでいる。
僕は息子とドラえもんを見ながら集中せずにこんなコトを考えていた。
でもそんな不変のドラえもんで 変更されている点を発見した。
なるほど 大きな変更はできないがマイナーチェンジはしているようだ。
でもなぜそんなところに変更を加える必要があったのか。
今回僕が気が付いた変更点は
「のび太の部屋の間取り」
である。
昔とは部屋の間取りが異なっているのだ。
のび太の勉強机は窓際にあり 座った状態で右後ろには階下に繋がる階段へと通じる扉があるはずだった。
しかし、現在その場所にはドラえもんの寝床である押し入れがあるのだ。
そして過去にその押し入れがあった場所には廊下にでる扉がある。
廊下にでる扉と押し入れが入れ替わっている。
リフォームという次元ではない。
2階をそっくり入れ替えるレベルの変更だ。
いったいなんの為に。
その方が都合が良かったのだろうが謎だ。
机に向かうのび太と押し入れでくつろぐドラえもんをワンショットで撮りたい?
そんな思惑しか思いつかない。
僕が気になるのはその転換点となった回だ。
一周をまたいだ後に部屋の間取りが変わっている。
当時の視聴者はすぐに気が付いただろう。
それともドラえもんの道具で間取りを変える回があり、それをそのまま踏襲したのだろうか。
謎は深まるばかり。
でもずっとドラえもんを見ていなかった僕に落ち度がある。
調べればわかるコトかもしれない。
まぁそんな野暮なことはすまい。
だって謎がある方が楽しいのだから。
ドラえもんの謎を探求するには時間がいくらあっても足りないのだから。
謎ついでにもうひとつ。
ある回での話。
ドラミちゃんが現在に来る予定だったのだが、お土産を買うのに並んでおり遅れそうとのび太に連絡があったのだ。
いや、おかしい。
未来から過去にタイムマシンでくるんだよね?
どうやったら遅刻するのか。
好きな時間を指定して行けるはずだよね?
この謎で冒頭で考えていたような些末な問題はどうでもよくなった。
ドラミちゃんが律儀なだけなのか、原理を理解していないのか、それともタイムマシンは意外と融通が利かないのか。
僕は夜も眠れない。
過去に戻ってドラえもんを見ることをやめさせたい。
問題は我が家には人が入れるような引き出しがないということ。
残念だ。
僕は時に逆らわずに先に進むとしよう。
え?
もっと素直にアニメを楽しめ?
フフフ。
これが大人のアニメの楽しみかたなのだよ。
ではまた。