めざめ
あなたは何かに覚醒した時のことを憶えているだろうか。
何かの推しになった瞬間をちゃんと記憶しておかないとアイデンティティが揺らいで急に冷めてしまうぞ。
僕を構成する要素のひとつが「ダジャレ」だ。
ダジャレに覚醒したのは小学生の時だったと記憶している。
まだ日本語を満足に操れず 国語の成績はいつも5段階評価で2だった。
そんな僕に「言葉って面白い」と思わせたのがダジャレである。
以下のダジャレが僕のルーツである。
「惑星が屁をこいた わ〜くせ〜」
この壮大なスケール。
あり得ないシチュエーション。
|屁(ガス)を出したら くさいだろうなという想像力。
僕が初めて出会ったダジャレは宇宙規模だった。
はじめ僕は1回で理解できていなかった。
は?
なにいってんだ。
と思った。
でも その言葉遊びを理解した時の衝撃ッ感動ッ!
筆舌に尽くしがたい。
僕はダジャレのルールを理解した。
ひとつの文に異なる意味の同じ発音があると面白い。
この謎ルールを理解したのだ。
未だに何故それで面白いと感じるのかは謎だ。
理解はできないが法則はすんなりと頭に入った。
覚醒したのだ。
僕はダジャレに魅了され 今でいう推しとなった。
オヤジギャグなんて言われることもあるが その実 崇高な言葉遊びなのだ。
だから今でもすぐに思いついてしまう。
無闇には言わないけどね。
秀逸な言葉遊びも場所を間違えば たださむいだけ。
ダジャレはただ知っているだけではその力の半分も発揮できない。
有名どころのダジャレも時と場合さえ合致すれば古びれることなく輝き続ける。
もしコンドルが地面にめり込んでいたら?
「コンドルが地面にめりこんどる!」
冬に缶ジュースとみかんをもらったら?
「アルミ缶の上にあるミカン!」
階段が何故か臭さかったら?
「え?階段のにおい嗅いだん?」
動物園に行ったら?
「そのくさいサイくださいといいなさい」
水族館に誘われたら?
「あーあかんねんギョッとするから」
学校に行きたくないときは?
「靴が地面にくっついた!」
お風呂に入るまえに?
「パパはニューヨークに行ってくるね」
眠るまえに?
「枕に突っ伏したら真っ暗」
電話をコールしても繋がらなかったら?
「電話に誰もでんわ」
こうやって日常のTPOに合わせて自然にぶっ込むことが出来れば一人前だ。
さぁ目覚めよ。
あなたの内にあるダジャレ魂に火をつけろ。
周囲の目線なんて気にするな。
これは崇高な言葉遊びなのだから。
きょとんとしている人はまだ我々の域に達していないだけ。
あなたが目覚めさせるんだ。
さぁやっておしまい。
あ、ちなみに僕に初めてダジャレをぶっ込んだ張本人は母だ。
だから軽々しく子どもの前でダジャレを言うのは注意した方がいい。
僕みたいな大人になってしまうかも。
今思えばあれは 母からの英才教育だったのだろうか。
僕は息子達にダジャレを伝授するかしまいか悩んでいる。
彼らに使いこなせるかこの強大な力を。
ジェダイの心境ってこんな感じなんだろうな。
てなわけであなたの知っているとっておきのダジャレがあったらコメントで教えてね。
僕が使いこなしてみせるから。
ではまた。
最後になぞなぞをひとつ。
「外科医と歯科医が決闘したんだって。負けたのはどっち?」
答え「歯医者」
なぞなぞとダジャレは表裏一体だね。
次回予告(ウソ)
「ブラックジョークを試すもホワイトになる」
の巻き。