人類みな、『暗闇スパ』で浮けばいい
先に伝えておこう。怪しい記事ではない。
アイソレーションタンクをご存じだろうか。
フロートタンクとも呼ばれており、日本で扱っている店舗はまだ少ない。
海外だとサロンも多く、特にスポーツ選手が使用している。そんな印象だ。
試しにロサンゼルスの店舗を見たら、2時間で45ドルというお値段で「手頃だな」と思ってしまった。
SF系のドラマや映画で取り扱われたこともあるので、目にした方もいるかもしれない。私が見たのはNetflixで人気の『ストレンジャーシングス』だ。
実際に数回利用しているが、これは、
感覚遮断で全身脱力無重力体験ができ、なおかつ何もしないという最高のリラクゼーションであった。
※医療やスピリチュアルに関するものではなく、専門知識はございません。個人の感想としてお楽しみくださいませ。
きっかけ
あれは去年の5月だった。
当時アマプラを契約していた私は、日本のお宿を紹介する番組を見ていた。建物を見るのが好きなのだ。するとニセコのホテルで「北海道で唯一、フロートタンクが設置されている」と紹介されていた。ポッド型のタンクに張られた水面がLEDで光っている。
「あの中に入ろう」
と思ってすぐに調べた。幸いなことに、ここは東京。数店舗ヒットした。なんでもあるのがいいところ。ひとまずポッド型を扱っている店に予約をいれた。
私はいつも頭の電源を切りたいと思っていた。常にフル稼働してるから。自分からも離れたいと思うときがあった。自分の時間を作りたくてスマホロックコンテナも買ったが、自分をロックしたいと思っていた。
そうするに感覚遮断タンクは最適だった。
まずはA店で60分
6月。都内某所。土曜日午前中。
初回はA店。リラックス、非日常体験がウリという感じ。しかし楽しかったけど説明不足な印象だった。
事前にある程度調べていったが体験せぬことにはわからない。なにせマッサージみたいな慣れ親しんだリラクゼーションとは違うのだから。入り方の説明はあったけど、出方についてはほぼスルーだった。出るときの方が大事ということに後から気づいた。
違うと言えば、特に変わった状況だと思ったのが、他人の家でシャワーを浴び、全裸で体験する。というところだった。海外のようなサロン形式でなく、マンションの一室が店舗。マツエクやネイルサロン等ならそのような店舗はたくさんあるので、特に女性は想像つくかもしれないが、そんな場所でシャワーを浴びるという異質シチュエーションが待っている。
なにもオーナーの前で裸になるわけではないが、下の階に男性スタッフがいる、という何とも不思議な感じだった。
ポッド型のタンクは思った以上に大きかった。大人ひとりがすっぽり入れて尚且つ余裕があるサイズなのだからそうなんだけど、「どっから搬入したの?」と思ってしまった。
耳栓をして入ってみる。浅い。すこしトロミがある溶液。仰向けになると簡単に浮かんだ。前日にひっかいた背中が染みた。超楽しいじゃん。LEDをつけたままプカプカしてみる。浮いてる状態に慣れたらライトを消した。
まっくら……
ではなかった。ポッドの開閉部分にうっすら隙間があるのだ。でも十分暗い。そのまま目を閉じた。実は浮いてるときの事はあまり覚えていない。
(たぶんみんな知りたいのココなのに)
60分はあっというまだった。
思考が落ちて溶ける感覚に数回陥った。とても心地よかった。
液体が目に入らないようにハッチをあけて立ち上がるが、出る瞬間に転びそうになった。
全身が脱力していたので、足に力が入らなかった。当然なのだが気づかなかった。この説明ほしかったな、と思った。正直。マジで。
しかし効果は絶大だった。昼過ぎに家に戻ってそのまま寝てしまった。すっごく寝た。夕方起きてご飯を食べて、夜もぐっすり眠った。昼寝したのに超寝れた。
自分に合ってるな。と思った。
次にB店で90分
7月。都内某所。金曜の夜。
2回目以降からB店にお世話になっている。こちら、タンクについて長らく研究している方の店舗。A店とは指向が違うので善し悪しというより好みや相性が大事な気がする。
A店に比べれば如何せん「あやしさ」を感じてしまうのはなぜだろうと思いつつ、オーナーさんに挨拶。こちら、ヒアリングとアフターケアがちゃんとしてた。なによりこのマイナーなコンテンツを扱う自分を少し変わってるタイプだと自覚してるオーナーがよいと思った。
こちらのタンクはLEDも音楽もない(時間が来たら音は鳴る)。俗に言う映えるモノでもないが、感覚遮断レベルがバツグンだった。
耳栓をしてタンクへ入る。蓋を閉めるともう真っ暗。暗闇と無音の世界が広がり思わず笑った。超嬉しかった。これこれ。と思った。
息をする以外なにもしない物体となったまま、まるで無重力の世界に体を預ける。
頭の切り替えはすぐにできた。これが瞑想というものなのか正直わからないが、無になる感覚はわかった。90分は長いかな、と思ったけど終わってしまえばあっという間だった。
土日は頭がずっと静かだった。
ストレスから解放されて、穏やかに過ごせた。昼寝しても、やっぱり夜も寝れた。
浮かび続けた結果
自分にぴったりのリラクゼーションだったので「頭のスイッチオンオフの感覚」を体に覚えさせるべく、そして単純に浮かぶのが楽しいから月1でB店へ行ってた。
タンクに入った途端に体が喜ぶし、浮いてるときは楽しいし最高に好き。
真っ暗で楽しい。
不思議なことに、浮かんでいると体が勝手に動くのだ。そんな体験もちょっと面白い。オーナー曰く、体が元の位置に戻ろうとしている。らしい。
私はあのマシンを勝手に棺桶タイプと呼んでいるが、まさに死んでるみたいになれる。
余計な思考が消え、何もしなくて良くなる。
生きながら死ねるのだ。溶けて消える感覚になる。そしてタンクから出ると生まれ変われる。その状態がとてもいい。
※個人の感想です
そうしている内に、頭の電源をオンオフが割と自由にできるようになった。
意識や考え方の切り替えにも非常に役に立つと思う。
5回も通うとタンクを出ても、日常でもそれが身に付いていた。
まず夜の寝付きが悪かったのが、すぐ寝れるようになった。
仕事中にイライラしてもすぐ切り替えできるようになった。
カンやひらめきの幅が増えた。
みたいな感じで、身についたので3ヶ月に1回浮かべばいいかな、って感じである。気持ち的には毎週浮かびたいけど。
結果、浮かぶのとても楽しい。
マッサージに種類がたくさんあるのと同じで、効果の感じ方に違いもあるし、好みや向き不向きはあると思います。
ただ浮けるっていう、疑似無重力はこれでしか体験できないから、日常に疲れた人は浮かんでみるのがいいと思います。岩盤浴やサウナに行くのと同じようなリラックス体験の1つとして、非常におすすめです。
個人の感想としては
・不思議体験マシンではない
・感覚遮断するだけで、自分的にはスピリチュアルなものでもない
・意識的仮死状態って感じ
・全身脱力リラックス装置
・向き不向きはある
・マッサージみたいに会話しなくていい。揉み返しもない。
・デジタルデトックスにもなる
という感じでしょうか。とてもカンが冴えるのでスピリチュアル的な印象があるかもしれませんが、私的には本能が戻る感じだと思います。五感が冴える。物や情報に溢れた世の中で自分に必要なモノとそうでないモノの脳内仕分けができる、そんな感じです。
というわけで、大好きなアイソレーションタンクのお話でした。
いろんな世界があるんだね!
では私は昨日浮かんできたので、このフワフワ感覚を保ちつつ、引き続きまったり過ごそうと思います。
いいひらめきが増えればいいな。
ありがとうございました。ストレスから解放された生活をしたいよね。
追記:店名出してないのにB店のオーナーさんに当記事発見されました。分かる人にはわかるんでしょうか。またお店行きますね。
■次回予告
・文学フリマの詳細記事
・曲を作ったよ
お楽しみに。