ママ友とランチなんて行きたくない!
このままじゃあ、いやだ!
3番目の娘が幼稚園に通いはじめた。
とうとう●●ちゃんのおばちゃんにも自由がやってきた。
何しよう? ママ友とランチ三昧? 毎日、ボスママの顔色見ながら誰かの批判に明け暮れるの? むしずが走る。
良妻賢母になる? だめだ、旦那は、私の事なんて全然興味なし。
どうしよう。
このままじゃダメになる。
女ざかりの35歳。人生まだまだ長いのに。人生は、一度しかないのに。
何かしないと私だけおいてかれる。
寂しい人生しか待ってないなんて絶対いやだ。
だけど、何すればいいの?
学生時代は、音楽ばかり聴いて勉強なんてろくすっぽしてないし、社会にでてからは、バブルよろしく、若いだけでちやほやされて、ボディコンファションに身を固めて。
思い出すだけでも恥ずかしい。
本当に何もやってこなかった自分が恨めしい。
神のおつげ?
もんもんとして寝付けない。子供たちは、すやすや隣で寝てる。
何ができそうか、このところずっと考えている。
「そういえば、大学は、すべったけど外国語専門学校に2年も通ってたな。英語なんて大嫌いだったけど大学受験には、絶対英語がいるからそればっかりやってたらそれしかできなくなったんだ....。そんな考えではいった学校だから全然勉強してないな。」
........
「そうだやっぱり英語しかない。好きとか嫌いとかいってられない。英語の勉強やり直そう!」
リサイクル好きの私には、それしかないじゃんか。とりあえず形だけでもあるもので何とかしてみよう。明日、子供の公文の先生に私も基礎からやりたいって言ってみよう! 子供を待ってる時間自分も勉強。一石二鳥じゃん。」
かくして、あの眠れない夜の思いつきで英語学習ははじまった。
やり始めたのは、いいけれど第3文型も忘れてる‥
前途多難。
女は、英語でよみがえる
図書館で。
何、この本? 私のための本?
この作者、安井京子さんの-success story- 英検準1級をすべったところから猛勉強で通訳になられた。そのノウハウが具体的にかかれてある。
えっ? もしかしてこの本のとおりに勉強すれば通訳になれるの?
おめでたい私は、大興奮。 あの頃のわたし…だいぶ…やばい。
かくして、わたしの運命の英語の歯車は、まわりはじめたのでした。
「ちょっと用があるからお先に失礼します。」
幼稚園バスを見送って。
何という開放感。ママ友たちをふりきって家路を急ぐ。
帰って勉強しないと。
これは私の仕事。
だって私、通訳になるんだもん。
もう、ママ友の輪の中で作り笑いをしてなくて、いいなんて
こんな、「しあわせ」ありがとうございます。
安井先生!
それからの私は、毎日、毎日、辞書を引かない日はないくらい勉強に励みました。語学。これは意外とやりはじめると奥が深く、のめり込むのには、
十分魅力のあるものでした。
ラジオ講座に通信教育、1年間みっちり基礎から勉強しなおしたくて家族を説得して学校にも通いました。
世界情勢は、いつも気になり新聞、本もよく読むようになりました。
英語は、ママ友とのだけのちっぽけな世界を大きな世界へと導いてくれました。
そんな私も今年で60歳になります。やっぱり、通訳には、なれませんでした。 でも、その間色々な事がありました。素晴らしい仲間もたくさん出来ました。国際交流もできました。今は、少しだけ英語でお金をいただける仕事もしています。
引っ越し、娘たちの独立、母の病気。去年離婚をしたのは、英語にのめり込み過ぎたのかな?ってほんのちょっとだけ思いますが、悲嘆に暮れた時
いつも、いつも、英語は、わたしをよみがえらせてくれました。いえ今も進行中ーよみがえらせてくれつつあります。
単純にも通訳になれるかもしれないと一瞬で思ったわたし。でも、よみがえるって通訳になることじゃなかったんですね。
学びなおすってもう一回生きる事。青春ーなんて古くさい言葉だけれど、もう一回生きれば、もう一つの世界でで必ずまた青春は、やってきます。