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ジェネリック医薬品問題~精神科医療への思わぬ余波

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※2分で全部読めます。少しお時間いただき最後までお読みいただけたら嬉しいです。

今回は医薬品供給不足問題、および製薬会社の不正製造問題の、私が普段感じている精神科医療への影響と、あまり気づかれていない(!?)思わぬ余波について少し触れたいと思います。

一番最初のニュースは2020年12月に某製薬会社の抗真菌薬に睡眠薬の成分が混ざっていた、というのが始まりでした。かなり衝撃的なニュースで当時はかなり話題にもなりましたが、現在まで3年近く経ちますがその後も何社もの製薬会社ジェネリック医薬品の不正製造問題が取りざたされています。

最近では、コロナやインフルの流行も相まって、咳止めや去痰薬、抗生剤などの不足も話題になっていますよね。精神科領域では私の場合ですが、一番困っているのは、ビペリデン(アキネトン)という統合失調症薬の副作用止めの薬が供給停止していることです。

ビペリデンの代替薬も不足していて、患者さんの中には手が震えて困るとか、何と言ってもアカシジアと言って足がむずむずして座っていられない症状(大変苦痛)に対して、ビペリデンを服用していた方は本当に困っている状況です。

他にはコントミンやレボトミンといった古いタイプの統合失調症の薬も供給不安定で、やはりこの薬でなければ効かないという患者さんも中にはおられ大変困っています。またこういった古い薬は、「儲けが出ない」という理由で製造されていなかったりもします。

また最近、思わぬところからも矢が飛んできました。入院中の統合失調症の患者さんが、10月末の沢井製薬の不正製造問題のニュースを病棟内のテレビで耳にし、それを理由にしばらく薬を飲まなくなってしまったのです。

この方の場合もそうですが、元々薬が嫌いで何とか飲んでくださっている患者さんがいる中で、こういったニュースを耳にし拒薬してしまう方がいるのもうなずけます、。

日本の医薬品製造過程のチェックが厳しすぎてコストや時間がかかるとか、海外からの原材料の調達ができないとか、色々と問題はあるかと思います。早く事態が改善されて、必要な薬が必要な患者さんに届くようになればと願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。














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