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【研修医日誌】⑪ 忘れられない景色
■消極的な気持ちで選んだ老年病科
医師国家試験に合格し、志望科が決められなかった私が最初に選んだ医局は老年病科でした。1型糖尿病という持病があり、手術中に低血糖を起こしてしまう可能性があるため、外科医系はもってのほかです。主治医には「臨床医も難しい」とさえ言われていました。だから私は体力的に問題がなく、これから需要が高まるであろう老年病科を消去法で選んだのです。
大学の同級生から、「親御さんは産婦人科開業医だったよね?」「それに神経内科が好きだから神経内科か小児科って言っていたじゃないか?」と言われたこともあります。研修医の私の胸にある名札には「老年病科研修医」と書かれているので、胸につけた名札と顔をまじまじと見られたこともありました。
老年病科研修医は希望者が5人。我が母校金沢医科大学の初期研修医1年目30人中1/6が老年病科を希望していた年でした。
5人中一番最後に老年病科医局に入局した私はあぶれてしまい、小児科が最初のローテート科でした。その年、小児科研修医はゼロです。コンビニ受診や少子化が話題となり、小児科は研修医にとって不人気な科だったのです。
■素晴らしい上司がいた小児科
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